安倍首相「日本はもう終わりだ」というバナー広告の真実とは?
ネットを閲覧していると『安倍首相「日本はもう終わりだ」』というバナー広告が頻繁に出てくる。その枠内に<「国民が貧しくなったのはあの黒幕の仕業」総理が告白、政策の決定の黒幕とは>あるいは<戦後最悪のGDP、国民賃金は下がる一方総理が告白、政策決定の黒幕の正体>という短い文章が付いている。
気になってクリックすると広告主は三橋貴明であることが分かった。三橋氏は2017年12月12日に安倍首相と会食する機会があった。下の写真はその時の様子を写したもので、藤井聡、西田昌司の姿も見える。
その中で三橋氏は次のように書いている。
「どうしても、私だけでは難しい部分がある。協力して欲しい。この会食を通して、そんな声を受け取ったように感じた。そして、総理が今最も苦戦しているのは、ある3つの敵がいるからだ..と打ち明けてくれた。
1つ目:この勢力は、何をやっても「常に安倍総理の敵」であるとのこと。森友問題や加計学園問題などのリークをしてあらゆる形で安倍総理を引きずり降ろそうとしています。
2つ目:この勢力のせいで、日本は欧米から食い物にされ、日本の格差はどんどん広がっています。
3つ目:この勢力は、あらゆる政治家や官僚に根回しをしていて非常に厄介だと言います。この敵こそ最後の任期でなんとかして、“彼らによる洗脳”を解き、日本を正しい方向へ導きたいと・・
これらの3つの敵とずっと戦ってきたが、中々手強く、総理もここまでとは思っていなかったようである。」
これが事実なら、現役の総理大臣としては抜き差しならない爆弾発言に当たる。間違いなく大事件というべきだろう。三橋氏はその真相を明らかにするために一冊の本を書いた。『日本経済2020年危機』がその本である。
できるだけ多くの人に読んでもらう目的で、通常価格1980円のところを僅か550円で提供したいという。一般書店には置かない方針らしい。
早速申し込みの手続きをしたが、クレジットカード決済のため断念せざるを得なかった。故に、三橋氏が本に書いている中身については知る由もない。
ただぼくは、三橋氏のブログや三橋TVを通して、三橋氏の経済論はよく知っているつもりだ。多くのことを教えてもらっていると感謝している。
だから本の内容よりも、上の安倍首相の発言に的を絞って考えてみたいのだ。そして考えれば考えるほど実に不思議なのである。
安倍総理が勝てない政府内に蠢く3つの敵とは一体何者であろうか?行政権のトップである総理大臣の権限は絶大である。その総理を常に引きずり降ろそうとする勢力、あらゆる政治家や官僚に根回しをして、洗脳する力を持つ黒幕としての勢力。
安倍首相はこれら3つの敵とずっと戦ってきたが、中々手強く、ここまでとは思ってもいなかった。
それで悩んだ末に、会食という形で三橋氏に告白をした。そして三橋氏は<どうしても、私だけでは難しい部分がある。協力して欲しい。この会食を通して、そんな声を受け取ったように感じた。>と受け止めた。
三橋氏は嘘をつくような人間ではない。だから三橋氏に語った安倍首相の発言は本当のことだろう。問題は、安倍首相のその後の行動である。ご存知のように、三橋貴明、藤井聡、西田昌司各氏は、消費税減税、反緊縮財政派であり、積極財政を主張する点で一致している。
その三氏に対して、安倍首相は間接的な言い回しで協力を要請した。3つの敵と対抗するために。しかし、安倍首相が実際にやったことは、三氏の主張と全く相入れないものだった。
会食の2年後、2019年10月に安倍首相はなんと消費税を10%に引き上げたのである。会食での発言は一体なんのためだったのか?この事実から浮かび上がってくるのは、安倍晋三という男の不誠実さである。覚悟のなさである。言葉の軽さである。
だから三橋氏も藤井氏も、会食後の安倍晋三の行動に対して激しい憤りをもって批判し続けているのだ。3つの敵発言は結局のところ、安倍晋三の無責任な”お遊び”でしかなかったのだ。
もし安倍が言うように、内閣より強力で日本を弱体化する3つの敵が政府内に存在すると言うなら、なぜ彼らと命懸けで徹底的に戦わないのだ?
総理大臣の権限は絶大である。内閣人事局をはじめとして、戦うための武器はいくつも揃っているはずだ。そして会食でこそこそ告白めいたことを言うのではなく、実際に3つの敵と戦っている姿を国民の前に示せば良い。
そして記者会見で3つの敵の存在を堂々と指摘して、このままでは日本がダメになる、どうか国民の皆さん、この3つの敵を倒すために、安倍内閣と共に戦ってもらいたい、と訴えれば良いではないか。
国民はバカではない。国際的にみても教育水準は高いし、民度も成熟している。一国の首相が悪の勢力と真剣に戦う意志を示し、国民に協力を訴えれば、絶対的多数の国民は首相を熱烈に支持するだろう。安倍人気は、間違いなくうなぎ登りになる。
しかし、安倍晋三はそうはしない。と言うよりもできないのだ。器が空虚だから、自らの意思を貫徹することができず、取り巻きの一番声の大きい意見を採用するのである。
8年間の安倍晋三の軌跡を見ると明らかである。3つの敵と戦うどころか、8年間で日本を破壊してきた張本人である。戦後レジュームを見事なまでに完成させた人間が安倍晋三である。
総理大臣を辞めた後、彼を待ち受けるのは、「桜を見る会」で犯した公職選挙法違反、政治資金規正法違反である。東京拘置所が今か今かと待ち受けている。8年もの長い期間にわたって、これほど日本国を破壊した安倍晋三の罪は深くて巨大である。
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