沖縄よ! 群星むりぶし日記

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玉城デニー知事が政治家として本物かどうかが試される最高裁判決

昨日、県と国土交通相との間で争われた訴訟(❊)に対する最高裁判所の判決が下された。最高裁は県の上告を棄却。県の敗訴が確定した。

辺野古新基地の軟弱地盤改良工事に伴う沖縄防衛局の設計変更申請を県が不承認。これに対し国土交通相が県へ承認するよう「是正の指示」を出したことの違法性が争われた訴訟。

最高裁判所の判決が下された以上、その内容がどうであれ、県による設計変更不承認をめぐる訴訟は事実上不可能になった。となると、今後の県の対応としては次の3点が想定される。

1)最高裁判決を受け入れて、変更申請を承認する

2)承認を拒否する(当然、政府は代執行訴訟を提起して工事を強行するだろう)

3)別の理由に基づく不承認や埋め立て承認の再撤回

昨日の記者会見で、デニー知事はこの3つのうち、いずれを取るかという複数の質問に対して、「検討する」と繰り返すだけで、態度をハッキリさせなかった。応答する知事の表情は苦悩に満ちていた。設計変更不承認という最後の切り札が、上告棄却という門前払い同然の扱いを受けたのだ。知事の立場に立てば、苦渋の選択をまたもや突きつけられた思いだろう。知事の苦悩を共有する県民は多いはずだ。しかし、これで辺野古の闘争が終わったわけではない。

県民の正義を貫き通すためには、政府と司法の理不尽な強硬策に抗い続けなければならない。県民の意思はハッキリしている。デニー知事が取るべき選択は「承認を拒否する」だ。それ以外の選択はあり得ない。万が一、承認するようなことがあれば、理由がなんであれ、知事に対する信頼は完全に失われて、沖縄の政治状況は収拾のつかないカオス状態になるだろう。これまでどんなに苦しい状況でも耐え忍んで、県民の誇りと生命と生活を守るために積み上げてきた貴重な努力と時間が一瞬にして泡となり消えてしまう。

県民は絶望の淵に立たされるだろう。絶対にそうさせてはならない。では3番目の「別の理由に基づく不承認や埋め立て承認の再撤回」はどうだろうか。これもナンセンスである。司法が政府に寄り添う姿は、翁長前知事の時からハッキリしている。政府を相手に何度訴訟に訴えても、常に県が敗訴したこれまでの事実は、司法の判断は最初から決まっているという証左だ。

その認識に立てば、これ以上の訴訟は徒労に終わるしかないと思い知るべきだろう。以上の考察からデニー知事が取るべき選択は「承認を拒否する」以外はない。そうなると当然、政府は代執行訴訟に踏み切るだろう。そして司法は、これまた当然の如く政府の訴えを聞き入れて正当化する。そして政府と司法によって沖縄防衛局が提示した軟弱地盤改良工事に伴う設計変更申請は容認されて、辺野古側の埋め立て工事は強行される。

ここまで来れば、県政も県民も実力で工事を阻止することはできない。埋め立て工事は「粛々と」進められていくだろう。しかし、だからと言って追認する形で承認してはならない。工事が進む間も、デニー知事は「不承認」の立場を鮮明にして、初心を貫き通すことだ。そして機会あるごとに、辺野古埋め立て工事の不当性を世界に向けて発信し続けると良い。

国際情勢が大きく揺れている時に、アメリカの手先である自公政権が立ちいかなく時期が必ずやってくる。その頃になって辺野古埋め立て工事は失敗だったと悔やんでも遅い。辺野古新基地は欠点だらけの使い物にならない不要な基地だということが次第に明らかになるだろう。

デニー知事は、自信を持って「不承認」を貫き通せ!あなたの背後には多くの県民が控えていることを片時でも忘れるな!