政治に絶望するのはまだ早い、新しい政治潮流が始まっている
参政党の勢いが止まらない。参政党の創設者・神谷宗幣と共同代表を務める吉野敏明が揃って行う街頭演説会には、場所がどこだろうと、不思議なくらい大勢の人が集まる。
似たような光景を山本太郎の街宣活動に見ることができるが、いかんせん、熱気が全然違う。というよりも聴衆の受け止め方が、両者の間では明らかに違うのだ。
山本太郎の街宣の特徴は、聴衆との質疑応答が中心で、そのやりとりの中で、れいわ新選組の政策を知ってもらう方向に持っていくというやり方だ。
極めて斬新な街宣活動と言えるが、神谷氏、吉野氏のそれと比較すると、訴える側と聞く側との間に生じる熱量が明らかに違う。
聴衆の反応は、参政党の方がれいわ新選組よりも、ずっと熱が高い。拍手の大きさも回数も、参政党の方がれいわ新選組を上回っている。参政党の動画を何本も見ているが、その度に同じ感じを受ける。
聴衆の熱気だけではない。集まる人数も参政党の方が多い。昨日北海道で行われた演説会では1000人近い聴衆が集っていた。
この違いはどこから来るのだろうか?
れいわ新選組は3年前に発足し、参政党はその1年後に船出した。3年前の参議院選挙でのれいわ新選組の演出力は新鮮で華々しく衝撃的だった。
船後靖彦、木村英子、二人の重度障害者を参議院議員に当選させ、去年の衆議院選挙では、山本太郎、大石あきこ、多賀谷亮の三名が当選して現在国会議員5名を擁する勢力となった。
衆議院を辞職した山本太郎(次点のくしぶち万理が繰り上げ当選)は、東京選挙区での当選を目指して、今も精力的に街宣活動をこなしている。その使命感にはただただ頭が下がる思いだが、ただ最近、彼の街宣活動にかつての新鮮さが感じられなくなったのも事実である。
どんな好きな映画も、頻繁に何度も見れば飽きるのと同じ理屈で、当然と言えば当然のことかも知れない。振り返れば、これまで山本太郎の動画をあきもせず見てきた。流石に、もうお腹いっぱい、という感じだ。
しかし、だからといって支持をやめるということではない。今回の参議院選挙で、比例はれいわ新選組に入れるのはだいぶ前から決定済みで、その意志が変わることはないだろう。
ただここで指摘したいのは、ぼくの内部で、参政党が激しく追い上げてきているということである。現時点においてれいわ新選組にはまだ届かないが、次の衆議院選挙あたりで、ひょっとすると参政党に投票することになるかも知れない、というところまで心の揺れを感じるのだ。
その原因はやはり、参政党の政治姿勢、政治理念に共鳴するところが大きいと言わなければならない。今の日本の政治に深刻な危機意識を持つ点において、れいわ新選組と参政党は同じだが、両党の違いは、危機意識の対象の違いにある。
れいわ新選組の危機意識は、自民党の長期政権による経済政策の失敗のおかげで、25年以上も経済成長がストップ、国が衰退していく中で多くの国民が生活苦に陥り、特に低所得層が苦しんでいるという現状認識からきている。
この現状を打破し、積極財政で経済を底上げして日本経済を浮上させ、国民を豊かにして、生活困窮者を救済する、というのがれいわ新選組の主張である。
経済政策を重視するれいわ新選組と違い、参政党の危機意識は、戦後7年間に及んだ米国の占領政策によって生じた日本の歪な社会体制を認識することから出発している。
対米従属路線から抜けきれない日本の萎縮した政治が、経済、外交、国防、教育、文化、医療、情報、歴史認識、等あらゆる分野を歪めた根本原因であり、これら全てを本来あるべき姿に戻さない限り、現状を変えることは不可能である、と訴えている。
そのための3つの重点政策として1.子供の教育:学力(テストの点数)より学習力(自ら考え自ら学ぶ力)の高い日本人の育成 2.食と健康、環境保全:化学的な物質に依存しない食と医療の実現と、それを支える循環型の環境の追求 3.国の守り:日本の舵取りに外国勢力が関与できない体制づくり
その他に、新しい国づくり「10の柱」があるが、長くなるので参政党のホームページを参照してもらいたい。
以上、大まかではあるが、れいわ新選組と参政党の違いを述べた。
あえて誤解を恐れずに言えば、れいわ新選組をリベラル、参政党を保守、と定義することもできるだろう。
しかし、この2つの新しい政治勢力を旧来のやり方でリベラル、保守と分類したくはない。自民党以下、既成政党をリベラル、保守と分類したところで、大量の埃が立ち上るだけで、なんの意味もなく、わずかな価値さえ見出すことができない。既成政党全てがもはや、新しい時代に対応しきれない古い上着にすぎない。
間違っても古い上着を選択してはならない。やっと時代にふさわしい新しい政治グループが我々の前に姿を現したのだ。
れいわ新選組をリベラル、参政党を保守と勝手に分類するのは強引すぎるかも知れない。実際のところ、ぼくが参政党の存在を知ったのはごく最近のことで、まだわからない部分も多い。しかし、神谷氏、吉野氏の言葉に感動したのは事実だ。だからそれ以来注目し、関心を寄せ続けてもいる。
今、参政党の勢いが凄いのは、日本を取り巻く環境が絶望的なほど救いようのない状況下で、どうして良いかわからず呻吟する多くの人々の心を捉えるからではないだろうか。
れいわ新選組と参政党、大いに切磋琢磨して政治レベルをさらに引き上げ、この国に生きる人々を結集して日本を変えてもらいたい。変えていきましょう。