沖縄よ! 群星むりぶし日記

沖縄を、日本を、そして掛け替えのない惑星・地球を愛する者として発信していきます。

あっという間の50年、人間万事塞翁が馬

今から50年前の1972年5月15日に、沖縄は祖国復帰した。27年に及ぶ米軍統治から日本国に施政権が返還されたのだった。あの時、ぼくは23歳。振り返ると、あっという間の50年だった。

昨日は東京と沖縄で、50周年を祝う催しが開催されたようだが、ぼくはテレビ中継を見なかった。見ても仕方がないと思ったからだ。

50年の節目における感想は色々あるが、その中ではっきり言えることが2つある。ひとつは、復帰して良かったということ。もうひとつは、米軍(占領軍)基地の撤退を進められない政治に対する不信と脱力感。

この二つについて、軽く触れてみたい。なぜ復帰して良かったと思うか? 理由は極めてはっきりしている。米軍政下における27年間、我々ウチナーンチュには人権がなかった。その一方で、祖国日本は7年間に及ぶ米軍統治から主権を回復して高度経済成長を突き進んでいた。

その日本の憲法のもとで人権を庇護してもらう他に、我々ウチナーンチュが、人権無視の米軍統治から逃れる道はなかったのだ。これが祖国復帰運動の最大の目標のひとつだった。幸いなことにこれは達成することができた。

もうひとつの目標は、米軍(占領軍)基地の全面撤去だった。しかし、残念なことに、これは達成できずに今日に至っている。その原因は政府の怠慢にあるが、皮肉なことにその源泉は、人権の庇護を求めた日本国憲法そのものにある。

どういう意味かと言うと、復帰運動の当時、我々があれほど憧れた日本国憲法が、実はGHQが作った憲法だと言う真実を知っている人は、ほとんどいなかったのである。ごく少数の知識人は知っていたが、彼らの声がマスコミで取り上げられることはなかった。その真実が公に語られるようになったのは近年のことに過ぎない。

GHQの主目的は、日本の弱体化であった。民主化は表向きに過ぎず、本音は、欧米と文化・伝統が異なる異質の国、日本を軍事的・精神的に弱体化して、二度と再び欧米に刃向かわせないようにする、これがマッカーサーの真意だった。憲法9条に彼の意図を読み取ることができる。9条の毒は、文武両道という素晴らしい日本人の文化から、武だけを完全に消し去った。

武道精神をなくした日本政府の外交と安全保障政策は、武道精神旺盛な米政府に従属せざるを得ない。これが、戦後一貫した日本及び日本人の姿である。だから沖縄が復帰して50年経過しても、米軍(占領軍)基地が居続けるのは、そのためである。

世論調査で、復帰して良かったと思うウチナーンチュは8割を超える。10割にならないのは、米軍(占領軍)基地を撤退させる力のない政府に対する不満があるからだ。

心の底から、復帰して良かったと言えるためには、GHQが仕込んだ9条を廃止して、国軍を保有する条文を憲法に明記すること。これが真に米国から独立するための第一歩になるだろう。

復帰50周年を特集する昨日の沖縄タイムスのコラム欄に喜納昌吉の次のような言葉が載っていた。「大和のものを受け入れようと言う思いと、沖縄に立ち戻ろうとする努力との間でもがいている」。この言葉は、今のぼくの偽らざる姿でもある。人間万事塞翁が馬