政権を担う自民党は、中国共産党に対して臆病過ぎるくらい弱腰だ。特に尖閣諸島の領有権をめぐる問題に関して、自民党の弱腰姿勢は顕著である。対照的に野党の日本共産党の方が強硬であり、名指しで正々堂々と中国共産党を痛烈に批判している。
『週刊ポスト』による志位和夫委員長のインタヴューを受けて「NEWSポストセブン」が記事にした。
この記事を読むと、尖閣問題に限って言えば、日本共産党に政権を担って欲しいものだ、と誰もが期待するのではないだろうか。志位委員長は次のように述べている。
「私たち日本共産党は、節目節目で中国政府に対して直接ものを言ってきました。私自身が発言したものだけでも、チベット人の人権問題、(民主化運動でノーベル平和賞を受賞した)劉暁波氏の投獄問題、南シナ海や東シナ海での覇権主義的行動、香港やウイグルでの人権抑圧など、問題が起きるたびに、是正を求めてきました。しかし、彼らは批判を受け入れる様子がない」
「尖閣諸島の問題は、1972年に当時の田中角栄首相と周恩来首相が日中共同声明を出すにあたって議論をしています。その際に周氏が『いまこれを話すのはよくない』として”棚上げ”を主張し、日本側は事実上同意してしまった。日本政府は尖閣諸島の領有権について、この時にはっきりと主張するべきだったのです。日本の外務省は簡単な記録しか表に出していませんが、中国側は詳しい議事録を出しています。そこでは、日本側が何も言っていないということが明確になっています。中国側が初めて公式に領有権を主張したのは1971年のことです。その翌年に国交正常化となったわけですが、交渉の際にはっきりとものを言わないだらしない態度をとったことが、現在に至るまで尾を引いています。正面切って、尖閣諸島は日本の領土であるという国際法的、歴史的な根拠をぶつければ、争う余地がない問題のはずです。にもかかわらず、日本政府はずっとそれをやってこなかった」
「中国共産党はたいへんに大きな政党だが、正論で向かってこられることを嫌がるところがある。だからこそ、事実と道理と根拠を示して述べ、国際社会の同意を得ることが重要になる。日本政府は弱腰の態度を改めて、今こそ言うべきことをきちんと言わなければならない」
江沢民、胡錦涛、習近平ら歴代の国家主席と会談した経験のある志位委員長は「中国共産党はたいへんに大きな政党だが(一党独裁だから当然)、正論で向かってこられることを嫌がるところがある」と述べているところを見ると、志位委員長は、歴代の国家主席に対して面と向かって正論をぶつけたことが分かる。
憲法9条死守と皇室に対する姿勢に問題のある日本共産党だが、尖閣問題に限って言えば、自民党より数十倍もマシである。
嗚呼、なんという皮肉だろうか!?
推奨サイト