沖縄よ! 群星むりぶし日記

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佐藤優を批判する

佐藤優が4月12日付のPRESIDENT Onlineに「プーチンは何も諦めていない」のタイトルで寄稿している。本文はこちら=https://president.jp/articles/-/56536

この論考の中の次の箇所に疑問を抱いたので引用する。

「私は、今回の戦争で、国際秩序が第1次世界大戦の前に戻ってしまったと考えています。この1ヶ月半で時計の針は100年以上も逆戻りし、東西冷戦時の理屈さえ通らないほど大きな変化が生じてしまいました。

国連憲章では、少なくとも加盟国に関しては、国家間の紛争解決に武力を用いないという建前でした。それが、音を立てて崩れてしまったのです。これから先は国家間の紛争を武力で解決しても構わないという、大きな世界思想の変化が起きつつあります。

佐藤氏の指摘は明らかにおかしい。佐藤氏は(今回のロシア軍によるウクライナ侵攻で)「国家間の紛争解決に武力を用いない」という建前の国連憲章が音を立てて崩れてしまったのです、と言っている。

しかし、国連憲章制定後で、国家間の紛争解決に武力を用いた例は今回が初めてではない。米軍のベトナム侵攻、アフガニスタン侵攻、イラク侵攻がある。米国は第二次世界大戦後、国家間の紛争解決に最も武力行使をしてきた国である。

なぜ佐藤氏は、この事実を指摘しなかったのだろうか?

理解に苦しむが、次の記述も大袈裟に思われて仕方がない、というよりもむしろ滑稽でさえある。「それが、音を立てて崩れてしまったのです。これから先は国家間の紛争を武力で解決しても構わないという、大きな世界思想の変化が起きつつあります。」

米軍のベトナム侵攻、アフガニスタン侵攻、イラク侵攻以来、国連憲章の理念はすでに音を立てて崩れてしまっているのである。その引き金を引き続けたのが米国である。