天才的愛国者プーチン大統領の覚悟と不安
プーチン大統領は、9月30日、ウクライナ東部のドネツク州とルハンスク州、南東部のザボリージャ州と南部ヘルソン州の合わせて4州を併合する演説を行った。そして演説のあと、4州の代表者と「併合条約」に署名した。
これで4州は形式上ロシアに属することが決まった。欧米諸国は揃って国際法違反だと非難したが、時すでに遅し、プーチン大統領の鮮やかな戦略的勝利と言える。
プーチン大統領は、演説で民族自決権は国連憲章で保障されていると述べて、あらかじめ予想された西側諸国からの非難に対して予防線を張った。住民投票の結果、4州とも約9割の人がロシア併合に賛成したのは民族自決権を正当化するものだった。
4州にはソ連崩壊後も多くのロシア人が住んでいたが、2014年のマイダン騒動以降、ウクライナ政府によるロシア住民への虐待が先鋭化し、地域紛争へと発展する。
ウクライナ政府の残酷なやり方にプーチン大統領は何度も抗議し、紛争解決へ向けた交渉を何度も試みるが、ウクライナ政府が聞き入れることはなかった。こう着状態は8年間も続いた。
その間もウクライナ政府は米政府の支援を得て、プーチン大統領を挑発し続けた。特にバイデンが大統領に就任してからのロシアに対する挑発はますます酷くなった。バイデン大統領はゼレンスキー大統領をけしかけてNATO加入を促した。ウクライナが NATOに加入すれば、ロシアとの国境沿いに核ミサイルが配備される危険性がある。
プーチン大統領は、バイデンとゼレンスキーの連携を最後通牒と受け止め、これ以上の挑発を阻止するために、2月24日特別軍事作戦と称してウクライナへ軍事侵攻したのである。
同時にそれはロシア住民を保護する目的もあった。そして7ヶ月に及ぶ戦闘で、4州のほぼ全域を支配下に置いた。そこで4州をロシアに併合し、ゼレンスキー大統領に停戦を呼びかけたのである。
ここに至って我々は、全面戦争ではなく特別軍事作戦と名づけたプーチン大統領の意図が理解できる。ウクライナ全域を占領するのではなく、ウクライナ政府に虐待される多くのロシア人が住む東南部4州を開放するための限定的な軍事作戦だったのだ。
当初の目的を達成したのだから、これ以上の戦闘は必要ない。だから間髪を入れずに演説で紛争終結に向けた停戦を呼びかけたのである。
2014年のマイダン騒動以来、時系列でプーチン大統領の行動を観察すると、実に知的で勇猛果敢、ゆるぎなき愛国心、米国のグローバリズムに決して負けない政治的信念、これらが一体となっていることに気付く。
歴史の大きな歯車を一人で動かす力を有する稀有な指導者・プーチン大統領。
とは言っても本当の問題はこれからである。戦闘の終結に向けた停戦の呼びかけに対して、ゼレンスキー大統領は、すぐさま拒否した。そしてクリミアを含む占領された全域を取り戻すとまで言ってのけたのだ!
政治的に無能な人間が一国の指導者になることほど不幸なことはない。見栄っ張りのバカな大統領のおかげでウクライナ人は先の見えない犠牲を払うことになるだろう。そして無能な大統領の後ろにはバイデンという悪魔が控えてゼレンスキーを操っている。
彼も戦闘の終結は望んでいない。大量の米国産の武器をウクライナに供給することで、軍事産業の株価を上げる。米軍人の血は一滴も流さず、ウクライナ人が死んでいくのを見物するだけで良い。
ウクライナ人が頑張れば頑張るほどロシアは消耗する。そのうちプーチンが失脚すれば、ロシアの資源は我が国の金融資本家たちのコントロール下に入る。これが金融資本帝国・米国の最終目的である。彼らの意向に沿ってバイデンは動いているに過ぎない。
ウクライナ紛争は、米国金融資本家たちにとっては千歳一遇の金鉱脈なのだ。彼らの意向に従わないプーチン潰しにウクライナが利用されている。
この絵図が見えない日本のマスコミは、あいも変わらずプーチン批判を繰り返している。欧米のマスコミに追随する他に能のない日本のマスコミを信じると白も黒になってしまう。彼らが言う国際社会とは、欧米諸国のことだ。その他にも多くの国があり、ほとんどはプーチン大統領を批判しているわけではない。
国際社会という言葉にはくれぐれも気をつけよう。マスコミによる洗脳に用心するのに越したことはない。
さて今の時点で、バイデン大統領とゼレンスキー大統領が戦闘終結を望んでいないことがはっきりした。となると、プーチン大統領の覚悟はどうか、ということになるが、それはすでに演説の中で表明されている。
西側諸国が本気でロシアを潰しにくるなら、ロシアはあらゆる手段を取る、と。つまり、最終的に核爆弾の使用も辞さないと言っているのだ。
そんな事態にならないことを祈るばかりだが、しかし歴史に不測の事態が起きるのを防ぎようがないのも事実である。不幸にも万が一そうなった場合、プーチン大統領は間違いなく最大の効果を狙って核爆弾を使うだろう。
彼の言動と性格を考えると、そうなる可能性は非常に高い。だからそうならないために、バイデンとゼレンスキーはプーチンの提案を真剣に検討すべきだろう。
ことが勃発してからでは遅いのだ。地獄をこれ以上拡大しないために、バイデンとゼレンスキーは血便を流すほど真剣になって知恵を絞るべきだ。ウクライナ危機はそこまできてしまった。