沖縄よ! 群星むりぶし日記

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辺野古裁判から見えてくる司法と行政の属国根性

昨日、辺野古の埋め立て設計変更をめぐる抗告訴訟の判決で、藤井秀樹裁判長は県の訴えを却下した。これで辺野古埋め立て訴訟をめぐる裁判は、翁長知事以来、沖縄県が連戦連敗して完全に敗北する形で最終的に決着したことになる。

つまり、新たに裁判で争うカードはもはや、沖縄県には何一つ残されていない、ということだ。これで辺野古側の埋め立て工事は「粛々と」強行されていくことだろう。

せめてもの救いは、玉城知事が判決を受け入れなかったことである。玉城知事の姿勢に対して、三権分立の原則に反するとの親米保守側からの批判が浴びせられたが、軽薄な言説にすぎない。無視するだけで良い。司法の判断が絶対的なものでないことは、この国では冤罪事件が多いという事実を再確認するだけで十分だろう。

玉城知事が判決を受け入れなかった理由ははっきりしている。辺野古移設だけを争点にした県民投票で、投票数の70%が反対票を入れたという民意を重く受け止めているからだ。

大多数の県民は移設に反対である。にも関わらず、政府と司法が一体となって工事を進める。こんな理不尽で不条理な権力行使を認めるわけにはいかない。仮に認めたらその時点で日本の民主主義は完全に瓦解する。だから玉城知事は判決を受け入れなかった。よく踏ん張ってくれたと思う。

いずれにしても裁判は決着した。埋め立て工事は「粛々と」進むだろう。玉城知事と県民に残された道はただ一つ。辺野古移設がいかに理不尽で不条理なものであるかを訴え続けること。

裁判には負けても、決して政治的に敗北してはならない、ということ。なぜなら辺野古問題は冤罪事件になる可能性が非常に高いからだ。

米国会計検査院(Government Accountability Office)は、過去3度も辺野古新基地に疑問を表明しているし、米軍関係者の間からも、辺野古新基地は使い物にならないとの発言があるくらい、辺野古新基地は問題が多い。

ならば何故、ホワイトハウスから中止の声が出ないかと言えば、建設費用の全額を日本政府が負担するからだ。1セントも米国民が出す必要がなければ、たとえ欠陥施設でも、あえて声を上げることもなかろう、という分かりやすい理屈だ。

14年という工事期間の間、使い勝手の良い普天間飛行場をそのまま使えば良いわけだし、辺野古新基地が完成しても、滑走路が短すぎて使い物にならないとの理由で普天間飛行場の返還は困難であると主張すれば良いだけの話だ。これが米政府が将来、日本政府に突きつけてくるであろう、確率の高い巧妙な論理である。

年が経つにつれ、辺野古埋め立て工事がいかに矛盾に満ちた合理性の一欠片もない罪深いものであるかが次第に明らかになってくるだろう。

すなわち、辺野古裁判は冤罪となるであろうことが、今からでも十分に予想されるグロテスク極まりない案件と言えるのだ。だから判決を受けいれない玉城知事の判断は、先見の明がある判断だったと言える。