沖縄よ! 群星むりぶし日記

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茶番は国会だけではない、やんばる世界自然遺産登録も茶番そのものだ

衆議院本会議場で「与党も野党も茶番!」と書かれたプラカードを掲げて今の国会のあり方に異議申し立てをしたくしぶち万里議員に対して維新の会が「登院停止10日間」の懲罰処分発議を行い、自民党公明党、維新の会、国民民主党が賛成して可決された。

それ自体がまさしく前代未聞の茶番劇であり、日本の政治が深刻な危機的状況にあることの証左に他ならないが、不幸なことに危機的状況は国民が気づかないもっと深いところで進行中である。

先月15日、在沖米総領事館浦添市)前で蝶類研究家の宮城秋乃さんが、米軍(占領軍)北部訓練場返還区域から収集した米軍(占領軍)遺棄物を提示して抗議しようとした際、警備していた警察官に現行犯逮捕されるという事件があった。

罪名は警察官に対する公務執行妨害ということらしいが、その信憑性は希薄で、宮城さんはその日に釈放された。何か府に落ちない雲を掴むような事件だが、真実を追って行くと、その鍵は米軍(占領軍)の遺棄物そのものにあることがわかる。

沖縄防衛局によると、返還区域の米軍(占領軍)遺棄物は返還後に除去されたことになっていた。それで、やんばる世界自然遺産として登録されることになったのだ。

しかし、好事魔多し。山原(やんばる)の自然は、返還区域に危険物がいっぱいあることを知らしめるために、一人の小太りの女性に白羽の矢を当てた。宮城秋乃さんは、蝶類の自然形態を調べる目的で返還区域に入っていった。

おかげで貴重な映像を記録することができた。と同時に偶然にも、除去されたはずの米軍(占領軍)遺棄物の存在に遭遇することになった。銃弾をはじめ数多くの遺棄物が野晒しのまま放置されていることがわかった。

米軍(占領軍)遺棄物をめぐる奇妙な物語はここから始まる。宮城さんは、やんばるの自然を守るため、遺棄物の存在を公にしようと行動を起こす。まずは地元の警察に連絡を取るが、警察は担当は沖縄防衛局だからと言って、銃弾を引き取らない。

それでは、と沖縄防衛局に連絡を入れるが、梨の礫で積極的に動こうとはしない。行政側のあまりにも煮え切らない態度に不信感は積もるばかり。そしてついに、宮城さんの魂に怒りの火がついたのだ。それなら一人でも実力行使に訴えよう。

米軍(占領軍)敷地内に銃弾(遺棄物)を並べたり、県知事選で自公推薦の佐喜真候補に銃弾(遺棄物)を投げつけたりしたのは、マスコミに取り上げてもらい、米軍(占領軍)遺棄物の存在を公にする目的があったからである。

その努力の甲斐あって、マスコミも宮城さんの行動を報道するようになった。しかし、それでも行政側は積極的に動こうとしない。何故か?今やその理由ははっきりしている。

米軍(占領軍)の遺棄物の存在を認めれば、やんばる世界自然遺産登録に瑕疵がつき、沖縄防衛局が犯した誤謬が公になるからだ。そうなると、その瑕疵は政府に飛び火して政局に大きく影響する。

そう考えてはじめて、宮城秋乃さんに対する警察の腫れ物に触るような煮え切らない態度と、沖縄防衛局のダンマリを決め込む不自然な姿勢の真意が理解できる。

現行犯逮捕はしたけれど、その日のうちに釈放せざるを得なかった背景も理解することができる。全ては、不都合な物には蓋をするという政治の隠蔽体質が原因である。

くしぶち万里議員に対する理不尽な懲罰と宮城秋乃さんの現行犯逮捕及び釈放とは、一見何の関係もないように見えるが、大きな視点でその背景を考えると、深いところで繋がっていることがわかる。

戦後ずっと対米従属路線で政治をおこなってきたツケが回ってきたのである。弱体化した政治が一番恐れるのは、真実そのものである。真実を述べる人々が増えれば対米従属という土台の上に築かれた政治構造はガラガラと崩れ落ちるだろう。

自立した主権国家の政府が現れない限り、日本の政治は全てが茶番にしかすぎないのだ。

 


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追記:「その日のうちに釈放」は15日逮捕、17日釈放の間違いでした。いずれにしても裁判所は逮捕請求を却下したのだから警察による不当逮捕は明らかです。