沖縄よ! 群星むりぶし日記

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NATOの東方拡大がなければウクライナ侵攻はなかった

NATO北大西洋条約機構)は「第二次世界大戦が終わり、東欧を影響圏に置いた共産主義ソビエト連邦との対立が激しさを増す中で、イギリスやアメリカが主体となり、1949年4月4日締結の北大西洋条約により誕生した。結成当初は、ソ連を中心とする共産圏(東側諸国)に対抗するための西側陣営の多国間軍事同盟であり、「アメリカを引き込み、ロシアを締め出し、ドイツを抑え込む」(反共主義と封じ込め)という、初代事務総長ヘイスティングス・イスメイの言葉が象徴するように、ヨーロッパ諸国を長年にわたって悩ませたドイツ問題に対するひとつの回答でもあった。」(ウイキペディアより)

NATO設立の目的は「共産国ソ連を締め出し、ドイツを抑え込む」ことにあった。主役の役割を担ったのは、大戦後、世界の覇者となった米国である。戦勝国である米国とソ連は、資本主義と共産主義という体制の違いから敵対関係となり、ソ連NATOに対抗する目的で1955年にワルシャワ条約機構を設立した。以後、資本主義の西欧と共産主義の東欧が軍事的に対峙する緊張関係が長い間続く。

しかし、1991年にソ連共産主義体制が崩壊。それに伴ってワルシャワ条約機構も消滅した。ソ連を盟主とする東欧の共産主義体制は消えたのである。NATOの目的は達成された。その意味ではNATOの必要性はなくなったと言えるだろう。共産主義体制と言う敵が消え失せたのだから、少なくとも現状以上の勢力拡大は意味がない筈である。

ソ連崩壊誘因の一端を担った当時のゴルバチョフ大統領は、NATO諸国とこれ以上の東方拡大はしないとの約束を交わしている。しかし、不思議なことに、12カ国で発足した加盟国は16カ国に増え、さらにソ連崩壊後も新たに14カ国が加わって現在は30カ国を数えるまでに至っている。

明らかに、ソ連崩壊後のロシアに対する露骨な圧力であり、その目的は、反グローバリストのプーチン大統領を失脚させることにある。そして親米大統領クレムリンに迎える。米政府の背後で政治を操る国際金融資本家の目的は、ロシアの豊かな資源を奪うことと、世界を自分達の影響下に置くことだ。真の愛国者で強力な指導者のプーチン大統領は、かれらにとって目障りで邪魔な存在でしかない。

プーチン大統領は、このことを深く理解しているからこそ、ビデオメッセージで次のように述べたのだ。

「答えはただ一つしかありえません。我々の政治体制やその他のことではないのです。まったく単純に、ロシアのような独立した大国を周囲に必要としないだけなのです。それがすべての問いに対する答えです。これがアメリカの伝統的な対露政策の源であり、それ故に我々のあらゆる安全保障上の提案に対する態度でもあるのです。」

2000年に大統領に就任したプーチン氏は、経済的政治的に奈落の底に落ちたロシアを見事に建て直し、少しづつ力をつけて、臥薪嘗胆、欧米の圧力、嫌がらせに耐えてきた。

しかし、安全保障上、最後の緩衝地帯となるウクライナNATOに加盟するとなると、忍耐にも限度がある。喉元に匕首を突きつけられて黙っているわけにはいかない。

プーチン大統領は、ウクライナを占領する目的で軍事介入したのではない。ウクライナNATOに加盟させないという提案を米国が最終的に足蹴にしたから、自衛のためやむなく軍隊を投入したのである。

ウクライナ紛争で最も罪深いのは、ウクライナに色目を使ってたぶらかした米国である。そして、自国の経済の立て直しに失敗し、治安をよくする能力もなく、前年の支持率が僅か19%しかなかった奇妙な人物、ゼレンスキー大統領の政治的責任も大きい。

ゼレンスキー氏が、ウクライナは中立の立場でいくと宣言すれば、ロシアの軍事介入はなかった。しかも戦火の中、彼は動画で強硬な発言を発信し続けている。これがどれほど自国民の犠牲者を増やすことにつながるか、自覚できないのだろうか?

メディアでは、ゼレンスキー大統領は勇気ある愛国者のように報道されているが、それは違う。実像は犠牲を拡大する能無し政治家に過ぎない。

歴史を振り返れば、喉元に匕首を突きつけられた時、突きつけられた側がどう対応したかの実例がある。その一つは日露戦争である。日清戦争に勝った日本は、遼東半島を獲得した。しかし、三国干渉があり、清国に返還することになった。ところが、干渉した側のロシアが遼東半島を占領してしまったのである。

それだけではない。ロシアは満州を押さえ、さらに南下する意図を示した。朝鮮半島がロシアの支配下になれば、日本の国防は危機的状態に陥る。まさに喉元に突きつけられた匕首だった。

日本は決断した。国滅ぶとも、ロシアと戦うと。日露戦争の結果はご存知の通りである。

もうひとつは、キューバ危機である。当時のフルシチョフ第一書記は、友好国キューバにミサイル基地の建設を企んだ。完成すれば当然、核兵器が持ち込まれるだろう。それを知ったケネディ大統領は、ロシアと核戦争も辞さないとの強い意志を示した。フルシチョフは断念せざるを得なかった。

キューバのミサイル基地は、完成すれば、米国にとってはまさに、喉元に突き刺さる匕首であった。そして今のウクライナウクライナNATOに加入すれば、ロシアの国境に米国のミサイル基地が配置される。そうなれば、ロシアにとっては国防上の一大危機である。喉元に突き刺さる匕首だ。

ウクライナNATOに加入させないようにとのプーチン大統領の提案を米国は無惨にも足蹴にした。そこで自国を守るためにプーチン大統領は、必死の覚悟を持って軍隊を投入したのである。誰がプーチン大統領を断罪できるだろうか。