馬淵睦夫氏には失望した
馬渕睦夫氏の「和の国の明日を造る」は面白くて、毎回見るようにしている。グローバリズムとナショナリズムの違いを指摘して、その視点から世界情勢を解析してみせる馬淵氏の見解は刺激的で、毎回教えられること大である。
しかし、47回目となる同番組で、馬淵氏は安倍総理の例のビデオメッセージを称賛したのだ。見識の深い馬淵氏であるだけに、違和感を感じたがやはり、氏の見解に賛同することはできないな、と思った。
安倍総理は、第九条の2項をそのまま残すことによって、民進党が反対できないようにした、そして加憲を主張する公明党の賛同を得易い条文構成にした、というような意味合いの趣旨を述べて、氏は安倍総理の構想を称賛したのである。
一瞬耳を疑ったが、なぜ馬淵氏は成立しようがない安倍総理の構想を認めたのか、それほど総理を評価する理由はなぜなのか、不思議で仕方ない。
2項を残したまま、自衛隊を明文化する条文を追加するのは、嘘の上塗りをするだけなのは明らかで、絶対に成立するはずがないからだ。
ぼくは安倍総理の政治姿勢をまったく評価できない。一昨日の参議院予算委員会での蓮舫議員との質疑応答を見て、総理に対する評価はさらに下がった。かつての勢いを失った民進党を、鼻から見下すような高慢な姿勢に、嫌悪感を感じたのは確かだし、国民の支持率が低いとは言え、蓮舫議員の指摘は的を得た鋭いものだった。
それにたいす安倍総理の答弁は、質問の内容をはぐらかす不誠実なもので、野党のヤジに、必要以上に感情的になる姿は、子供っぽくて見苦しいばかりであった。
そのような安倍総理を評価する馬淵氏が、どうしても理解できないのである。