世界に恥ずべき日本の奴隷制度
今月12日、外国人技能実習制度の廃止を求めるデモ行進があった。下の図はデモ行進を記事にしたHUFFPOSTからコピペしたものである。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_62a685eae4b06169ca8d225d
上の図を見れば、外国人技能実習制度の問題点が一目瞭然だ。実によくできた図で、制度の本質を知るにはこれだけで十分と言える。
ただ付け加えて考えなければならないことは、なぜこんな酷い制度が運用されてきたのか、その原因は何かという疑問である。
その答えははっきりしているように思う。利潤のみを最大目的化し、利潤を生み出す人間から徹底的に搾取する。つまり、資本主義本来の最悪の面が実行された、ということだ。
英国の産業革命から発達した近代資本主義は、利潤追求を野放図にすれば労働者が困窮状態から救われないとの反省から、幾度も制度改革が行われて労働者の待遇改善がなされてきた。
その結果、少なくとも先進国と呼ばれる国において、労働者の生活状態は産業革命時よりはるかに良くなっている。
しかし、上の図を見ると産業革命時の英国にタイムスリップしたような錯覚に襲われる。徹底した労働者からの搾取。悲鳴をあげても逃げ場を閉ざす。
これは完全に現代日本における奴隷制度である。日本はG7の一員であり、先進国の一つとして国際的に認知されている。その日本で、紛れもなく奴隷制度が実行されてきたのであり、今も実行されているのだ。しかも、完璧に搾取され痛めつけられている労働者達はベトナムをはじめとする外国人である。
これでは帰国した彼ら彼女らが日本嫌いになるのは当然の成り行きだろう。嫌うだけならまだしも、憎悪の対象とされても少しもおかしくはない。安全保障を考える上でも取り返しの効かない深刻な問題となる恐れさえある。
この制度を野放しにしてきた自公政権の罪は大きい。制度を変えるのは政府の役割である。政府は直ちに、今まで犠牲となった外国人に対して謝罪し補償すべきだろう。
そのうえでデモ参加者の求めに応じて、制度そのものを直ちに廃止すべきだ。しかし、新自由主義(岸田が唱える新しい資本主義は単なる亜種)に骨の髄まで侵された岸田内閣に抜本的改革を期待するのはやめよう。虚しくなるだけだ。