沖縄よ! 群星むりぶし日記

沖縄を、日本を、そして掛け替えのない惑星・地球を愛する者として発信していきます。

経済なら自民党という標語は30年前にすでに終わっている

自民党政治の腐敗が止まるところを知らない。今の国会を見ても、カルト教団統一教会と関係した議員のほとんどが責任を取ろうとしない。何かと屁理屈をつけて逃げ切ろうと一生懸命だ。岸田政権自体が徹底した調査をすることに二の足を踏んでいる。

自民党のこの腐敗体質は、何も岸田政権から始まったわけではない。GHQ占領下の7年間で、日本弱体化の毒入り注射を打たれた時からすでに自民党の腐敗は始まっていたのだ。

国家経営に重要な位置を占める安全保障政策と外交を米国に抑えつけられたままでは日本独自の自主性を発揮することはできない。それでも勇気を振り絞り、国民の力をバネにして飛翔すればいいのに、その前にワシトンに顔を向けてご機嫌を伺うのだ。

宗主国様の表情は穏やかだが、慎み深い笑みを見せつつほんの僅か横を向く。これで宗主国様に忖度するよう暗黙の指令が下されたようなものだ。

世界一の圧倒的軍事力を持ち世界を睥睨する宗主国・米国様を怒らせてはヤバイ、やはり飛ぶのは止めよう。こうしてバネの跳躍力は失われて時の経過とともに錆びていく。それでも戦中派が健在の間は自民党の政治には力強いダイナモがあった。戦争は負けたが経済で追いつき追い越そう。

その中心に田中角栄がいた。この異能の政治家は無名の時代から議員立法成立に精を出し、それらの法律の多くが日本経済復興の指針となった。(早坂茂三の諸著作を参照)

田中角栄は日本人の優秀さを心底信じた。その力を引き出すための法律を次々と成立させた。東大法学部卒の超優秀な官僚達が、尋常高等小学校しか出ていない田中角栄の法律談義に舌を巻き、政策立案に協力を惜しまなかった。それほど田中角栄の政治運営能力は群を抜いていた。奇跡と言われた戦後日本経済の高度成長の中心に田中角栄がいたのは間違いのない事実である。

54歳(当時歴代最年少)の若さで総理大臣になった田中角栄は独自の資源外交を展開、日中国交正常化を果たした。宗主国様に忖度しない目の覚めるような独自外交だった。しかし、そのことが宗主国・米国の逆鱗に触れた。マッカーサーが苦労して作り上げた袋を突き破るとは何事だ、田中角栄許すまじ、というわけだ。

ニクソンキッシンジャー米政府はロッキード事件を仕掛けて目の上の大きな瘤、田中角栄追い落としにかかった。今でこそ暗黒裁判と評価の定まったロッキード裁判で田中角栄は敗れ去った。田中角栄は政治の表舞台から消えた。

ご存じのように、田中角栄亡き後の総理大臣は皆、見劣り著しい吹けば飛ぶような小心者ばかりである。そして田中角栄が中心にいた日本の高度経済成長は、バブル崩壊とともに幕を閉じた。

以来、日本経済は成長しなくなった。平成の御代は失われた30年という不名誉極まりない名称をいただくことになった。あろうことかゼロ成長は令和の御世になった今も続いている。

経済は自民党に任せておけば良い、という宣伝文句はもはや全く通用しない時代になった。30年前から自民党の経済政策では日本は豊かになれないことがはっきりしている。上のデータがそれを証明している。しかし、にも関わらず、自民党の政治がずっと(1年間の細川政権、3年間の民主党政権を除く)続いているのはなぜか?

自民党に投票する有権者の頭の中には、バブル崩壊前の自民党の経済政策が残照としてこびりついているか、あるいはバブル崩壊以後、30年以上も経済成長していないことを示す諸々のデータを知らないからかも知れない。

仮にそうだとすれば、自民党に票を入れる有権者には是非覚醒して欲しいものだが、どうもそうとばかりも言えないような気がする。ぼくが懸念するのは民度の劣化である。

ロッキード暗黒裁判以来、対米従属の足枷からいよいよ抜け出せなくなったことによる自民党政治の腐敗ぶりはひどくなる一方であるが、それでも約3割の有権者自民党に票を入れる。だから自民党は政権を維持することができる。そんな状態が何年も何年も続いてきた。

経済は成長せず、多くの国民が貧困化し、政治の腐敗は止まらない。それでも政権交代が起きないのは、明らかに日本人の民度が劣化したからではないか。それ以外に理由は見つからない。民度の劣化と自民党政治の延命は、明らかに密接に絡み合っている。