沖縄よ! 群星むりぶし日記

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核戦争に至る危険な台湾有事

21世紀を生きる人間は誰でも、複数の国が核爆弾を所有している現状を十分に認識している。しかし、多忙な日常生活に追われる多くの国民は、核戦争が実際に起きるなんて夢想だにしないだろう。

核戦争が勃発すれば、世界は終わってしまう。だから起きるはずがないし、起きて欲しくないと誰もが願っている。国民の大多数の感覚は、具体性を欠く漠然としたものだ。

国民から遠い政治の中でも特に軍事は秘密事項が多い。戦争を決断するのは、行政の中枢を占めるごく少数の政治家と高級官僚たちだ。政治システムがそうなっている以上、仕方がないと言えばその通りだが、この時、政治と国民の距離は、通常より限りなく遠く離れる。

国家の存亡は、政治のトップと軍人の上層部に委ねられる。彼らの意思と決断が国土の保全と国民の生命を左右する。いつの時代も、戦争は国民の手に負えない異常事態だ。歴史は繰り返しこの異常事態を積み上げてきた。積み上がるごとにその規模は拡大、巨大化していった。

第一次世界大戦が終わった後、世界各国は第一次大戦で使われた軍事兵器の性能と破壊力を遥かに上回る新兵器の開発を競った。それらの新兵器群は第二次大戦で次々と使用された。

広島と長崎に投下された原子爆弾は、歴史に初めて登場した凄まじい破壊力を持つ最終兵器と呼ばれる爆弾である。そして歴史は繰り返す。世界各国は原爆開発に突入、更なる性能と破壊力を持つ原爆製造を競うようになる。

その結果、今では次のような国が核兵器保有するようになった。米国、ロシア、中国、英国、仏国、インド、イスラエルパキスタン北朝鮮

これらの国が持つ核兵器全てを一斉に発射すれば、地球に生息する生命体を複数回全滅させることが可能だという。実に狂った話である。しかし、人類は明らかに狂った話を自らの手で紡いで見せたのだ。

前置きが長くなったが、とりあえず何が言いたいかと言うと、戦争を準備する軍事兵器の開発に対して、世界の国民は一切手出しができないということ。世界の政治システムがそうなっているからだ。

しかし、世界各国の市民の努力の成果として、核兵器禁止条約が今年の1月22日から実施されたではないか、と反論する人がいるかも知れない。

確かにその通りだ。しかし、その実効性には大きな疑問点がある。まず第一は、核保有国は批准していないこと。第二は、批准する国は「いかなる状況においても、核兵器またはその他の核爆発装置を開発、実験、生産、製造、その他の方法で取得、保有、または保管してはならない」と宣言していることだ。

つまり端的に言うと、この宣言文は、すでに核兵器保有している国の既得権益を保証しているに過ぎないのである。しかも批准する国に対して、核爆発装置の開発、実験、生産、製造を禁止すると釘を刺しているのである。核保有国は泣いて喜んでいるだろう。

国際情勢が将来どう変化するか誰にも分からない以上、日本が批准国にならなかったのは正解であり賢明であったと言える。この点については日を改めて論じることになるかも知れない。

さて緊迫する台湾情勢はどうなるだろうか。毛沢東の信奉者、習近平は、この件に関してあくまでも強気で、必ず台湾を統一すると公言している。平和的統一を目指すが、武力行使もあり得ると言う。対する台湾の蔡英文総統は、中国の脅しには屈せず「現状維持」を堅守する姿勢を崩していない。そして最悪のシナリオに備えて軍備力の増強に余念がない。

台湾を支持する米国は、中国の露骨な発言と行動に危機意識を強めている。そして台湾有事に際して軍事力の行使も厭わない姿勢を示している。この点、バイデン政権はトランプ政権を引き継いでいるようだ。バイデン政権は本気だと信じたい。

今や幾人もの軍事専門家・評論家が台湾有事のシュミレーションを描いているが、肝心な点を除けば、そんなものはどうでもいい。

日常化した尖閣諸島への領海侵入、香港の民主主義破壊、ウイグル人に対するジェノサイド。これらの蛮行に対する各国からの非難を、内政干渉だと完全無視して強行する狂人・習近平

彼の自信を裏付けるのは、中国の凄まじい経済発展だ。有り余る金の力で軍事力を近代化し増強してきた。今や西太平洋における軍事バランスは、米国より中国が優位だという軍事専門家の分析さへある。

用意周到。短期間にここまで来た独裁政権、まさに恐るべし!

中華による世界制覇を夢見る狂人・習近平は必ず台湾に武力侵攻する。習近平がこれまでとってきた行動を解析すると間違いなく台湾統一に駒を進める。台湾を併合することは、世界制覇を達成する上で絶対に欠かせないからだ。

数年内に台湾有事は、予期せぬ事態(狂人・習近平の失脚、あるいは暗殺)が起きない限り、必ず勃発する。必然、中国と米国は軍事衝突する。超大国の激突は、歴史が繰り返し我々に見せたように、第二次世界大戦を上回る最強兵器が使用されるだろう。

最新式の核兵器が飛び交うことになる。夢想に耽ってはいけない。現実を直視せよ。