辺野古埋め立てが頓挫する運命にあるのは、政府の不誠実体質が原因だ
防衛省がついに軟弱地盤の存在を認めた。
大浦湾側に予定されている護岸真下の海域が軟弱地盤であることは以前より指摘されていたが、防衛省はその事実を公式には認めてこなかった。
しかし、事実は隠し通せるものではない。遂にその存在を認め、設計変更の意向を固めたのである。
仲井真元知事が埋め立てを承認した時の設計図書は、大浦湾側から着手することになっていたが、地質調査の結果、軟弱地盤の存在に気付き、工事の容易な現在の工区から始めたという経緯がある。
変更理由を県に説明する義務があるにも関わらず、それを敢えて怠り工事を強行した理由は、卑劣な政治的思惑と沖縄防衛局の今日まで続く不誠実な態度にある。
沖縄の民意は、辺野古埋め立て反対が多数であることは明々白々だが、安倍内閣は独裁国家の如く権力で県民をねじ伏せるようにして工事を押し進めてきた。
それでも工事の度重なる違法行為を立証し、県は昨年8月に埋め立て承認を『撤回』した。
しかし、行政不服審査法を濫用して私人になりすますという狡猾な手を使い、『撤回』の効力を一時的に停止させることにまんまと成功して、辺野古の美しい海に土砂を投入している。
これほど不誠実な政治が許されて良いはずがない。この目に余る不誠実さこそ、国家を亡国に至らしめる「蟻の一穴」となり得る深い闇そのものだ。
防衛省による軟弱地盤の嫌々ながらの容認と、設計変更を県に申請せざるを得なくなった現実が深い闇を垣間見させてくれた。
「蟻の一穴」を拡大させないために、当然、玉城デニー知事が設計変更を承認することはない。
県は工区内の珊瑚の移植も承認していない。かつての翁長県政以上に強気だ。となると沖縄防衛局は、なす術なく立ち往生することになる。
必然的に辺野古埋め立ては最終的に頓挫する、とは言っても安倍内閣はあの手この手を使い、簡単に工事を諦めることはないだろう。
完全に諦めさせるためには、どれほど工事が進行しようと、県民が反対の声を上げ続けることだ。辺野古新基地建設の不当性を世界に向けて発信し続けることだ。
違法が重なる杜撰な工事、米政府から滑走路の短さを指摘される欠陥施設、そして何よりも、在沖海兵隊の多くがグァムに移転し、わずか800人の実働部隊しか残らない将来の在沖海兵隊に辺野古新基地が必要なのか、というそもそも論。
どの角度から検討しても辺野古新基地は不要であるとの回答しか出てこない。
不要な施設に巨額の税金を投入する政府は、日本国民には不要でしかない。
政府の沖縄に対する不誠実な体質には、実に深い闇が存在すると言わなければならない。