沖縄よ! 群星むりぶし日記

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「断言する。これは殺人事件だ。それを”事件性がない”と言うのは、被害者が可哀想だ」佐藤誠元警部補の記者会見

昨日13時から行われた佐藤誠警部補(当時)の記者会見の様子をユーチューブで見た。その後、間もなく、何名かのユーチューバーが記者会見に対する感想を述べる動画を配信した。真相に迫るためには、できるだけ多くの情報に接することが必要で、時間が許す限り、それらの動画も見るようにした。

いわゆる「木原事件」と呼ばれる今回の木原郁子(木原誠二官房副長官の妻、週刊文春ではX子とされている)の元夫・安田種雄(享年28)の不審死をめぐる疑惑解明は、佐藤氏の記者会見を機に大きく進展すると思われる。しかし、それでもまだ多くの疑問が残されたままだ。

その数多い疑問の中でも一番大きなものは、捜査の再開が果たして可能なのかどうかである。と言うのも、露木康浩警察庁長官は、7月13日の定例会見で「証拠上、事件性が認められないと警視庁が明らかにしている」と述べているからだ。

殺人ではなく自殺と認定しているのである。この発言に佐藤元警部補が怒った。現場担当に指名されて捜査に本腰を入れ、自殺ではなく殺人との確証を得て、これから佳境に入ると言う時に突然、上司から捜査打ち切りを宣告されて、無念の思いを引きずったまま退職した佐藤氏にとって、露木長官の発言は、古傷に塩を塗り込む酷い仕打ちに他ならなかった。

この発言が直接の契機となって、佐藤氏は文春のインタビューを受ける決意を固め、さらに実名で記者会見に応じるという公務員法に触れる恐れのある賭けに、あえて打って出たのである。ここは佐藤氏の勇気ある態度に拍手を送りたいところだが、問題は、如何せん、警察庁長官の発言は重いと言う現実がのしかかる。

再捜査の壁は厚いだろう。数多い問題のもうひとつは、殺人を確定する証拠が未定のまま、捜査が打ち切られたという経緯がある。そして実は、この問題に関連する問題が、この事件の最大の問題であることを指摘したい。

つまり、なぜ捜査段階の途中で捜査中止の指令が上層部から下ったのか、という問題である。この点が「木原事件」の核心部分と言って間違いない。ここが解明されなければ、この事件は永久に闇の中に閉じ込められたままで終わるだろう。 

仮に捜査がそのまま継続していたら、敏腕刑事として名の通っていた佐藤氏のことだから、きっと犯人を確定できたに違いない。上層部はそれを恐れた。木原郁子(X子)と深い繋がりのある人物が犯人(その可能性は高い)だとすれば、夫である木原誠二の政治家としての経歴に傷がつき、取り返しのつかない事態となることが予想される。それは同時に政権の存立にも大きく影響するはずだ。

だから犯人が確定される前に、捜査を打ち切りにした。そのように解釈しない限り、この事件の不可解さを説明することは不可能である。

恐らく、今の政治の腐敗ぶりからして、今後、再捜査の許可が降りることは、ほぼないだろう。そして恐らく、警察の上層部と政権の中枢部がグルになって情報漏洩に対する徹底的な組織的締め付けが計られるはずだ。となると、この「木原事件」の舞台は、権力側と文春取材班との闘いの場となることがいよいよはっきりする。

捜査中止の指令は、いったい誰が出したのか? 

木原誠二の関与はあったのか? あるいは露木長官の独断だったのか? その解明が非常に大事になってくる。 都合の悪い事件は、なんであれ権力にものを言わせて握り潰す。権力者たちのこのような理不尽な横暴を決して許してはならない。このままだと、佐藤氏が言うとおり、被害者が可哀想である。民主主義の危機である。

頑張れ、文春取材班!