内戦へ向かうアメリカ
米民主党の信じられないような政治が、今、アメリカを大きく揺さぶっている。2014年にカリフォルニア州で制定されたProposition 47という法律で950ドル(約14万円)以下の窃盗は軽犯罪で逮捕されないことになり、ロサンゼルス、サンフランシスコなど大都市で万引きが常態化し、大手店舗が次々と撤退して街の景観は今までと大きく異なる惨状となっている。民主党が強い州の大都市の多くも同じような酷い状況にあるらしい。
さらに違法移民という大きな問題がある。トランプ前大統領はその危険性をよく認識していたために、違法移民を止める目的でメキシコとの国境沿いに巨大な壁を建設した。しかし大統領選に勝ったバイデン氏は、何を血迷ったか、壁建設を中止して違法移民を際限なく受け入れると宣言した。その結果、バイデン政権になって以来これまでに700万から1000万人の違法移民がアメリカ国内に流れ込んだと言う。しかもノーチェックだから中には犯罪者、ギャング、テロリストが多数紛れ込んでいると言う情報がある。
まるで悪夢のようなバイデン政権の移民政策だが、これに怒って異議を唱えているのがテキサス州のアボット知事である。地元に違法移民を留めることをせずアボット知事が取った方策は、大型バスに違法移民たちを詰め込んでニューヨーク州へ送り込むことだった。おかげで、ニューヨーク州は違法移民で溢れかえって州財政は破産状態になっている。
今のアメリカは共和党と民主党の対立がかつてないほどに深刻らしい。それで共和党のアボット知事が違法移民に寛容な民主党のニューヨーク州に彼らを送り込んだ理由が理解できる。それでもバイデン大統領は強気で、移民政策を変える気はないらしい。そして今、合衆国政府とテキサス州政府との間で武力衝突の危険性が囁かれるところまで来た。テキサス州だけではない。犯罪多発とモラル崩壊、そして違法移民問題が絡んで、アメリカ全土が不穏な雰囲気に包まれているのだ。この実情を捉えた映画『Civil War』が4月26日に公開される。予告編の動画を下に貼り付けたが、内容を簡単に紹介すると「米国50州の内、19州が合衆国からの離脱を宣言し、テキサス州とフロリダ州、そしてカルフォルニア州では不穏な反体制派の勢力が結成され、分断の危機に直面したホワイトハウスが、沈静化を目指して軍隊を出動させ、米軍が米国を攻撃している内戦のカオスを描いた」衝撃の問題作。
上映が待ち遠しい思いだが、当ブログの読者には是非「沈黙の艦隊」もご覧頂きたい。日本とアメリカ合衆国の将来を考える時、この二つの作品は深く響き合っているからだ。「沈黙の艦隊」を希望とするなら「Civil War」は地獄そのもの。果たして現実はどう動くだろうか?