沖縄よ! 群星むりぶし日記

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日本共産党は党綱領を変えた方が良い

れいわ新選組立憲民主党共産党社民党の4党は8日、民間団体「市民連合」による「野党共通政策の提言」を受け取り、合意の署名を行った。

目前に迫った衆議院選挙に向けての野党の「政策協定」の第一歩となるものだが、国民民主党は参加しなかった。理由は共産党自衛隊否認と天皇制の(間接的)否定にある。28回党大会(20年1月)で採択された共産党党綱領にこの2項目がどのように規定されているか、その内容を見てみよう。

https://www.jcp.or.jp/web_download/2020/02/2020-manifesto.pdf

12](国の独立・安全保障・外交の分野で)

3.自衛隊については、海外派兵立法をやめ、軍縮の措置を取る。安保条約廃棄後のアジア情勢の新しい展開を踏まえつつ、国民の合意での憲法第9条の完全実施(自衛隊の解消)に向かっての前進をはかる。

    (憲法と民主主義の分野で)

11.党は、一人の個人が世襲で「国民統合」の象徴となると言う現制度は、民主主義および人間の平等の原則と両立するものではなく、国民主権の原則の守備一貫した展開のためには、民主共和制の政治体制の実現を図るべきだとの立場に立つ。天皇の制度は憲法上の制度であり、その存廃は、将来、情勢が熟したときに、国民の総意によって解決されるべきものである。

海外派兵立法(安全保障関連法)をやめる、安保条約を廃棄する(占領軍である在日米軍には撤退してもらい、対等で平等な日米平和条約を新たに締結する)ことには賛成である。

しかし、憲法第9条を完全実施して自衛隊を解消するとは非現実を通り越して狂気の沙汰としか思われない。外国の侵略に対して国民の命を守るためには最低限の国防力(軍隊)は必要不可欠である。どの家庭にも施錠の備えがある。家族の命と財産を守るためだ。

それとも志位委員長、或いは共産党幹部の方々は、昼夜問わず家に施錠しないで眠りにつくのだろうか? 否々、一般家庭よりも厳重な施錠を施しているに違いないのだ。仮に施錠していないとすれば、共産党の主張は大いに称賛されるだろう。しかし現実はそうではないしそんな甘いものではない。

確かに自衛隊の存在は9条違反だ。となると9条を変えるか自衛隊を解消するか、という二者択一の問題が生じる。歴代の政府はこの問題を戦後ずっと今日に至るまで、のらりくらり誤魔化してきた。政府だけではなく全ての政治家が惰眠を貪ってきたせいだ。それだけでも非常に大きな問題だが、日本共産党は9条の完全実施を選択し自衛隊を解消する道を選んだ。亡国への道まっしぐらである。

これでは家に施錠して用心する一般大衆の支持を得ることは不可能だろう。大多数の国民の常識とあまりにもかけ離れ過ぎているからだ。共産党の支持が伸び悩む大きな原因の一つはここにある。では天皇制についてはどうだろうか。

天皇制は民主主義および人間の平等の原則と両立しないので、民主共和制を実現し、将来、国民の総意によって存廃を決めるべきだ、というのが日本共産党の主張である。間接的天皇制廃止論とも読める。

一政党としての共産党の見解として受け止める必要はあるが、問題は天皇制廃止に対して国民は同意できるか、である。結論を先に言うと、できない、が答えだ。千年先のことは分からないが、これから百年先二百年先、日本国民の間から天皇制廃止の声が湧き起こるような事態を想像することは非常に困難である。国民が皇室に対して尊崇と敬愛の情を抱く現状を考えると、天皇制廃止は非現実的であり、恐らく未来永劫、無理である。

何故、皇室は国民の間でかくも人気があるのか? それは日本の歴史を見ればわかる。古代神話の時代から日本が国として姿を現し始めて以来、天皇は常に国土と民の安寧と繁栄を祈る中心に居られた。皇室の精神風土と文化は代々子孫に受け継がれて各地に伝播していった。

古事記』『日本書紀』『万葉集』『源氏物語』等、そのことを証明する資料は数多く存在する。日本の天皇は外国の君主と違い、政治的に絶対的権力を行使したことは一度もない。上層部での熾烈な権力闘争はあっても、天皇の命令で民が虐殺された史実はどこにも存在しない。

明治憲法下における天皇立憲君主であり、内閣が決めた事案には不満はあっても容認せざるを得ない立場にあった。意見は述べても命令することはできない。絶対君主と根本的に違うところだ。国民はそのことを十分理解していたから、敗戦後、天皇人間宣言をし全国巡業された時も暖かく迎え入れることができたのである。

皇室は常に徳高きご存在として民衆の間に浸透し定着している。皇室と国民の間には損得勘定という世俗的関係は存在しない。皇室と国民は純粋な絆で結ばれている。皇室は国民の宝であり、国民は皇室の宝である。古代より続く長い伝統を考えると、これは世界の奇跡と言えるだろう。

日本は議会制民主主義国家だ。その中に天皇制がある。何の問題もなく国家は運営されている。但し問題があるとすれば、それは政治のあり方だ。世俗的欲望が渦巻く世界とはいえ、今の政治の乱れようはあまりにも不甲斐ない。

話を元に戻す。共産党天皇制廃止論は外来思想にかぶれた少数の過激派にしか受け入れられないだろう。国民の支持が得られるなどと夢夢思わない方が良い。千年経っても無理である。

さて結論。日本共産党よ、党綱領の中の自衛隊解消と天皇制廃止論を変えよ!9条を廃止して自衛隊を容認し、天皇制を認める方向に方針転換すること。この二つを成し遂げることができなければ、永遠に少数野党から脱皮することは不可能だろう。