沖縄よ! 群星むりぶし日記

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これからどうなる激戦の東京8区

8日、山本太郎新宿駅前での街頭演説で東京8区から立候補すると宣言した。その説明を聴きながら、彼が今まで自身の選挙区の発表を伸ばしに伸ばしてきた理由が理解できたように思う。

山本代表は、統一候補一本化に向けて共産党立憲民主党との交渉に多大なエネルギーと時間を費やした。その過程で共産党が候補者を降ろしたのは問題ないとしても、立憲民主党の吉田晴美候補は前回、前々回と石原伸晃に次ぐ票数を獲得し、今回の統一候補を目指して6年間も地元で活動を続けてきた人物だ。当然、彼女の支持者たちは吉田候補が統一候補者になるものと信じてきた。しかも東京8区では、れいわ新選組のオリジナルメンバーの一人である辻村ちひろ候補が2年間、ずっと地道な活動を続けてきたという現実もある。

そんな厳しい状況を考えると、二人を差し置いて山本代表が統一候補になるのは非常な困難を伴うだろうと誰もが思うはずである。しかし山本代表は、立憲民主党との間でなんとか合意を交わし、辻村氏には北立信越比例区に回ってもらうことで了解してもらった。

本当にご苦労様でした、と心からそう言いたい。しかし、これまでの努力が無に帰した辻村氏と吉田氏はさぞ無念だったろう。お二人のことを思うと、どこか割り切れない気もする。政治闘争とは残酷で非情なものである。これが現実の政治というものだろう。

考え方によっては、ある局面で非情な決断を下すことのできる人間こそが真のリーダーとして相応しいと言えるのかも知れない。

山本太郎は9年前に初めて臨んだ選挙で石原伸晃に挑戦したが、次点で落選した。今回はそのリベンジでもあり、必ずその首を取りに行くと力強く宣言したが、勿論、目的はリベンジという私怨を晴らすというような小さなことではない。

石原氏は5年前の総選挙で消費税を15%に上げるという旗のもとで選挙を戦うべきだと宣言した人間である。彼の経済政策は、れいわ新選組が掲げる消費税廃止と真っ向から対立する。

しかも石原氏は自民党の中枢部にいて一定の力を持つ、自民党そのものとみて差し支えないような政治家だ。つまり、安倍政治、菅政治を容認してきた政治家である。しかも同じ選挙区で8連勝という強敵でもある。

そんな政治家の首を取りに行く。山本代表のリベンジという言葉には、そのような内容が含まれていると理解するべきだろう。そして、山本代表は小選挙区だけでなく比例重複の保険もかけていると述べた。これは新選組支持者にとっては朗報である。これで山本太郎の国会復帰は約束されたようなものだ。接戦になるであろう個人戦に敗れても(是非勝って欲しい!)団体戦で復活できる。

しかし、好事魔多しだ。9日のぶら下がりインタビューで、枝野幸男立憲民主党代表が信じられないような発言をしたのである。山本代表と立憲民主党の合意に対して不快感を示したのだ。その報道を知った時、一瞬、頭が混乱した。山本代表は嘘をついたのだろうか? いやそんなはずはない。真実を探るべく関連しそうなネットを調べまくった。ずっと調べても納得のいく情報に出会えない。と落胆していたところ、今朝偶然、ある動画が目に飛び込んできた。

発信者は及川健二。多分、この人、よく山本太郎にインタビューする人に違いない。顔を見るのは初めてだ。及川氏の説明で初めて枝野発言の真相を理解することができた。

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山本代表が立憲民主党と合意を交わしたのは事実だった。合意した相手は平野博文選挙対策委員長小沢一郎のコンビ。

つまり山本代表は、枝野代表と直接にではなく、平野・小沢ラインと合意に至ったというのである。と言うことは、枝野代表は平野・小沢が決めたことに不満だったのだ。

山本代表に落ち度はなく、立憲民主党内の意思疎通の不備が原因なのだ。及川氏は党内の内紛劇と説明しているが、さもありなん。枝野幸男は昔から小沢一郎が大嫌いなのだ。そして立憲民主党は自分が作ったという強い自負がある。

だから合意に不満を漏らした。しかし、それが事実なら枝野幸男はやはり政治家としては、まだまだ小粒ということだろう。政権交代を目指すリーダーなら、政権交代一筋に命を燃やしてきた小沢一郎を徹底的に利用すべきだろう。小沢氏も老いたとはいえ、政権交代にかける執念は他の政治家の比ではない。

しかも平野氏は選対委員長である。二人の決定に対して、枝野氏は代表の立場から、むしろその労をねぎらうべきだろう。不満を漏らすなどもってのほかだ。そして内紛劇にはもう一つ問題がある。それは、吉田晴美を本当に納得させて了解を取り付けたか、という疑問だ。

吉田氏本人と立憲の幹部とのやり取りの詳細を知ることは難しい。いずれにしても枝野氏の不満表明はあまりにも迂闊すぎた。おかげで良からぬ波紋が広がり、東京8区は混乱状態に陥っている。急いで問題を解決しなければ野党共闘に大きな亀裂を起こす恐れがある。

最後に一言。及川氏はフランスが大のお気に入りのようだ。動画の終わりでフランス国歌をフランス語で歌うのが慣例らしい。面白い、変わった人だ。

ぼくもフランス語は好きだ。今も勉強を続けている。及川氏には悪いが、発音ならぼくの方がずっと上手い気がする。