沖縄よ! 群星むりぶし日記

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「8割おじさん」の インタヴューから分かったこと

自称「8割おじさん」西浦博・北海道大学社会医学分野教授の10日付ロングインタヴュー記事が配信された。示唆に富む内容であり極めて重要と思われるので、その中の主な要点を整理して昨日の当ブログを補足したい。ちなみに「8割おじさん」の名付け親は、クラスター対策班リーダーの押谷教授とのこと。

「このままでは8割削減できない」「8割おじさん」こと西浦博教授が、コロナ拡大阻止でこの数字にこだわる理由

まず結論から先に言うと、密閉・密集・密接(3蜜)と、人との接触を8割減らすこと、この両方が達成できれば、COVID-19の感染は確実に収束へ向かうということ。

ただし、インタヴューの後半で西浦教授は3蜜よりも8割減を強調している。ぼくは専門家ではないので、ここは西浦教授の主張を信じたいところだ。

8割減という概念は、西浦教授が得意分野とする数理モデルから導き出されたという話は、一昨日のNHKスペシャルで報道された通りである。

そして、インタヴューで明らかになった重要なことは、西浦教授の提言を安倍政権がどう受け止めたか、ということだ。

「8割という数字を出した時に、明確に「8割はできるわけない」とおっしゃった政治家がいました。政治家の立場上、国の経済を止めるわけにはいきませんし、接触の削減で割りを食う業界を支えないといけないという責任を負っているからだと理解しています。

一方、我々科学者がこういう数字を提示しないといけないのは、自分たちが認識している流行のリスクは、いますぐ止めなくてはいけないという危機的なものだからです。

社会活動を制限することで受ける損失をはるかに超えるという思いがあります。8割が理論的には正しいので、それを目標としてくださいと伝える過程には、簡単ではないせめぎ合いがありました。

大臣や緊急事態宣言を担当される部署から、「6割はだめですか?」「それでだめなら7割ではどうですか?」という値切るような聞き方をされました。

安倍晋三は、7日の緊急事態宣言で「最低でも7割、できるだけ8割減をお願いしたい」旨述べていた。そこに至る背景を西浦教授は披瀝してくれた。明らかに「値切った」のである。

なぜ西浦教授の要望通り、素直に8割減を強調しなかったのか。国民に向かって強く主張すれば、休業補償を要求する声が大きくなるのを恐れたからだ。それで玉虫色に「値切った」のである。本質をはぐらかす、いつもの安倍晋三らしい。

安倍政権の特徴のひとつは、公文書を平気で改竄、隠蔽、廃棄することにある。今回は、なんと資料数値が書き換えられていた。

 

不思議なことに「基本再生産数が2.5として、医療機関性風俗のことを考えると、80%減でないと2週間で減らない」というシミュレーションの資料を作っていたのですが、私の知らないところで諮問委員会の資料の数値が書き換えられていたのです。

基本再生産数が2.0と、私が作った資料より感染力を低く見積もっての数字になっていたので、「これで大丈夫なのか?」という問い合わせを事前に尾身先生からいただきました。

もし、この資料が表に出たならば、僕は自分で「あくまでも8割であり、こういうシミレーションを僕は出していない」と話そうと覚悟していました。資料として議論の場には出ていたそうです。最初は目標値は出さないという話になったそうですが、目標値がないといけないということで相談し、政治家のみなさんの判断で、「少なくとも7割、できれば8割」という最終の数値が出てきたのは、そうしたせめぎ合いの結果です。

科学者は実証を伴った理論に基づいて真実を語ろうとするが、政治家は都合の悪いことはできるだけ隠そうとする。両者の性格・立ち位置の違いが鮮やかだ。緊急事態宣言が出された後の現状を、西浦教授はどう捉えているだろうか。

今のみなさんの意識のままでは8割減には、とうてい届かなそうだなというのが率直な実感です。

自分がどうしたいというレベルをはるかに超えている状態です。これまでの3密という考えで、日本人に対する信頼を寄せ自発的に行動を変えてもらうということでは防げない。

西浦教授は、8割減という自ら弾き出した数値に絶対的自信を持ちながらも、現状に対しては、明らかに不満だ。西浦教授は明言を避けてはいるが、原因が政治にあるのは間違いない。

国民に自粛要請しながら休業補償はしない、という安倍政治が大きな壁となって、8割減が困難な状況に陥っている。紙幣を刷って国民に供給できる権限を持つのは政府だけだ。

現場の苦境を知悉している自治体の首長は、住民に現金を配ろうにも、紙幣を刷る権限がないので、必然、政府頼みとならざるを得ない。その政府が休業補償はしない、と言うのである。

我々は、対策班の国民を感染から守ろうとする真剣な努力に感謝すると同時に、国民を見捨てる安倍無能政治を何度でも繰り返し徹底的に批判しなければならない。

私も含めて、専門家はほぼみんな無報酬でこの仕事をしています。謝金を受け取れるのかもしれませんが、専門家として政府や国からの独立性を保つ意味もあります。

西浦教授の専門家としての矜恃に対し、ただただ頭が下がる思いだ。ここまで書いて、7時のNHKニュースを見ていたら、なんと安倍内閣の支持率39%、不支持率38%とでているではないか。驚きを通り越して絶望あるのみ。

この民にしてこの内閣あり。「この国はもうダメなんじゃないですか」(故西部邁

言うまでもないことだが、安倍内閣に対するぼくの支持率はゼロ以下、マイナスである。

 

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