久しぶりに新都心に向かうバスに乗り、国際通り商店街を見て驚いた。５割を超える店がシャッターを下ろしている。目を疑いたくなるような恐ろしい光景だ。見るたびに閉店に追い込まれる店が増えている。信じたくないが、目の前に広がる現実である。
COVID-19（武漢ウイルス）に襲われる前の賑わいを知っているだけに、今の寂れた様子を見ると異空間に迷い込んだような気持ちになる。このまま推移すれば、年末年始にかけてさらに深刻になるのは間違いないだろう。国際通りがシャッター街に変貌する恐れさへ出てきた。
詳しく調べたわけではないが、多分、同じような光景が全国各地で展開されているのではないだろうか。
こうなった責任は、当然、政府の無策にある。COVID-19（武漢ウイルス）を災害指定しなかった安倍内閣の無能が国民をこうも苦しめているのだ。COVID-19（武漢ウイルス）を自然災害とみなして、災害対策基本法を迅速に適用していれば、これほど酷い状態にはなっていなかったはずである。
災害対策基本法の適用に対して、津久井進弁護士（兵庫県弁護士会）が中心になって提言している。その記事についてはこちらを参照＝https://toyokeizai.net/articles/-/345817
その記事によると、 災害対策基本法を適用すれば、次の３つの支援策が可能となるらしい。
① 市民に自宅待機を求めることができる
② 「警戒区域」を設定することで立ち入りを制限することができる
そして自宅待機する市民に対する生活等の支援が可能となることを考えれば、国民がこれほど苦しむ必要はなく、感染拡大も防ぐことができたはずである。なのに何故、安倍内閣は東日本大震災を災害指定したのにCOVID-19（武漢ウイルス）を災害指定しなかったのか？
理由は単純明瞭だ。それは支出する金額の違いにある。大震災は一部地域に限定されるのに対して、COVID-19（武漢ウイルス）は全国規模だから莫大な財政出動を覚悟しなければならないという理由である。
そこに財務省の省是が立ちはだかる。これ以上の新規国債発行は、財政破綻を招く！結局のところ財務省をコントロールできない安倍内閣は、当然、COVID-19（武漢ウイルス）を災害指定できない。莫大な財政出動ゆえに。
先日も書いたように、財務省の権力は絶大であり、総理大臣といえども本気で抑えようとすると火の粉が自身に振りかかり、大火傷を負いかねないからである。
さて、報道によると、次期総理大臣は菅義偉でほぼ決まったようだ。自民党内の各派閥から６割以上の支持を取り付けたらしいから、ほぼ確定だろう。そのためか、昨日の記者会見は自信溢れる立候補表明だった。その記者会見で、菅氏は、安倍政治を踏襲すると明言した。
官房長官として７年８ヶ月も安倍政権を支えてきたのだから、当然と言えば当然と言える発言だが、しかし、彼は公文書偽造、隠蔽、廃棄処分等に関する対応策を、官僚に直接指示した当事者である。その意味では安倍晋三以上に保身のために権力を行使してきた政治家だ。
安倍晋三が空虚な器なら、菅義偉は脅しの巧者である。翁長雄志（故人）前知事とハーバービューホテルで会談した時の様子を今でも覚えている。菅氏の脅しはなかなかの迫力があったが、正義はなかった。押しつけ同然の脅しである。
同じような調子で官僚の手綱を引いてきたのだろうが、果たして財務省にどの程度通用するかどうかとなると大いに疑問である。各省庁間の縦割り行政をぶち壊すと彼は明言した。是非そうしてもらいたいものだが、期待はしない。
「辺野古が唯一」と言う菅氏には柔軟な思考力はない。ある程度結論が決まったら貫徹あるのみ。決断と実行。それ自体は素晴らしい。しかし、方向が間違っていたら、これほど恐ろしい政治理念はない。間違いに気づいたら、あるいは指摘されたら真摯に反省し、軌道修正する姿勢が必要である。
しかし、官房長官としての彼の仕事ぶりを観察して言えることは、彼にはそう言う姿勢が欠けていると言うことだ。総理大臣に指名されたら、間もなく国会審議が始まる。野党の厳しい追及を受けて、そのうち脅し巧者としてのボロが出るだろう。
そして、安倍政権を踏襲すると明言した以上、プライマリーバランスを基礎とした経済運営を進めることになるのだろう。デフレ下において消費税を１０％にあげて消費を落ち込ませた責任の反省もなく、空疎な強がりで自己正当化するに違いない。菅義偉は紛れもない、安倍晋三の共犯者である。
推奨サイト
