辺野古新基地工事は反対し続けることが肝心要、だから玉城デニーを支持する
数日前に行われた沖縄県知事選立候補者討論会の様子を、琉球新報が配信した動画で見た。
5人が立候補しているが実質上は3人の争いと見られていて、討論会に呼ばれたのも玉城デニー、佐喜真淳、下地幹郎の3氏だった。
玉城デニー:反対。工事は3年間でわずか10%の進捗状況であり、軟弱地盤の工事の目処は立たず、この先どれだけ経費が計上されるか、またどれだけの年数がかかるかのまともな試算すらない。現状を解決するために、日米両政府に沖縄を入れた3者による対話の場を設ける必要がある。
佐喜真淳:賛成。普天間飛行場の危険性を一刻も早く除去して、跡地の有効利用を図る。
下地幹郎:既に埋め立てられた部分はオスプレイ24機駐留に使う。軟弱地盤のある辺野古側は工事をストップさせる。訓練は全て馬毛島に持っていく。現在の普天間飛行場は国際空港に改良して県経済の発展につなげる。
まず佐喜真氏だが、彼は4年前の知事選で玉城氏に歴史的大敗を喫している。その時は、辺野古問題には賛成も反対もしないという無責任な姿勢を貫き通した。今回、賛成の立場を明確にしたのは、県があらゆる手段(県民投票、裁判訴訟)を使っても、自公政権は工事を止めることはなかったとの現状認識と、県民の諦め感の広がり、それらを計算した上でのことと思われる。つまりは自公政権ベッタリ、相変わらずの中央政府頼み、県としての主体性なき政治姿勢が佐喜真淳の特質であると言える。
こんな生ぬるい人間は沖縄県知事として不適任だろう。もう一つ付け加えると、彼はかつてボギー手登根という大嘘つき野郎と親交があった脇の甘い人間だ。佐喜真氏が宜野湾市長の時、ボギー手登根が発したデマ、沖縄自動車道で起きた多重衝突事故をネタにしたデマをまんまと信用して、間違った英文が書かれたプラカードを掲げて自慢するという情けない出来事があった。
嘘つきボギー手登根と今も親交があるのかは知らないが、とにかく非常に脇が甘く、政治家には不向きの人間である。
次に下地氏だが、彼の大胆な発想は一見、現実的に見えて良さそうに思われるが、辺野古側の軟弱地盤の工事をストップさせるのは、いかに決断と実行力のある下地幹郎としても不可能だろう。
そのことは、これまでの政府の有無を言わせない強硬な態度を見ると明らかだ。加えて官僚の無謬性という不合理極まりない大きな壁もある。この政府のいわれなき非民主主義的強硬策が実行されるのを、8年近くも沖縄県民は嫌というほど見せつけられてきたのだ。
何が言いたいかというと、自公政権が続く限り、辺野古の工事を止めることは不可能だということ。翁長知事にも、玉城知事にもできないことが下地氏にできると信じる県民は、なかなかいないだろう。
政権交代が起きない限り、辺野古米軍(占領軍)新基地工事を止めることはできない。これが真実である。ならばどうするか?
反対し続ける以外にない。これが現時点における答えである。玉城知事がずっとやっているように、何度訴訟に負けようが、工事の不当性を訴えて反対し続ける。このことが肝心であり、知事がとるべき唯一の方策である。
確かに初志を貫くのは辛い。叩いても叩いても政府の厚い壁は1ミリも動かない。みんなヘトヘトに疲れているさ。しかし、それでも初志貫徹!
決して反対のための反対ではない。反対するのには立派な理由がある。辺野古新基地は欠陥施設になることは間違いのないことで、たとえ完成しても米軍は欠陥施設を引き取らないだろう。滑走路が短かすぎるからだ。
そしてそれを理由に普天間飛行場は返還しない、と言われたら日本政府は従わざる得ない。自公政権はずっと対米従属路線だから安全保障に関しては米政府に何も言えない。しかし、だとするならなぜ米政府は今まで黙っているのだ?と不思議に思われる方がいるかも知れない。
その答えは、建設費用の全額を日本政府が負担するからだ。それなら日本政府の良いようにさせておけ、これが一円も負担しない米政府の本音である。
この大いなる不条理!
だから知事は、沖縄県民としての誇りをかけて、この工事の不当性を絶えず明らかにし、反対し続ける必要があるのだ。
玉城知事はこの論理をよく理解している。だから今回の知事選は玉城デニーを支持することに決めた。