沖縄よ! 群星むりぶし日記

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沖縄防衛局に感謝しよう!ただし逆説的意味において

多くの県民の民意に支えられた翁長知事の遺志を受け継いで、県は昨日、辺野古の公有水面埋立承認取消(撤回)通知書を沖縄防衛局に送付した。その通知書の概要が、今朝の琉球新報に2ページを割いて掲載されている。これは同紙の8月1日に掲載された「辺野古埋め立て承認撤回聴聞通知書(概要)」より詳しく記述されているが、内容はほとんど同じである。ざっと目を通してそう認識した。

改めて読み返してみても、先日当ブログで感想を述べたように、沖縄防衛局のあまりにも杜撰な工事に怒りが沸々と湧いてくるのを抑えることができない。

この通知書(概要)は誰が読んでも、仲井真前知事が埋立を承認した後進められた工事が、法令違反、留意事項無視に満ち満ちているか、明らかであろう。そうは思わないという人は、原理主義的安倍シンパかよほどのへそ曲がり、あるいは知能指数がよほど低い御仁に限られるに違いない。

冷静に、そして丁寧に読み込めば、新基地工事が法令違反であるのは、反証の余地がないくらい明らかである。問題は、にもかかわらず沖縄防衛局は、なぜ法令に違反する工事を一年半以上も続けることができたのか、ということだ。

いろいろと、ぼくなりに想像してみた。中嶋浩一郎局長以下、職員に優秀な人材が一人もいない? 職員諸君には申し訳ないが、これが最初に思い浮かんだ。あるいは優秀な人材は、一人二人いるが、中嶋局長に頭が上がらず、法令違反だと知りながらも指摘する勇気がない? 官僚組織において十分に考えられる特殊な内部事情も考えられる。

そして最後に考えたのは、やはり人事権を一手に握って強くなりすぎた安倍内閣の安倍・菅コンビに恐れをなして、最大限に忖度した結果、工事遂行あるのみとそれいけどんどんで法令違反を重ねた?

この推測は、先の国会で噴出した財務省厚生労働省文部科学省の公文書書き換え問題、防衛省の日報隠蔽問題などを振り返ると、十分に成立するのではないか。そして、仮にこの推測が当たっているなら、実に恐ろしいことになる。

安倍・菅コンビに逆らえば、人事で飛ばされる。だから逆らうよりも安倍・菅コンビの意向を忖度して、法令違反と薄々知りながらも工事を強行してきた。どうやら結論はこの辺に落ち着きそうだ。

しかし、いつの世も、事実は小説よりも奇なり、である。

沖縄防衛局が法令違反の工事をやってくれたおかげで、県は承認撤回の立派な根拠を得ることができたのだ。と言うことはつまり、県に承認撤回の根拠を与えないという確たる目的意識が、沖縄防衛局にあったならば、県の行政指導に従い、留意事項を守り、土質調査の結果を報告して、誠意ある態度で工事を進めていれば、県は承認撤回の根拠を失う可能性が大いにあった。

しかし、とは言えC護岸真下の軟弱地盤が判明した以上、沖縄防衛局がどんなに誠実な態度を示したにせよ、設計変更は避けられず、海底の地盤改良という難工事を考えると、県が認可するはずもなく、そうなるとやはり工事が行き詰まるのは目に見えている。

ということは、辺野古新基地建設は、道義上も法令解釈の上でも立ち行かないことが明確になったということだ。

とりあえず我々としては、逆説的な意味において、法令違反を犯した沖縄防衛局に感謝しようではないか!

公有水面埋立承認取消通知書(概要)を、ぜひ多くの方に目を通してもらいたい。読み応えのある見事な公文書ですぞ。