沖縄よ! 群星むりぶし日記

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我らがヒロイン・アキノ隊員が日米地位協定の不平等性を白日のもとに曝け出す

まずは「昆虫救助隊」アキノ隊員の話をじっくりと聴いていただきたい。


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アキノ隊員の話を聞くと、やんばる世界自然遺産登録の杜撰さに改めて驚かされてしまう。登録された地域には、米軍(占領軍)が残していった実弾、空砲を含む多くの廃棄物が今でも処理されずに野晒し状態で捨て置かれたままだ。年月の経過とともに、それらの廃棄物は当然ながら腐敗し、雨が降ると土に吸収されて自然環境を汚染する。

生き物を守る立場から、アキノ隊員はこの実情を行政側に訴えるが、警察も沖縄防衛局も消極的でなかなか積極的に動こうとしない。それでアキノ隊員は一人で実力行使を決意した。ご存知のように、昨年の県知事選で演説中の佐喜真候補に向かって収集した廃棄物である銃弾を投げつけたのだ。

アキノ隊員の意図は、佐喜真候補が自公政権の推薦を受けていることと、その佐喜真陣営の口から直接、投げつけられた銃弾は米軍(占領軍)の廃棄物であることが語られることにあった。その様子は地元テレビでも報道されたので、アキノ隊員の意図は半ば達成されたように思われた。

しかしこの時、奇妙な事態が起きた。警察はアキノ隊員の身柄を一時的に拘束はしたが逮捕しなかったのである。銃弾の保持と、それを県知事選候補者に投げつけたとなれば、当然逮捕されて然るべきなのに、なぜか警察はアキノ隊員を逮捕しなかったのである。

実に不可解だが、推測するに行政側としては、この件を公にしたくなかったのではないか、という疑惑が浮かんでくる。この推測はその後の展開で間違いではないことが証明されることになった。

沖縄防衛局は登録以前に米軍(占領軍)廃棄物の除去作業は終了したと公表していたのだ。

しかし、アキノ隊員の度重なる調査で多くの廃棄物が放置されたままであることがわかった。アキノ隊員の活動は、銃弾投げつけ事件が話題になって以降、マスコミが取り上げるようになる。それに伴って警察はアキノ隊員の自宅に三度も家宅捜査で入っている。その際パソコンも押収して調べたらしいが事件につながるような情報は一切無し。

この警察のトンマな行動といい、沖縄防衛局の無視を決め込む姿勢といい、行政側の不可解な態度は一体何なのだろうか。考えられる理由は、除去作業は終了したと公表したことが嘘であったことを認めたくない、ただそれだけのことではないのか。

もし認めるとなると、登録自体が取り消される恐れが出てくる。そうなるとその責任は沖縄防衛局だけにとどまらず、政府にまで影響が及ぶ。だから宮城秋乃(アキノ隊員)という、もともとチョウ類研究家にすぎない一女性の活動が彼らにとっては邪魔であり迷惑なのだ。

しかし、行政側にとっては不幸なことに、宮城さんはビックリするほど勇気あふれる女性である。「喜んで犯罪者になる」と言えるほど肝っ玉の据わった女性は、男まさりの女性が多い沖縄県でも宮城さんくらいだろう。

沖縄防衛局は覚悟した方がいい。アキノ隊員の活動を封じ込めることは今後も不可能である。廃棄物不処理の責任問題は政府に飛び火して、さらに大きくなることだろう。そして日米地位協定の不平等性がもたらす日本人の屈辱感に火をつけることになるだろう。

日米地位協定 第4条

米軍は返還地を原状回復する義務を負わない。日本側もその費用を求めない。