沖縄よ! 群星むりぶし日記

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岸田首相の「新しい資本主義」に新しさは何もない

今日の午後2時、岸田首相の所信表明演説が行われテレビ中継された。期待どころか、只々がっかりさせられただけだ。日本の衰退をどう食い止め、どうやって浮揚させていくかの具体策が何一つ出てこない。

官僚の作文を棒読みするだけで覇気が全く感じられない。演説は凡庸で聴衆を感動させる能力に欠ける。国家を運営する指導者として完全に失格である。

余談だが、高市早苗所信表明演説だったらどうなっただろうか、とつい想像してみたくなる。おそらく議場全体に緊張感が走っただろう。彼女の信念に満ちた具体的な国家観に対して賛否両論が明確になり、与野党の対立軸が鮮明になるからだ。

ついでに山本太郎ならどうだろうか。高市氏と違う意味でやはり議場は緊張感に包まれたに違いない。山本氏が街宣で常に強調している経済政策を演壇でブチ上げたら(彼なら間違いなくやる)そのあまりの大胆不敵な言動に議員全員が腰を抜かすことだろう。

高市氏と山本氏の所信表明演説、いつの日か実現することを祈りたいが、恐らくは見果てぬ夢に終わるのだろう。しかし、これだけは言いたい。今の政界を見渡した時、良い意味で自民党を象徴する人物は高市早苗であり、リベラル勢力の象徴は山本太郎である、と。

これもまた独りよがりの妄想に過ぎないのだろうか。

さて凡人・岸田首相の所信表明演説の「新しい資本主義」について言及した箇所だけ抜粋して検討してみたい。

次に、私の経済政策について申し上げます。マクロ経済運営については、最大の目標であるデフレからの脱却、成し遂げます。そして、大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略の推進、努めます。危機に対する必要な財政支出は躊躇なく行い、万全を期します。

経済あっての財政であり、順番を間違えてはなりません。経済をしっかりと立て直します。そして、財政健全化に向けて取り組みます。

その上で、私が目指すのは、新しい資本主義の実現です。新自由主義的な政策については、富めるものと、富まざるものとの深刻な分断を生んだ、といった弊害が指摘をされています。世界では、健全な民主主義の中核である中間層を守り、気候変動などの地球規模の危機に備え、企業と政府が大胆な投資をしていく。そうした、新しい時代の資本主義経済を模索する動きが始まっています。今こそ、わが国も、新しい資本主義を起動し、実現していこうではありませんか。

「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」。これがコンセプトです。成長を目指すことは、極めて重要であり、その実現に向けて全力で取り組みます。しかし、「分配無くして次の成長なし」。このことも、私は強く訴えています。成長の果実を、しっかりと分配することで、初めて次の成長が実現します。大切なのは、「成長と分配の好循環」です。「成長か分配か」という、不毛な議論から脱却し、「成長も、分配も」実現するために、あらゆる政策を総動員いたします。

デフレからの脱却、これが最大目標だと言う。非常に素晴らしいことである。しかし、続けて次のように言っているのだ。

「経済あっての財政であり、順番を間違えてはなりません。経済をしっかりと立て直します。そして、財政健全化に向けて取り組みます。」

これはあまりにもおかしい。日本経済が20年以上もデフレ経済から脱却できない大きな原因の一つは、財政健全化と言う足枷に囚われてきたからである。

にも関わらず「財政健全化に向けて取り組みます」とはいったい岸田文雄の思考経路はどうなっているんだ。「国の借金が1千兆円も超えて財政が破綻する」と言う例の財務省とマスメディアによるプロパガンダに岸田首相も洗脳されている証拠だ。

財政健全化するなら財政出動国債発行)などできるはずがないじゃないか。以下、「新しい資本主義」について述べているが、具体性に欠けて少しもワクワクさせる要素がない。

自民党政権は9年間もの長きに渡って2%の物価目標さへ未だに達成できていないのだ。安倍、菅、岸田へと政権が移行しても、顔が変わっただけで中身はほとんど一緒。

岸田内閣に期待できるものは何もない。デフレ脱却は無理だろう。