沖縄よ! 群星むりぶし日記

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虎(米国)の尾を踏んだ政治家は消される

なんとも楽しい動画が配信された。鳩山友紀夫と山本太郎の対談。鳩山氏は、普天間飛行場の県外移設を公約に掲げながら実現できず、最終的に自民党辺野古移設案に戻ったために沖縄県民の信用を失った元総理大臣である。

そんな負の政治経歴を持つ人物と政界の異端児・山本太郎れいわ新選組代表の対談がどう展開していくか、まずは動画をご覧いただきたい。

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嬉しそうに突っ込みを入れる山本太郎。防御に必死になる鳩山氏。親子ほどの年齢差がありながら、遠慮のない対談は二人の素顔をさらけ出している。次のエピソードが面白い。

山本氏が政治家になる前、原発反対で活動していた頃、新幹線に乗り合わせた鳩山総理大臣を発見して、これはチャンスとばかり隣の席に座らせてもらい、長々と話すのを鳩山総理は黙って聞いていた。

しかし、鳩山総理は隣の席で熱心に喋り続ける人物が誰なのか、全く知らなかった!

この場面を想像するだけで鳩山友紀夫の人間性が垣間見えるし、自称宇宙人と名乗る理由がわかるような気がした。包容力があって優しい宇宙人。

人見知りする性格で政治家になるつもりはなかったと言う宇宙人に、間髪を入れず、それでよく総理大臣になったな、と笑いながら異端児が突っ込みを入れる。

小沢一郎について話が及んだ時、二人の認識に共通する部分があった。小沢氏にとっての政治目標は政権交代可能な政治状況を作ることにある。それ以外の案件にはこだわらず、目的達成のためには全てを譲ると言う姿勢。ここまで無心になれると言うのは確かに凄いことだ。

鳩山氏が言うように、泉新体制が小沢氏を幹事長に据えたら緊張感が走って、もう少しおもろい展開になっただろうに。

衆議院選挙でれいわが3議席取ったこと、安倍政権の総括、MMT(現代貨幣論)にまつわる財政出動とインフレの問題等、話は進んで外交と安全保障に及んだ時、辺野古移設問題が話題になった。当然、山本氏は外務官僚が提出した偽資料に鳩山総理が騙された経緯を知っていた。

アメリカから圧力ありました?昔? と山本氏が単刀直入に突っ込んだのは、そんな背景があったからだ。鳩山氏は明確な回答は避けたが、外務官僚側に対する間接的圧力はあったと思うと述べた。

自民党政権下でずっと続いてきた対米従属化路線。山本太郎と鳩山友紀夫はこの路線から脱却を目指す点で共通している。あまり知られていない事だが、鳩山政権は米政府から毎年送られてくる年次改革要望書を受け付けなかった。これは凄いことである。年次改革要望書というのは、戦勝国による敗戦国に対する命令書だ。対米従属の自民党政権は長年これを受け入れてきた。しかし、鳩山政権は拒否した。宇宙人だからこそできたに違いない快挙だ。

そうなると米政府が怒るのは当然だ。その本質を山本太郎はよく知っている。だから虎の尾を踏んだんじゃないですか? と驚きつつ、凄いことだと感服したのである。

同じように、今から45年前に米国の虎の尾を踏んだ男がいた。田中角栄だ。日中国交を成し遂げ、独自の資源外交を展開して米政府の琴線に触れてしまった日本国総理大臣・田中角栄

米政府は自国の利益にそぐわない政治家を認めない。田中はやり過ぎた。そこでロッキード事件が勃発。仕掛け人は時の国務長官ヘンリー・キッシンジャーだ。

ロッキード事件の真相を知りたい人は、ぜひ次の一冊を購読されたい。

 

ロッキード裁判は暗黒裁判であり、田中角栄は無罪である。この真実を疑う者は日本人ではない。ぼくはそう断言する。田中角栄亡き後、日本の政治からダイナモが失われた。

今や100年先の国家象を描ける政治家は誰一人いない。保身に汲々とする小政治家だけだ。そんな状況下で、鳩山政権が年次改革要望書を受け付けなかったのは凄いことなのだ。この点だけでも鳩山氏を見直したいと思う。

辺野古の挫折以来、ぼくは鳩山氏のことをloopy野郎だとずっと思ってきたが、今回の対談で今まで知らなかった鳩山氏の素顔に現れた人間性を知ることができ、大いに反省しなければならないと自戒している。鳩山氏の素顔を引き出すことに成功した山本太郎の特異な才能あったればこそでもある。

振り返ると確かに未熟な面はあったが、民主党政権の3年間は、安倍政権の7年8ヶ月と比較すると、その誠実さにおいてずっと良かったと思う。

今の立憲民主党に期待はできないが、当時の民主党政権の良い面を再検討するのも、今後の政治の方向性を考える上で必要なのかもしれない。

いずれにしても性格の違う二人の対談は非常に楽しかった。第二弾を期待する。