左翼を批判する他に能のない親米保守派は日本のためにならない
今やチャンネル桜「沖縄の声」の左翼バッシングは、本土の言論人にも悪影響を及ぼすほどの状況に立ち至っている。ただでさえ本土の言論人の多くが、沖縄を語る時、知識の乏しさから誤解と偏見に陥るのが常であるが、「沖縄の声」が流す情報が、さらにその誤解・偏見を助長しているように思われてならない。
辺野古の問題は、第一義的に我が国の安全保障の本質に関わる問題であるはずなのに、その議論は一切なされず、辺野古米軍基地建設に反対する人々を左翼勢力だと一括りにして、彼らがやっていることは暴力行為で違法であるとか、日当が支払われているとか、金の出所は中国らしいとか、その黒幕は辛淑玉だとか、有る事無い事織り交ぜて、非難を繰り返している。
本質から外れた議論だけしていると、攻撃を仕掛けた側も、仕掛けられた側も無益な傷を負うだけで、遠くでほくそ笑む人影が蜃気楼となって消えていくのに気付かない。
反対派賛成派が言い争うことで、1番得をするのは誰だ?問題の本質が見えなくなったら、「金の流れを追え」という格言がある。
その格言を踏まえれば、いちばん得をするのは、在沖米軍と政府に巣食う親米保守派たちであるのがはっきり見えてくる。
米軍としては、1兆円も近い金をかけて、ピカピカの新基地を提供してくれる日本政府に感謝したいところだろう。さすがおもてなしの国だ、ありがたい。おまけに、当分の間、日本の再武装を抑え込むにも睨みが効くというものだ。一石二鳥とはこのことである。
おっとまだあるぞ。日本政府はオスプレイを17機も購入するらしい。しかも1機あたり200億円の高額で。何と日本の政治家は気前がいいんだ。お礼に、新基地が完成した暁には、高江のヘリパッドから折り返し、びんびん飛び回ってあげよう。これで、一石三鳥。いやいや、この先四鳥目があるかもしれないぞ・・。
ぼくは冗談で言っているのではない。戦後71年、サンフランシスコ講和条約で独立してから65年、なぜかつての敵国の軍隊が堂々と今も我が国に居座っているのか。
靖国神社に祀られた英霊たちは、我が国のこのだらしない現状を見て、悔し涙を流しているに違いない。
辺野古の問題の本質は、占領軍と日本人の闘争であると断言したい。辺野古米軍基地建設に反対する人々は、自ら意識するにせよ、そうでないにせよ、結果として真の日本を取り戻すために体を張って、最前線で占領軍と戦っているのだ。
確か、日本を取り戻す、と言ったのは安倍晋三ではなかったか?
それとも安倍氏にとって、取り戻すべき日本とは、占領軍が居座り続ける国家のことを言うのか?
そうであるなら、ぼくは安倍晋三に大反対である。辺野古米軍基地建設に反対する人々と共に戦い続けるつもりだ。反対する人々が左翼だろうが右翼だろうが関係ない。そんな小さな問題ではない。
国体を失うか否か、瀬戸際に立つ大問題である。
安倍総理は勇気を持って次のように明言してもらいたい。「辺野古米軍基地建設は中止する。そして、在沖海兵隊は撤退してもらう。我が国はこれより、国策を自主防衛路線に舵を切る。日米安保は当面堅持する。」
日本国の総理が、このくらいのことが言えないでどうする。勇気を持て、日本男児、安倍晋三!
弱い立場にある沖縄を抑圧するのではなく、強大なアメリカにはっきり物を言うのが日本男児の本懐ではないか?