沖縄よ! 群星むりぶし日記

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小沢一郎の三度目の政権交代はナンセンスに終わる

自民党の裏金問題。明らかに脱税行為なのに、検察は立件に動かなかった。この国の民主主義はあまりにも未熟であり、三権分立は形式だけに過ぎないことが、今回も明らかになった。自民党政治の腐敗は止まるどころか常態化している。派閥解消は一時的な目眩しにしか過ぎず、嵐が過ぎれば、いずれゾロゾロと復活するに決まっている。同じ光景を我々は、嫌というほど見てきた。

成熟した民主主義国家なら、政権交代が起きて当然であるはずなのに、その声はあまりにも小さく弱々しい。確かに全野党が結集し連結すれば、あるいは政権交代は可能かもしれないが、現実は悲惨なほど野党はバラバラ状態であり、全野党統一は夢のまた夢にすぎず、このままだと政権交代は100%実現しないだろう。

そこで小沢一郎議員の行動を考えてみたい。今、野党議員で政権交代を真剣に主張し行動しているのが小沢議員だからである。かつて小沢議員は自民党を飛び出して、自身の政治理念である2大政党制を日本に根付かせる目的で行動を起こし、2度政権交代を実現させた剛腕政治家である。最初の細川政権は約9ヶ月、それから15年後に成立した民主党政権は約3年続いたが、いずれも自民党に奪還された。

確かに機が熟すれば、政権交代は可能であることを2度も小沢議員は実証してみせた。そして3度目となる今回、政治家として最後の大仕事になるとの必死の覚悟で野党結集に奔走している。自民党の腐敗政治が頂点に達している今、確かに政権交代の機は熟している。

全野党が結集すれば政権交代は可能だろう。しかし、先ほども指摘したように、全野党の結集は不可能である。だからこの先少なくても10年間は、政権交代はあり得ないだろう。

但し、今考察したいのは、仮に今回の自民党の不祥事の機を捉えて、全野党が結集し、政権交代が起きたと仮定した場合である。その時の与党は、日本をどのような国家にするつもりなのだろうか? 小沢氏に問いたい。不平等の日米安全保障条約をどうするのか? 属国状態の今の日米関係をどうするのか? 今の小沢氏から聞こえてくるのは政権交代だけであり、国家としての日本のあり方ではない。憲法9条を改正するのか、アメリカから独立して米軍を追い出すのか、一切言及はない。細川政権の時も民主党政権の時も同じだった。日本独立の声は聞こえてこなかった。つまりは政権交代したところで、日本の立ち位置は、自民党とほとんど変わらない対米従属に終わる可能性が高い。

日本独立を公約に掲げる政治グループが現れない限り、政権交代にさしたる意義はない。ナンセンスである。