沖縄よ! 群星むりぶし日記

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裏表のない政治家・山本太郎の魅力

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三年前の参議院選挙で、れいわ新選組は山本代表を含む10名の立候補者を擁立した。各人が異色の経歴と強烈な個性を持ち、その人選を発表する段階から驚きの連続だったが、渡辺てる子さんは、その中の一人だった。

ホームレスの経験のあるシングルマザーで派遣社員。働きながら高齢の親の介護もする。会社の都合で長年勤めた派遣社員をクビになる。退職手当なし。本人は自分のことを「貧困の総合デパート」と呼ぶ。

山本代表はそんな渡辺さんを、異色の経歴の持ち主だからという単純な理由で立候補者として選んだのではない。渡辺さんは、大変な勉強家であり、労働問題に詳しく、政府から参考人として招聘された経験のある人間だ。

山本代表はその辺の事情をよく知っていた。だからこそ国会に送り込んで現場の声を直接国会の場に届けようと考えたのだ。2019年の参議院選挙。れいわ新選組は、新橋駅前広場で『れいわ祭り』を開催した。

異色の立候補者の演説を聴こうと約1000人近い人々が集まった。会場は陸橋をうめ尽くすほどの興奮と熱気に溢れていた。大聴衆を前に、渡辺てる子は、今までの苦悩を吹き飛ばすかのように絶叫し訴えた。聴衆から大きな拍手が沸き起こる。渡辺さんの熱い言葉に多くの人が共感したに違いない。

『れいわ祭り』はYouTubeでも配信されて、コメント欄は照ちゃん賛美で溢れた。『れいわ祭り』を見た人は、少なくとも5人以上は当選するだろうと思ったに違いない。ぼくもその一人だった。しかし、どのメディアも『れいわ祭り』を取り上げることはなかった。

ネットの世界と現実の世界には大きな距離がある。ユーザーが自由にアクセスするネットの世界と、一般家庭に直接流れ込むテレビニュースとでは、その規模と広がりにおいて圧倒的な差がある。

『れいわ祭り』の熱が全国的に広がることはなかった。現場には1000人以上の聴衆が集まったとは言え、ネットというごく限られた空間で爆発した政治ショーにしか過ぎなかった。

選挙の結果は、特定枠の船後靖彦と木村英子の二名が当選。山本代表を含めて、あとは全員落選の身となった。そして満を持して迎えた昨年10月の衆議院選挙。

渡辺てるこは比例東京ブロックから出馬。しかし残念ながら再び落選。れいわ新選組は弱小政党だ。資金力がない。市民からの寄付金だけでは、十分な金を各候補者に回せない悲しさがある。そんな中で、山本代表と大石あきこ、多賀谷亮の3名が当選したのは奇跡に近い。

これで渡辺さんの心は折れたに違いない。どうしていいかわからない絶望の日々が続いたことだろう。彼女の心のうちを思うといたたまれなくなる。山本太郎も党の代表として、顔にこそ出さないが、内心は責任を痛感したことだろう。政治は、というより選挙は過酷なものだ。武器こそ使わないが、食うか食われるかの熾烈な争いだ。

そんな中、立憲民主党から渡辺さんに声がかかった。練馬区の補選に出馬しないか、と。さてこの時、彼女は大いに悩んだと思う。先の衆議院選挙で、立憲民主党の枝野代表は、れいわ新選組に対して非常に冷たい対応をしてきたからだ。

当然、渡辺さんは、そんな事情は十分知っていた。しかし、悩んだ末、山本代表と相談して受諾することになった。その時の山本太郎の気持ちはどうだったのか、上の動画を見ていただければ理解できる。

山本太郎は、先の衆議院選挙でもそうだったが、この人はと見込んだ立候補者が、たとえ他党所属でも駆けつけて応援演説を行う。立憲民主党だろうが、共産党だろうが一向に構わない。

人物本位で応援するのだ。こんな政治家は山本太郎以外は見当たらない。太田和美の時もそうだった。国政選挙を諦めて、柏市長選挙に出ると申し出た太田和美の意向を、山本代表は快諾した。そして応援演説に駆けつけた。太田さんは見事当選して、今、柏市長として汗を流している。

そして今回の練馬区補選。山本代表は渡辺さんを「逸材」と呼んだ。人の痛みがわかる「逸材」こそ政治の場で働いてもらうことが、どんなに大切なことか。

山本太郎の言動にはいつも頭が下がる思いだが、上の動画も大変感動的である。渡辺てるこさん、必ず当選してください。あなたが当選すれば、日本の民主主義が、また一歩前進します。