今なお「辺野古移設が唯一」を繰り返す無能総理
昨日の衆議院予算委員会で沖縄選出の屋良朝博議員が質問に立った。
菅義偉 vs 屋良朝博(立憲)「日米安保・辺野古」【全39分】2/5 衆院・予算委員会
屋良議員はCOVID-19(武漢ウイルス)感染拡大に苦しむ沖縄の現状を訴えて、政府の支出をさらに増やすよう要請し、ワクチン接種の体制確立も要望した。
そして沖縄にとって大きな問題である辺野古新基地建設に絞って、残りの持ち時間のほとんどを質疑応答に使った。
屋良議員が強調したのは、米国連邦議会が辺野古新基地建設に疑問を抱き始めているということである。その理由として次のような事項を指摘した。
- 海面下90メートルに達する軟弱地盤があり、建設はほぼ不可能であり、完成時期を確定することができない
- 完成したとしても、沈下傾向は免れず、巨額の修復維持費が必要になる
- 滑走路が短いために、ジェット戦闘機・輸送機等の緊急避難着立には使用できない
辺野古新基地の欠陥は他にも数多くあるが、これらの欠陥事項を認識する米連邦議会議員の数が増えてきている。にも関わらず、米国連邦議会から辺野古新基地建設を中止するようにとの声が出てこないのは、日本政府が巨額の税金を建設費として投入しているからだ。
これらの現状を考えると、工事をこのまま続けると、日米同盟の信頼性に支障を及ぼす恐れがある、だから今ならまだ間に合うから、建設を断念すべきである。
以上が屋良議員の主張の要旨だが、菅義偉首相はそれに対してどう答えたか。
普天間飛行場の危険性の除去と日米同盟の抑止力の維持を考えた時に「辺野古移設が唯一」の解決策であるとの考えに変わりありません。
そもそもの辺野古移設について、安倍総理とオバマ大統領との最初の会談が行われた時に、米国からの要望にあったのは、普天間飛行場の危険と合わせて辺野古移設に対しての申請書を早く出して欲しい、そういうのが首脳会談の折に上がったのであります。
その中で進めていますので、アメリカには理解があると思っています。
「辺野古移設が唯一」!
菅義偉の頭脳には、物事を認識する上で重要な柔軟性がない。一度結論を出したら、状況がどう変化しようと、固執し、すがみつく。民間人なら単なる頑固者ですむが、行政の最高責任者としては不適格である。
安倍首相とオバマ大統領が合意した時は、軟弱地盤はなかった。と言うより、調査されていなかった。辺野古移設反対を公約に掲げて当選した仲井真弘多(元)知事が、その後、埋め立て容認に転じた時も、軟弱地盤の存在は未だ海底深く闇の中に眠ったままだったのだ。
仮にあの時、軟弱地盤の存在が明らかになっていたら、人一倍愛郷心の強い仲井真氏のことだから、きっと埋め立て容認はしなかったはずである。
大浦湾の大々的な地質調査の結果、新基地建設予定区域にマヨネーズ並の軟弱地盤が広がっていることが判明した時、沖縄防衛局は調査データをひた隠しにした。公表すれば大きな問題に発展することがわかっていたからだ。
そんな沖縄防衛局に対して執拗に情報公開を迫ったのが、ブログ「チョイさんの沖縄日記」を主宰する北上田敦である。最初、沖縄防衛局は北上田氏の要請に対して頑なで消極的だったが、北上田氏の粘り強い交渉に根負けして、1年後にようやく渋々と情報公開したという経緯がある。
その結果、軟弱地盤の存在が大きくクローズアップされて、建設そのものが不可能ではないかと侃侃諤諤議論され今日に至っている、というのが現状である。その意味では北上田氏の功績は非常に大きいと言わなければならない。
さて、ご覧のように仲井真元知事が埋め立て容認に転じた時と状況は大きく変化し、7割を超える県民の反対もあり、米国連邦議会も疑問を呈する今、菅首相の認識は、官房長官時以来、1ミリも変化していないのである。
屋良議員が指摘したように、欠陥施設を米軍に提供するようなことになれば、日米同盟が破綻する恐れさへある。にも関わらず、菅首相に状況の変化を読み解く能力はない。
この驚くべき政治の怠慢を、我々はどう認識すべきだろうか? 結論はひとつしかない。政権交代あるのみ。辺野古を止める唯一の方法は、政権交代以外にはない。
野党第一党・立憲民主党の枝野幸男党首は、政権を握ったら辺野古移設を見直すと断言している。ならば、來る総選挙で野党連合に政権を与える。そして日米同盟を対等の関係に変革すべく政権に圧力をかける。それが我々国民に課せられた責務だろう。
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