沖縄よ! 群星むりぶし日記

沖縄を、日本を、そして掛け替えのない惑星・地球を愛する者として発信していきます。

ウクライナ戦争の仕掛け人ヴィクトリア・ヌーランドと握手を交わす自民党議員の面々

下の写真は遠藤誉さんのブログから転載したもので、ヴィクトリア・ヌーランドと握手する河野太郎、その両側に佐藤正久小野寺五典の姿も見える。

遠藤さんによると、この写真の出典はヌーランドのツイッター(現X)からと言うことなので、調べてみると、日付は2022年5月4日とある。

ロシア軍によるウクライナ侵攻が2022年2月14日なので、侵攻から約3ヶ月後の写真であることが分かる。満面の笑顔で自信満々の様子だ。

ヌーランドはウクライナで起きた2014年のマイダン騒動以来、アメリカの傀儡政権樹立に関与するなど、ウクライナとロシアを敵対させる工作を続けてきた民主党議員で、ネオコンの好戦派として有名な人物である。

そのヌーランドが今年の3月5日に、国務次官補を退任することになった。実際は退任ではなく、更迭らしい。理由は、ウクライナ戦争の失敗である。ウクライナ戦争の目的は、ロシアの弱体化だったが、それどころかロシアは以前よりも強力になっている。もはやロシアの勝利は明らかだ。

ヌーランドがこれ以上NATO 諸国を煽ると、第三次世界大戦を招く危険性がある。バイデン大統領はそれを望んでいない。だから更迭されたのだ。これがヌーランド更迭の真相らしい。遠藤さんはブログに次のように綴っている。

「要するにヌーランドは戦争ビジネスで生きるネオコンの闘志として終わりを告げ、バイデンにとってはむしろ害をなすモンスターとなり、更迭されたのだと言うことが推論される」

戦争ビジネスで生きるネオコンの闘志ヴィクトリア・ヌーランドと笑顔で握手を交わす自民党議員の面々。彼らの脳みそが、いかにアメリカに汚染されているか、考えれば考えるほど絶望感に苛まれてしまう。

 

自民党に代表される親米保守が日本をダメにした

戦後日本の政治を俯瞰すると、国際時代の荒波に翻弄されながらも、内政は護憲左翼と親米保守の闘争劇だったと言える。護憲左翼を代表する政党は、社会党共産党であったが、野党第一党で多数の議席を占めた社会党は、今はもはや存在しない。社民党と改名して、現在辛うじて2議席を持つが、時代の変化に対応できず、早番消えていくことが予想される。

共産党もかつては衆議院で40議席を持つほど勢いのある時期もあったが、やはり時代の変化を読みきれず、年々、議席数を減らしている。

憲法9条を絶対に変えてはならないと主張する護憲左翼の勢力が、年を追うごとに衰退していくのには、やはりそれなりの理由がある。日本を取り巻く国際関係が大きく変化したにもかかわらず、主張を変えない頑なな姿勢に対して、多くの国民が疑問を感じ、支持者が離れていったからだ。

大きく変化した国際関係を東南アジアに限って見ると、21世紀初頭における中国の急速な台頭がある。世界の予想を遥かに超える経済発展を成し遂げて、数百発の核兵器を持つ一党独裁の軍事大国は、世界の脅威、特に隣国の我が国にとって大変な脅威となった。

同時に北朝鮮も水爆実験に成功し、今や米国全土を攻撃できる核ミサイル保有国である。不幸なことに、中国も北朝鮮反日国家である。ならば今の状況を国家の危機と捉えて安全保障政策の大転換を図るべきなのに、護憲左翼は憲法9条を変えてはならないと言う。この危機意識のなさ、能天気振りに愛想を尽かす国民が増えるのは当然だろう。支持者が減るのも当然である。

だから護憲左翼は、我が国の国防を考える上で何の役にも立たないので、完全に無視する他はない。そこで必然、自公政権は国民が満足のいく国防政策を提示しているだろうか、という課題を考えてみる。ところで自民党が親米であるのに対して、公明党は親中という現政権のややこしいねじれ現象は横に置いて、親米保守を代表する自民党の国防政策について考察してみたい(自民党内にも親中派がいる事実は重々承知の上で)。

自民党が結党した55年時の党是は、憲法改正だった。当時の自民党は、日本国憲法がメイドインGHQである事実を知っていた。国の最高法規である憲法が外国製だなんて国家の恥である。国民による自主憲法を制定して汚辱を祓う。当時の自民党には民族の自覚が有り、骨があった。

しかし、奇跡と言われた経済成長を遂げていく内に、憲法改正の声は次第に小さくなっていった。経済は右肩上がりに成長し、アメリカに次ぐ経済大国となりJapan as No1 と呼ばれるほど豊かな国になった。国防は米軍が担ってくれる。経済良し、国防良しの時代。

しかし好事魔多し。一億総中流で浮かれている内に、2つの大きな事件が起きる。1991年バブル経済の崩壊。そしてほぼ同時期にソ連が崩壊した。日本はこの時を境に経済成長は止まり、失われた平成30年に突入する。同時に米軍に頼っていた国防政策が、敵国ソ連の崩壊で根本的に見直す時代を迎えた。

しかし、この難局に正面から立ち向かい、道を切り開く能力が自民党にはなかった。順調な経済と、外交も安全保障も対米追従というぬるま湯に、長期間浸かっていた間に、自民党は危機的国際情勢を自力で乗り切る能力を失っていたのだ。

平成30年で失われたのは経済だけではない。外交能力、安全保障の再構築、全て失敗したまま今日に至っている。アメリカはソ連崩壊後、アジア戦略を変えて日本の経済を潰しにかかった。アメリカは自国より経済が豊かな国を認めない。だからバブルが崩壊した日本を米国の国際金融資本家達が禿鷹の如く食い荒らしたのだ。同盟国アメリカとはそういう国である。

ソ連が崩壊した時、自民党は安全保障政策を根本から見直すべきだった。しかし、そうしなかった、と言うよりも出来なかった。

親米体質から抜け切ることの出来ない自民党政権が続く限り、日本の衰退は止まらないだろう。親米保守の罪はあまりにも大き過ぎる。

 

内閣支持率低下よりも遥かに大きな問題がある

岸田内閣支持率が下げ止まらない。当然と言えば当然のことだろう。多くの自民党議員が脱税しているのに検察は本格的調査に及び腰で、国税庁は動こうとしない。民間の脱税は犯罪行為として厳しく取り締まるのに、政治家の脱税は多めに見るとなったら国民が怒るのは当然のことであり、内閣支持率が低下するのは国民がまだ健全である証拠だ。

しかし問題はこれから先どうなるか、である。今回の多くの自民党議員の脱税事件と、検察・国税庁の怠慢は、確かに極めて大きな問題である。しかしこの光景は、腐敗した自民党の保身を優先する政治を何度も見てきた人間には、形と程度の差こそあれ、全く同じ光景にしか見えない。国民の利益より自分達の利益を優先するあまり、不祥事が噴出して問題となり、その度に国会は紛糾するが、時間の経過と共に、何事もなかったかの如く沈静化していく。

安倍政権下での真面目な公務員の自死を招いた国有地の払い下げ捏造問題、公費で支持者たちを招待した桜を見る会問題、等多くの事件が起こる度に国会は問題追求で紛糾したが、国民の納得の行かないまま、いつしか不完全燃焼の炎は小さくなり消えてしまった。自民党の腐敗政治と野党の追及という政治劇は、いつも似たようなパターンの繰り返しだ。自民党の腐敗体質は変わらず、野党は自民党の強かさに太刀打ちできず、国民の不満だけが残る。

今回の大きな脱税事件も、結局のところ同じパターンで終わるのは目に見えている。本当は、ここまで来ると、政権交代するのが健全な民主主義体制であるはずなのに、政権交代は永遠のゼロに等しいのが現状である。

現状は絶望的だが、それでも政権交代は必要だしそうしなければ、日本は弱体化するだけだろう。ではこれからの政権交代はどうあるべきか?

小沢一郎議員が言うように、野党が一つにまとまれば、つまり小選挙区に野党から一人の候補者を擁立できれば、自公連立の候補者に勝つ可能性は極めて高い。政権交代は可能だろう。その点、小沢氏の主張は正しい。しかし残念ながら現状は、野党は歩み寄りが不可能なほどバラバラであり、一つにまとまるのは、これまた永遠のゼロに等しい。

そこで政権交代に至るぼくのかすかな希望を述べたい。まず、今の日本に課せられた一番大きな問題は何かを考える。国民の生活を良くすることは当然大事なことだが、それよりも大きな課題は、日本を蝕む米軍の占領である。戦後一貫して変わらない米軍による占領は、日本の主権を犯すことであらゆるものを蝕み続けている。その震源地が日米合同委員会だ。

この委員会に送り込まれた各省庁のエリート官僚たちは、米軍の高官たちと月2回審議を重ねて米軍優先の諸政策を取り決めている。そこでの決定事項は政府に報告されずに実務に移される。全ては極秘の内に運用される。明らかに日本国の主権侵害であり、エリート官僚たちは正真正銘の売国奴たちである。その売国奴エリート官僚たちに大臣は誰も頭が上がらない。だから政権を担う自民党政治売国政治に終始するのは見え透いた理屈ではないか。

外交も安全保障も経済も、何から何まで日本人は米軍に頭の上がらないシステムの中で生きている。米軍は必要とあれば、日本のどこにでも基地をつくることができる。政府はこれを拒否できない。いざ有事となれば、自衛隊は米軍の指揮下に入る。独立国日本は仮の姿であり、実体はアメリカの属国に過ぎないのだ。

この現状を打破しないと、日本は衰退していく一方である。だから対米従属の売国自民党を倒して政権交代する必要があるのだ。そのためには野党から日米安全保障条約を解消して日本は独立を目指すと明確に主張する強いリーダーが出て来なければならない。

日本国民を震撼させるほどの大きな展望を打ち出す勇気ある強いリーダーが出て来れば、きっと多くの国民はその人についていくはずだ。

小沢一郎議員がXで盛んに発信している政権交代ありきでは誰も納得はしない。小沢氏が手掛けた2度の政権交代で、日本が大して変わらなかった原因は、細川政権民主党政権が真の日本独立という大きな目標を掲げなかったからだ。

確かに日米安全保障条約を解消して独立するというのは、大変な覚悟と勇気が要ることだろう。しかし対米従属・追随のままではいつまで経っても日本の展望は開けないままだ。下手すると崩壊するアメリカと共に沈む事になりかねない。そうなれば取り返しのつかないことになる。

だから強い覚悟を示し、勇気を持って対米独立を宣言する強いリーダーの登場が待たれるのだ。内閣支持率が20%台になったからと言って、今の腐ったような日本で大騒ぎするほどの事ではない。日本が抱える最大の課題は米軍の支配を脱却して、アメリカから完全に独立することにある。

日本の未来が開くか、亡国の道を歩むか、今我々は大きな曲がり角に立っている。

 

戦後最悪の総理大臣:岸田文雄

ぼくにとって戦後最悪の総理大臣は、これまでのところ安倍晋三だった。過去このブログで何度もそう述べて激しく批判してきた。このことに関して少しも後悔はしていないし間違っていなかったと思っている。

しかし、戦後最悪の総理大臣となると、ぼくの中で入れ替わりが生じて、岸田文雄が栄光の座を占めることになった。総理大臣に就任して約2年半、総合的に評価した結果そうなった。岸田文雄は戦後最悪の総理大臣である。信念を持ってそう判定する。

判定の一つの基準として対米姿勢を考えてみたい。2014年、ロシアがクリミアを併合した時、アメリカはロシアに対して経済制裁をかけた。そんな状況下で、安倍首相はプーチン大統領と会見するためロシアを訪問する予定だった。それに対してオバマ大統領から待ったがかかった。行くなと言う電話が入る。ロシアとは北方領土問題があり、予定を変えるつもりはない、と安倍首相はオバマ大統領の要求を拒否。オバマ大統領はなにも言わず電話を切ったという。この話は鈴木宗男議員によるものだが、おそらく真実だろう。

この時にとった安倍首相の態度は立派である。国益を第一に考えて超大国アメリカ大統領の要求を毅然として拒否する。骨がある。この点だけは賞賛できる。

岸田首相の対米姿勢はどうだろうか?

認知症の疑いのあるバイデン大統領と会見した後、防衛費を5年で43兆円に増やすと突然言い出した。中身がハッキリしない数字ありきだったが、アメリカの兵器を大量に買う腹づもりなのだ。ロシアの特別軍事作戦が始まると、アメリカに次いで真っ先に経済制裁をかけ、ウクライナまで出かけて支援を表明した。日本の立ち位置は、ウクライナとロシアの間に立って仲裁できる絶好の位置にあるのに、岸田首相はそれをみすみす捨ててしまった。2年が経過した今、ウクライナ支援は1兆円を超えている。しかもウクライナ復興支援会議を東京で開催する有様。ウクライナの敗北が確実視される今、岸田首相は今後どのように自らの失策に対して落とし前をつけるつもりだろうか?

対米従属の点で言うと、安倍首相には少しばかり骨があったが、岸田首相には全くない。岸田政権がこのまま続けば日本はますます弱体化し、アメリカと共に沈んでいくに違いない。岸田文雄は戦後最悪の総理大臣である。

 

アメリカはすでに崩壊している

アメリカの崩壊が止まらない。アメリカの崩壊を伝える動画を何度か配信してきた越境⒊0チャンネルの最新の動画を見ると、アメリカの崩壊はより深刻化していることが分かる。

www.youtube.com

ここまで来ると、もはやアメリカは崩壊していると言っても過言ではないだろう。バイデン政権の信じられないような違法移民奨励政策と、極端な差別撤廃政策が国内の秩序を混乱させてモラルハザードを引き起こしている。犯罪は目も当てられないほど多発しダウンタウンから撤退する店舗が相次いでいる。マックスフォンシュラーさんが伝えるアメリカの惨状は、決して誇張ではない。山中泉著『アメリカの崩壊』もおなじようなアメリカの惨状を描いている。山中氏はアメリカ在住30年の実業家で、アメリカの内情に詳しい人だ。アメリカの崩壊は実際に起きているのである。

日本の親米大手マスコミはアメリカの実状を報道しないから、多くの日本人はかつての自由で民主主義の国アメリカのイメージしかないのだろう。しかし現実は違う。時代は人々の予想をはるかに超えて動いている。内戦の危機さえ囁かれる崩壊したアメリカと同盟関係にある日本は、日米関係のあり方を根本から問い直すべき時期に来ているのではないか。

対応を誤ると、取り返しのつかない大ダメージを受けるか、アメリカと共に沈没するかの瀬戸際に立たされることになりかねない。山中氏の新著『アメリカと共に沈む日本』をぼくはまだ読んでいないが、タイトルからしておおよその見当はつく。腐敗政党・自民党は言うに及ばず、今の日本の政治を見ていると、何も言いたくないほどに絶望的だが、このまま行くと「アメリカと共に沈む日本」を、我々は近い将来、目にすることになるかも知れない。

「沖縄狂想曲」と「沈黙の艦隊」を結ぶもの

昨日、桜坂劇場で「沖縄狂想曲」を観てきた。アパートから歩いて約30分、桜坂劇場は久し振りだ。家に居ながら観れるプライムビデオという超便利なものがあるので、特別な作品でない限り、映画館に行くことはなくなった。それにしても今日の暑さは何だ、まるで夏である。シニアの切符1,200円を買って館内に入る。予想した以上の観客数だ。年配者が多い。館内が暗くなり上映開始。

様々な人にインタビューすることで米軍基地の否定的側面、不条理性を強調すると言う構成になっているが、一人のウチナーンチュとしては物足りなさを感じた。ほとんど知っていることだからである。しかし沖縄の米軍基地問題に疎い本土の人々にはインパクトのある映画になっているかも知れない。多くのヤマトゥンチュに見てもらいたい映画である。

物足りなさを感じる映画ではあるが、注目すべき点があった。それは沖国大教授・前泊博盛と元総理・鳩山友紀夫に対するインタビューと山本太郎議員の予算委員会での質疑である。

前泊氏と鳩山氏は日米地位協定と日米合同委員会の存在について触れ、山本議員は日米合同委員会を憲法の上にあるものとして政府を問い糺す場面があった。

強いて言えば、この映画の価値は、日米合同委員会の存在を表舞台に引っ張り出してくれた点にある。しかし、日米合同委員会を丸裸にしたわけではない。相変わらず秘密のヴェールに包まれた存在ではあるが、米軍基地問題の核心部をついただけでも、その意義は大きい。

在日米軍基地問題を追求していくと、最終的にこの日米合同委員会に突き当たる。その組織図にじっと目を凝らしていると、日米同盟、憲法九条、自衛隊、外交、安全保障の本質が見えて来る。これらは全て繋がって一点に集中していることがわかって来る。それは日本弱体化である。

日本弱体化という日本が抱える最大の病気の震源地が日米合同委員会である。ならば病気を治すにはどうすれば良いか?

そこで「沈黙の艦隊」が大いなるヒントになる。日米同盟に楔を打ち込んで日本の自立を促す。「沈黙の艦隊」はフィクションではあるが、日本政府とアメリカ政府を大きく揺るがすほどの日米同盟の欺瞞をつく真実を語っている。

実質は属国同盟にすぎない今の日米同盟を破棄し、日本が自立すれば、病気の震源地である日米合同委員会は雲散霧消する。

 

映画「沈黙の艦隊」のメッセージ : 日本よ独立せよ!

昨日「沈黙の艦隊」第7話第8話を観た。第1話から第8話を貫くこの映画のメッセージは、観る人によって違うと思うが、ぼくは、日本よ独立せよ!だと受け止めた。

第7話冒頭のシーンは、世界最先端の技術と装備を備えた最新鋭原子力潜水艦「やまと」とその乗組員から構成される世界最小独立国家「やまと」の元首海江田艦長と、日本国総理大臣が同盟条約締結をめぐって会談する緊迫した場面から始まる。

海江田艦長の希望で会談の様子は全世界に生中継される。当然、アメリカ大統領は政府のスタッフと共に大画面に映し出される映像を見ている。

「やまと」国は日本と同盟関係を結びたい、との海江田元首の提言に対して、日本国総理大臣は受け入れると表明する。と同時に、総理大臣は、この事案に関して国連に対し特別委員会を開催するように申し入れるつもりだと言明した。海江田元首も同意し、国連のあるニューヨークに向けて出航することになった。この会談を見ていたアメリカ大統領は、「やまと」をテロ組織に指定して潰せとの命令を下す。

東京湾に停泊している「やまと」を目指し撃沈する目的で米第7艦隊が迫って来る。会談を終えた海江田元首は、日本政府官房長官と数名のスタッフに囲まれて原潜「やまと」に向かっている。その途中、テレビの女性ニュースキャスターが、ガードマンの制止を振り切って、聞きたいことがあると海江田元首の背後から叫ぶ。海江田元首は立ち止まって後ろを振り向くと、質問は一つだけだ、答えはyesかnoで答えると言う。

「やまと」は核弾頭を積んでいるか?との質問に、海江田元首は自信に満ちた真剣な表情でyesと答える。この一言で、この映画の重みがズンと増す。実は、原潜「やまと」に核弾頭が搭載されているかどうか、日米両政府に確かな情報はなく、海江田艦長も一度も明らかにしたことがなかったからだ。

海江田艦長の策謀能力の凄さがわかるワンシーンである。どんなに世界最新最高の原子力潜水艦と言えども、核弾頭を搭載しているかどうかで、極度のインパクトの差が出るからである。

原潜「やまと」は海上自衛隊海上に浮かぶ潜水艦をメンテナンスする船の中に停泊しているが、このような船を海上自衛隊保有しているとは、今まで知らなかった。軍事設備についてもっと勉強しなければならないと痛感する。

海江田艦長が「やまと」に乗り込む前から、米第7艦隊所属の潜水艦はメンテナンス艦に魚雷を発射し、その何発かは命中して原潜「やまと」に被害が及ぶ危機的状況になっていた。致命的な被害を受ける前に原潜「やまと」に乗り込んだ海江田艦長の巧みな指揮で、原潜「やまと」は危機一髪でメンテナンス艦から脱出する。

海江田艦長の言動に不信感を抱く自衛隊潜水艦の艦長は、原潜「やまと」を撃沈しようとするが、それは原潜「やまと」を擁護せよとの政府の命令に反するため、副艦長として阻止しなければなりませんとの強い決意に苦しんだ艦長は、副艦長の意見を受け入れて、原潜「やまと」を擁護する立場にまわるが、このシーンも感動的である。

原潜「やまと」を擁護せよとの政府の方針に従い出動した自衛艦隊と米第7艦隊東京湾で対峙する。そして戦闘が開始されるが、この場面は非常な緊迫感と迫力があり、言葉の解説より映像をぜひ観てもらいたいと思う。

自衛隊は決して米軍を攻撃できないという米軍の思惑と、ここは東京湾であり日本の領海内である、と考える日本政府とのギリギリの攻防戦が展開される。最悪の事態を回避するにはどうすべきか、日本政府は苦悩に苛まれる。そこで官房長官が閃く。海江田艦長に質問した女性ニュースキャスターに電話して、今東京湾で起きていること、原潜「やまと」が核弾頭を搭載していることを特番で流してほしいと。

女性ニュースキャスターは官房長官の要請を受け入れて、特番で事実を放映する。それを見ていたアメリカ大統領は動揺する。日本の領海内で米軍が自衛隊を攻撃するのを世界が見れば、アメリカの立場がなくなる。ホットラインが引かれる。この場面での日本国総理大臣とアメリカ大統領のやりとも緊迫感に満ちて見応えがある。

総理大臣が言う。大統領は核戦争をお望みか?と。大統領は苦悩の表情で小さい声でnoと言う。軍事力では圧倒的優位に立つアメリカが、日本国と同盟を結んだ原潜「やまと」が核弾頭を積んでいるというだけで、自衛隊と本格的な戦争になることを思い止まったのである。

大統領の命令で米第7艦隊は引き上げざるを得なくなる。原潜「やまと」は国連特別委員会に臨むため、ニュウヨークに向けて進んで行く。第8話はそこで終わる。

日本の安全保障に強い感心を持つ人にとって、この映画は日米同盟の在り方、核兵器の持つ意味について本質的な問題提起をしていると思う。避けて通れない問題から逃げてはいけない、と言う声が、この映画の全編から聴こえてくる。

日本よ独立せよ!