沖縄よ! 群星むりぶし日記

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山本太郎の懲罰動議が暴きだす政治の劣化現象

20日参議院議院運営委員会は理事会で山本太郎懲罰動議を見送った。これで山本太郎参議院議員に対する懲罰は実質的に消えたことになる。当然と言えば当然の結果である。マスコミはこぞって小さな記事扱いだが、実はその根底には日本政治の貧困化という深刻な問題が横たわっていることが分かる。

同じれいわ新選組の大石あきこ衆議院議員に対して「訓戒」、くしぶち万里衆議院議員に対して「10日間の登院停止」の懲罰が課せられたことを考えると、議員2人を負傷させたとされる今回の山本氏の行動は明らかに大石、くしぶち両議員の行動を凌ぐ重いものであるはずなのに、何故かその責任を不問にふしたのである。

それなら大石議員とくしぶち議員に対する懲罰を取り消さなければ、理屈として整合性が取れない筈である。公平を旨とする民主主義を標榜するのであれば、両議員の懲罰を直ちに取り消すのが懲罰委員会に席を置く議員達の責任だろう。

しかし、そうはならないのが今の政治だ。無責任が常態化している今の国会は大政翼賛状態となり、さらなる危機的状況に陥っている。

この危機的状況に小さな政党、れいわ新選組が警鐘を鳴らした。衆議院本会議場で大石議員がプラカードを掲げて抗議し、続いてくしぶち議員が「与党も野党も茶番!」と書かれたプラカードを掲げて政治的危機を訴えた。

それだけのことなのに、自民党公明党立憲民主党、維新の会、国民民主党が揃って両議員を懲罰にかけたのである。過去を振り返ると、自民党公明党民主党(立憲と国民の前身)は、それぞれが野党時代に、大石議員、くしぶち議員、山本議員の行動が霞むほどの激しい抗議行動を展開した実績がある。しかし、それでも誰一人として懲罰にかけられた議員はいない。

してみると、今回の懲罰問題は、多数派政党による少数政党潰しが真の目的であることが見えてくる。それ以外の理由は見当たらない。大政翼賛化した政党によるれいわ新選組潰し。

その理由は何か?

答えははっきりしている。れいわ新選組が真実を語るからである。労働組合経団連、宗教団体、その他の既得権益団体とは無縁で純粋な草の根市民政党・れいわ新選組だからこそ語ることのできる真実。既得権益団体の支援を受ける他党にとっては不都合な真実

この明解な図式を見ると、自民党公明党立憲民主党、維新の会、国民民主党が大政翼賛化して、うるさくて仕方のないれいわ新選組を潰そうとする意図が明確になってくる。

しかし、山本太郎が健在の間は、れいわ新選組を潰すことは不可能だろう。彼の行動を見ていると、そのダイナモが他の政治家とは比較にならないほど凄まじいものがある。全国をまわって街宣活動で大衆の中に飛び込んで忌憚なく質疑応答できる政治家は彼一人だけである。これだけの思い切った政治行動を実践する政治家は前例がない。

だから懲罰動議を提出した自民党公明党立憲民主党、維新の会、国民民主党山本太郎の弁明演説を恐れて腰が砕けたのだ。山本議員が本会議場で弁明演説をすれば、おそらく大多数の国民が注目する演説になっただろう。4年以上にわたる街宣活動の成果もあって、演説には磨きがかかっているし、内容も論理的で説得力がある。

だから山本議員自身、弁明演説を期待した節がある。負を正に転じる絶好の機会だと積極的に捉えたに違いない。大政翼賛状態の危険で醜い今の国会の姿を暴き出してやれ。言論の府のど真ん中で真の民主主義とはなにか、クソ野郎どもの面前に叩きつけてやれ!そうなるとマスコミが大きく取り上げざるを得なくなる。多くの国民の目が国会に注がれる。

だから大政翼賛化した自民党公明党立憲民主党、維新の会、国民民主党は、そうなると自分たちの立場が不利になると打算した結果、振り上げた拳を静々と引っ込めたのである。

それについてマスコミは、「山本議員は反省している」を理由に懲罰処分を免れたと誤解を生むような報道をしたが、とんでもない。「反省している」という言葉は、自分の行動は間違いだった、と受け止められかねないが、事実は、山本議員は負傷した(これ自体が怪しい)と述べた2人の議員に対して謝罪したのであり、決して強行採決を阻止しようとした自らの行動を過ちだったと述べたのではない。だから山本議員は、懲罰にかけるならかけてみろと自ら気概を示したのである。山本氏の性格を考えると、その方が筋が通っている。

れいわ新選組という数の上で圧倒的に少ない政党に対して大政翼賛化した自民党公明党立憲民主党、維新の会、国民民主党が、言論の府を自ら死に追いやるような正当性に欠ける理由で懲罰動議を乱発する。

日本の政治はついにここまで劣化してしまった。対米従属の壁を突き破れない成れの果てとは言え、ここまで劣化するとは誰が想像できただろうか。おそらくこの劣化現象はまだまだ続くだろう。下手するとさらに悪化する可能性が強い。戦後最悪の事態である。

この劣化現象を食い止めるためには、れいわ新選組議席数をもっと大幅に増やす必要がある。20議席ないし30議席以上になれば、山本代表がいつも言うように、他党はれいわ新選組を無視できなくなる。そうなると日本の政治は大きく変わる可能性が出てくる。

その日が到来するまで、れいわ新選組を応援し続けよう。