今、午後二時四十五分。パレットくもじ一階のモスバーガー店でキーボードを叩いている。小泉進次郎の演説を聞きに来たのだ。午後二時少し前、県庁前のバス停を降りると、既に県庁前広場とパレットくもじ側には大勢の人が集まっていた。
横断歩道を渡り、パレットくもじ側の日陰の適当な場所を探して陣取ることにした。独特の熱気を感じる。運動員はじめ、本土の人間が多いような感じだ。何割位が観光客だろうか、よくわからない。なんだか東京にいるような雰囲気がする。
大きな選挙カーに佐喜真候補と小泉進次郎の姿はまだ見えない。佐喜真候補の政策が書かれた真ん丸のうちわらしき物を運動員が配っている。一枚頂いた。「県民の暮らしを最優先に」という例のキャッチフレーズが大きな文字で書かれている。洗練されたレイアウトに真実の情報に疎い人は騙されるに違いない。
若い人の応援演説に、聴衆が威勢良く反応する。昨日の「うまんちゅの大集会」とは違う独特な力強い熱気を感じる。しかし、あくまでも表面的なもので、心に響くことはない。
しばらくして佐喜真候補と小泉進次郎が登壇した。佐喜真候補が先に話し始めた。声は大きいが中身は空疎、右手を上げたかと思うと、左手を上げる動作を繰り返す。パレットくもじ側を向いたかと思うと反対側を向いて話す。とにかく忙しい男だ。節操のないおっちょこちょいな性格がよく表れている。
背景には県庁の建物がどんと建っている。こんな男があの建物の知事の椅子に座る姿を想像するとゾッとする。彼は、宜野湾市長時代に学校の給食費を無料にすると公約して、なんと値上げしたのだ。普天間飛行場跡地にディズニーランドを誘致すると公約しながら、当選するとその件について一言も触れず、知らん顔。
つまり、公約を破って平気でいられる図太い神経の持ち主なのだ。それだけではない。『Osprey Fuan Club うようよ対策課』がすっぱ抜いたように、日本会議のメンバーであるにもかかわらず、日本会議のホームページから佐喜真淳のページが忽然と消えたのだ。さらに、彼が顧問を務める沖縄県日中友好協会のウェブページが消えたと言うのだ。
当然、県知事選挙に不利になることを見越しての対応である。詳しいことは是非『Osprey Fuan Club うようよ対策課』をご覧いただきたい。
こんなデタラメ不誠実極まりない人間を、絶対に沖縄県知事にしてはならない。もう一つ付け加えると、彼は、あの嘘つき常習犯・ボギー手登根(手登根安則)とつながりを持っている!何をか言わんや、開いた口が塞がらない!
彼が喋り終わっていよいよ政界の人気者、小泉進次郎にマイクが回って来た。確かに彼は聴衆を引き込む話術に長けている。誰しも認めるところだろう。ぼくもそう思う。しかし、寄席の面白さとさして変わらない内容で、考えようによっては、聴衆を馬鹿にしているとも言えるのだ。
今回の知事選に真剣でない人間なら小泉進次郎の話は受け容れられるだろう。しかし、真剣に向き合っている人にとって、小泉氏のうわっ滑りの演説はあまりにも不誠実だ。沖縄問題を真正面から論じたければ、小泉ジュニアよ、もっと沖縄の歴史と向き合う勇気を持て、と言いたい。
彼の話を最後まで聞く必要はない。丸いうちわを抗議を込めて破いてやろうか、と考えたが、せっかく頂いたものだから、それは失礼になると思い直し、四分の1に折りたたんでバッグの中に収めた。そしてさっさとモスバーガー店に入ったのである。スピーカーのボリュームが大きいため、店の中でも小泉ジュニアの声が聞こえて来る。今日の演説の主役は小泉ジュニアであり、佐喜真候補ではないことははっきりしている。
多くの聴衆は、明らかに政界の人気者・小泉ジュニアを見に来たのだ。中央の政界から応援弁士を迎えて主人公の役を担わせる。こんな情けない佐喜真淳を絶対に沖縄県知事にしてはいけない。
しかし、とは言っても今回の知事選は非常に厳しいものがある。何故なら安倍・菅コンビは何がなんでも勝利すべく必死になっているからだ。大量の人と金を中央から湯水のように送り込んでいる。翁長知事の遺志を引き継いだ玉城デニーを完膚なきまでに叩き落とすためにあらゆる手を使って襲いかかっている。
期日前投票が去年の倍、三倍に上がっているとマスコミは報道している。これは佐喜真陣営が組織に物を言わせて有権者を虱潰しに説得しているためだ。
そこで、無党派(ぼくもその一人)の皆さんに呼び掛けたい。期日前投票に出かけて我らの玉城デニー候補に魂の一票を入れよう!
天気予報によると、投票日前後に強烈な台風が来る恐れがある。天候のせいで投票に行けなくなることがないように、是非期日前投票に行って欲しい。ぼくは既に18日に投票を済ませた。
なまからるやんどお、ちばらなやーさい。