報道によると、いよいよ斉藤国交相が28日に代執行するらしい。しかし、今の政府が米軍に頭が上がらない実態を知る人間にとって、何も驚くべきことではない。やはりそうか、が偽りのない感想である。
日米合同委員会は1952年、サンフランシスコ講和条約と日米安保条約、そして日米行政協定(現在の地位協定)の発効とともに発足している。その目的は、占領時代と同じように、米軍基地の自由使用を保障するためである。
日米行政協定では、次のような治外法権的特権が認められている。
① 基地や演習場を自由に使用でき、そこに自由に出入りして日本国内を移動できる。
② 基地や演習場のために、国有地が無償で提供される。
③ 基地や演習場のために必要な民有地は、日本政府が借り上げて提供するので、米軍は経済的負担を負わなくていい。
④ 米軍が基地や演習場を返還する際、原状回復や補償の義務を負わない。
⑤ 基地・演習場内のすべての者や財産について、また所在地のいかんを問わず、米軍の財産について、日本政府当局に捜索や差し押さえをする権利はない。
これらの驚くべき米軍優先の特権は、行政協定から地位協定に改定された現在もなお続いている。そしてそれらの特権の具体的な運用をめぐって審議される機関が日米合同委員会である。日米合同委員会で交わされた合意事項は、密約として表に公表されることはない。これらの密約を知る者は、委員会のメンバーを構成する一部の米軍人の高官達と、日本政府の各省から派遣された一部のエリート官僚達である。
総理大臣はじめ各大臣に、これらの密約を報告する義務もなければ仕組みもないのが日米合同委員会である。各大臣は、エリート官僚の操り人形だから、日米合同委員会で決められた合意(密約)に手足を縛られて身動きが取れない。大臣独自の主体的主張など、もともと無理な話なのである。
斉藤鉄夫国交相も例外ではない。沖縄県民の民意よりも米軍を優先することが至上命題であり、答えは最初から決まっていたのだ。
米軍の犬・斉藤鉄夫国交相は政治家として無能でしかなく、もともと代執行する能力も資格もありはしないのだ。