一昨日のブログで、ほとんどの店舗が空き店舗状態となったサンフランシスコの信じ難い現状を報告したが、その主要な原因のひとつになったと思われるものがわかった。それは、カリフォルニア州において、2014年に住民投票により可決成立したProposition 47という法律にあるらしい。
これについて解説したいくつかのサイトがあるが、その中から、わかりやすく解説したものを参照したい。
この法律によると、950ドル(約13万3千円)以下の窃盗は軽犯罪として扱われる、というのである。信じられないような酷い内容の法律だが、以下、その他もまとめて箇条書きにすると
- 被害額950ドル以下の窃盗
- 被害額950ドル以下の万引き
- 時価950ドル以下の盗難品の受領
- 額面950ドル以下の小切手、債券、紙幣などの偽造
- 被害額950ドル以下の詐欺
- 額面950ドル以下の不渡り小切手の意図的な発行
- ヘロイン、コカイン、覚醒剤などの違法薬物の所有または使用
なぜ950ドルで線引きしたかの説明はないが、よくもこんな酷い法律を、しかも住民投票で可決できたものだと考えると、現実感覚が揺らめいて空恐ろしくなる。
まるでフィクションの世界に生きているようだ。上に掲げた内容の法律ができたら、生活の現場がどのような事態になるか、常識のある人間なら誰でも容易に理解できるはずである。
カリフォルニアの住人には常識がないのだろうか?
案の定、ロサンゼルス、サンフランシスコなどの大都市で窃盗、万引きが横行した。店員が警察に通報しても軽犯罪で済むため、止む気配はなく、常態化していく。その様子を捉えた動画もいくつか配信されているので、関心のある方は是非、検索されるとよろしい。
これだけでも大事件だが、さらに恐ろしいのは、ヘロイン、コカイン、覚醒剤などの違法薬物の所有または使用が軽犯罪扱いとされていることだ。しかもこれらの違法薬物は安く手に入るらしい。だから、サンフランシスコは今、ゾンビの街と呼ばれるほど、ホームレスの薬物中毒患者が増えているのだ。ロサンゼルスしかり。
ホームレスの簡素で見窄らしいテントが並ぶ道路の真ん中で、頭を垂れた姿で立ち尽くす薬物中毒患者。その様子を伝える動画がたくさん配信されているが、どれも当ブログに貼り付けようとは思わない。彼(彼女)らがあまりにも可哀想で、とてもそんな気にはなれない。
カリフォルニア州の政治家達の責任は大きい。社会の中での個人の力は限られている。ここは政治を司る人間の出番だ。改革の第一歩として、まずはProposition 47というくだらない法律をすぐにでも廃止することから始めるべきだろう。
カリフォルニア住民が、今からどう目覚め、どう行動を起こしていくか、目が離せない。彼らの底力に注目しよう。