沖縄よ! 群星むりぶし日記

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玉城デニー候補が負ける要素が見当たらない

いよいよ明日、県知事選の投開票が行われる。ぼくの予想では玉城デニー候補の勝利は揺るがない。どう考えても負ける要素が見当たらないからだ。

佐喜真候補は統一教会との関係が明らかになって苦戦しているし、彼の支持者の一部は下地候補に投票するはずで、今のところ2重苦に板挟みになっている状態だ。そんな現状での逆転劇は考えられないし、あり得ないだろう。

4年前の知事選の時も酷かったが、売国保守層からの玉城候補に対する度を超すような今回のデマ攻撃は明らかに逆効果で、良識ある県民の反発を招くだけだろう。

さて、4年間の玉城県政を総合的に評価するとすれば、100点ではないが、合格点をつけて良いと思う。確かに何度か失言はあったが、県民生活に直接影響を及ぼすほどのものではなかったし、長引くコロナ禍で公約の実現に向けてよく踏ん張ってくれたと思う。

そしてその間の自公政権による理不尽な締め付けも指摘しておく必要がある。自公政権は地方交付金を年々削減してきた。辺野古新基地建設に反対しているという理由だけで交付金を削減するという自公政権の露骨な嫌がらせは、日本の民主主義が未熟であることを政府が自ら公言するようなものだ。

地方に潤沢な資金を供給して地方を豊かにすべきなのに、自公政権は政府に楯突く玉城県政憎しとばかりに削減してきたのだ。まるでヤクザ顔負けの恫喝政治であり、先進諸国の民主主義とは遠くかけ離れている。

しかも佐喜真候補は、この政府の仕打ちを材料にして玉城県政による県政不況だと訴えている。そして自分が知事になれば、中央とのパイプを活かして、1000億円手当すると公約する始末だ。県民をバカにするのもいい加減にしろ、と言いたい。県民の心を金で逆撫でするな!

さて、ここまで書いて迷いが生じた。17時から玉城デニー候補と上原カイザ県議候補のラストスパート決起集会が県庁前広場で予定されている事がわかり、行こうかどうしようか迷っている。時計と睨めっこしながら、やはり行くことに決めた。

パレット久茂地の後ろでタクシーを降りて、県庁前広場に向かって歩く。パレット久茂地の車道側には既に大勢の人が集まっている。その間を歩きながら独特な熱気を感じる。車道の向こう側、県庁前広場側には演壇になる大型の選挙カーが停まっていて、玉城候補と上原候補の名前が書かれた大きな垂れ幕が掲げられている。演壇がよく見えるように車道の近いところに立つ。

間もなく玉城候補が乗った車両の到着を告げるアナウンスが流れると、聴衆の間から大きな拍車が起きた。車両はぼくがタクシーを降りた方向から来て、信号を右折して滑るように大型車両の前に止まった。玉城候補が演壇に登るとまた大きな拍手が起きた。この熱気は、やはり選挙ならではのものだ。

進行役の女性アナウンサーが各政党の5党首も来ている旨告げる。これにはビックリした。予想していなかったからだ。ということは山本代表もきているのかしらと、目で探していると、それらしき人物がいた。ポロシャツとカーゴ半パンツという一番ラフな格好の人物。マスクをして顔ははっきり見えないが、山本代表に違いない。嬉しくなった。来て正解だった。

最初に登壇したのは立憲民主党の泉代表。期待以上に素晴らしい演説だった。力強く声に張りがあり、内容も素晴らしいものだった。2番手は日本共産党の志位委員長。やや疲れ気味で迫力に欠ける。次に登壇したのは山本代表。やはり一番ラフな格好の人物だった。彼らしい。ひときわ大きな拍手が沸き起こった。ここ沖縄でも人気がある証拠だ。

そして演説の内容は、5人の党首の中で最も要点をついた素晴らしく感動的なものだった。途中雨が降ったが、大降りになる前に数分で止んでくれた。ずっと曇り空で心配だったが、大事に至らず良かった。

福島社民党党首が続いて登壇。いつ消えてもおかしくない小さな政党を率いて頑張る姿には敬意を表したい。玉城デニー候補の応援に来てくれて、本当にありがとう。福島党首の演説の途中、山本代表の姿が消えた。多分、宜野湾市に向かったに違いない。れいわ新選組公認のプリティ宮城ちえ候補の最後の応援演説へと飛んだのだ。時間的にハードすぎるスケジュールだ。選挙は武器を持たない戦争と言われる理由がよくわかるような気がする。

最後に登壇したのは、社会大衆党の高良哲美委員長だ。社会大衆党は沖縄の地域政党である。70年前に結成した歴史ある政党で今日まで存続しているのは、やはり沖縄には本土には見られない独特の歴史と文化がある証と言える。

さていよいよ候補者の登場である。まず上原候補が登壇した。一番歳が若いにも関わらず演説は上手い。大いに期待できそうだ。

一時間以上も立ったままだと、さすがに疲れてくる。しかし、今日の主役玉城デニー候補の登壇で疲れは吹き飛んだ。聴衆の間からひときわ大きな拍手が湧き上がる。

玉城デニーは掛け値なしに演説がうまい。中身がしっかりしていて、決して表層的にならないのは、自分の頭で考えに考えた結果、思想が整理されて明瞭な形を伴って言葉が出てくるからだ。

さて、7人の登壇者の演説を聞いて分かったことは、全員の主張が2つの点において、共通しているということである。ひとつは、辺野古新基地の建設は不可能であること。県民の民意は26年前から反対が常に過半数を超えているという事実。そして軟弱地盤の存在が技術的に工事を不可能にしているという事実。

そしてもうひとつは、反日カルト教団統一教会と長い付き合いのある佐喜真淳を絶対に県知事にしてはならないということ。

この二つの共通項を聞く事ができただけでも、無理して来た甲斐があった。明日の開票が楽しみだ。