ロバート・エルドリッジ氏曰く「なぜ使えない施設を造るのか」
3月1日、県民投票の結果を受けて、玉城デニー知事は首相官邸で安倍首相と面談した。その時、基地返還のための新たな協議機関の設置を要請して、次のように述べた。「SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意から23年が経過し、合意の進捗を確認するとともに、基地返還の検証を行うため、SACOに沖縄県を加えた『SACO With Okinawa(SACWO)』という新しい話し合いの場をぜひ設けて欲しい」
下図は玉城知事が提案した「SACWO」の枠組み。
(AERA 2019年3月18日号より) |
しかし、不誠実な安倍首相は、玉城知事の要請を平然と受け流して無視したのである。その一方で日米の専門家の間からは、玉城知事の提案を評価する声が上がった。
その中の一人、ロバート・エルドリッジ氏は次のように述べている。
「最大の問題は、日米政府と沖縄県の対話があまりにも足りないことです。長年、『ポストSACO』の議論が必要だと問題提起してきましたが、互いの立場を理解する協議になれば、(SACWO)はよい機会になるでしょう。」
さらに、辺野古新基地建設について「日米同盟のためではない。日本国民のためです。」という全く意味不明な岩屋毅防衛大臣の発言に対しても痛烈なパンチを浴びせた。
「『日米同盟のためではない』と言うのは、そもそもSACOの前提を無視した発言ですが、百歩譲って『日本国民のため』というのであれば、『なぜ使えない施設を造るのか』と正直聞きたい。莫大な予算を投じて、使えない施設を造るのは国益上おかしな話です。なぜこんなに粘り強く辺野古にこだわるのか。同盟管理の失敗としか言いようがありません」
米国人は合理的に物事を判断する習性があり、論理的思考能力に長けている。だから滑走路が短かすぎるために用をなさない辺野古新基地について「なぜ使えない施設を造るのか」とハッキリと詰問できるのだ。
我が国が太平洋戦争に完敗した原因も、日本の指導者のオブスキュランティズム(蒙昧主義)と米国指導者の合理的精神との差があまりにも大き過ぎたゆえ、と結論づけたくなるではないか。
日本の兵隊は強かったが、指導者は間抜けだった、と米軍の或る司令官が言ったとか言わなかったとか。
推奨サイト