沖縄よ! 群星むりぶし日記

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高市早苗の積極財政は嘘だった!

昨日行われたNHK日曜討論。大石あきこ議員と高市早苗議員の発言に焦点を絞った下の動画をまずはご覧いただきたい。


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消費税を廃止して積極的に財政出動し、経済の底上げを図るべきだとの大石議員の主張に対して、高市議員が反論した。

高市議員は、消費税法の第一条2項の条文に言及して、消費税は法人税引き下げの穴埋めに使われていると言うれいわ新選組の主張を批判した。確かに、高市議員が言うように、消費税法は次のように定めている。

第一条  消費税の収入については、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)に定めるところによるほか、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとする。

この条文を読む限り、高市議員の指摘は正しい。しかし問題は、消費税は所得税法人税と同じように一般会計だということである。決まった用途にしか使えない特別会計ではない。
一般会計である以上、年度の状況により予算配分には融通性があるということ。つまり、どの事業にどれだけの消費税(所得税法人税も同じ)が割り当てられるか、決まっているわけではないのである。
もし条文に規定された諸分野に消費税の全部を充当したいのならば、消費税を特別会計扱いにしなければならない。つまり、消費税法第一条2項は真実を覆い隠すためのカムフラージュでしかないのである。
法人税が下げられる度に消費税が引き上げられてきた事実は、れいわ新選組が主張するように、法人税減税の穴埋めに消費税が使われた証拠である。
その事実を否定して、出鱈目だと語気を荒げた高市議員の顔は、真実を語る大石議員の凛々しいカッコ良さに、内心嫉妬し動揺したからに違いない。まるで毒蛇の顔のようだ。
振り返ると、高市議員は昨年の自民党総裁選に出馬した。その時の高市議員の出馬会見を見て、なぜかぼくは感動してしまった。自信に溢れて日本の将来のあり方を具体的に語る高市氏の姿に惚れたのである。その中で彼女は積極的財政出動も厭わない言った。(その後の藤井聡との対談でも、彼女は積極財政について肯定的に言及していた。)
一部の人から右翼とよばれる彼女が積極財政を唱える。そんな人間が総理大臣になれば面白いだろうなと思った。きっと国会は緊張するに違いない。ワクワクして彼女の政策を深く知りたくなり、総裁選の直前に出た本『美しく、強く、成長する国へ。私の「日本経済強靭化計画」』を買って読んでみた。
内容は非常に具体的で理解に苦しむところもあるが、そこはぼくの勉強不足であり、全体的には素晴らしい内容である。この中に掲げられた政策が実現すれば、確かに日本は力強く再生するだろう、そう思った。
しかし、高市氏は自民党総裁にはならなかった。幸運の矢を射止めたのは凡人の岸田文雄だ。山本太郎は最近、岸田氏のことを透明人間(又は味のないパスタ)と呼んでいる。くしぶち議員と大石議員は予算委員会で「鬼!」と呼んだ。透明の鬼、怖い存在である。
さて、総裁選に敗れて政調会長に収まった高市議員から次第に積極財政の言葉が聞こえなくなったのはどういうわけだろうか。全くもって不思議なことだが、結局のところ、やはりそうだったのか、である
そう、自民党お家芸、手のひら返しである。拍手喝采の後、幕が降りると主役を演じた面々は、台詞を置き忘れて次の戦場に向かう。そして新しい劇場で用意された台詞を覚える。
そのいい例がTPPだ。民主党政権の時、国を滅ぼすTPPには絶対反対だと騒ぎ立てた自民党。政権を奪い返すや国を滅ぼすはずのTPPを積極的に推進。なんの恥じらいもなく手のひら返しをやってのけるのが自民党である。
やはり高市議員もそうだったのか、と思わせたのが昨日の日曜討論である。積極財政という言葉こそ出なかったが、彼女の発言の内容を検討すると、もはや積極財政派でないことは明らかである。(畜生、まんまと騙されたか。)
積極的に財政出動しないで、どうして「日本経済強靭化計画」が可能なのか、教えてもらいたいものだ。「美しく、強く、成長する国へ。」のタイトルが虚しく泣いているぞ。
彼女の後見人が安倍晋三ということで、多少の不信と疑問はあったが、やはりそうだったのか。高市早苗安倍晋三は、同じ穴の狢だったのだ。

株を大きく下げた高市議員と違い、大石議員の活躍は目覚ましかった。政権の一翼を担う公明党の責任を問い、小川淳也議員の利上げ発言を批判。米国の利上げ政策は、好景気によるインフレを抑えるためのものであり、賃金が何十年も上がらない日本で利上げしたら益々不景気になるだけだ、と正論をぶつける。すると、小川議員はタジタジ。それもそのはずだ、小川淳也はひどい経済音痴である。

いっとき、ぼくは小川氏に大いに期待していた時期があった。安倍首相を追及する姿勢が実に見事だったからだが、経済音痴とわかってから失望し、それから全く期待しなくなった。

消費税は廃止して思い切った財政出動で国民に十分な金を配り、消費を増やして経済を浮揚させる。衰退していく日本経済を再生させるためには、このれいわ新選組の政策こそが、「美しく、強く、成長する国へ」の1番の近道である。