産経抄よ、お前もか!
今日の産経抄は、安倍総理の憲法9条改正発言を、手放しで称賛している。マスコミの使命として、政治家の発言に矛盾するところがあれば、そこを指摘して読者に問うべきであるはずなのに、それをせずにただ称賛するとは、思考力の弱さを自ら表明するようなものだ。
第九条の条文を残したまま、自衛隊を明文化するという意味が、そして安倍総理の意図するところが、ぼくにはどうしても理解できない。どんなに想像力を逞しくしても、軍隊を否定する文章の中に、軍隊を肯定する文章を記入することが可能だとは考えられないのである。安倍総理は、どのような手品を用意しているか見ものだが、果たしてシルクハットから出てくるのは、白鳩か鴉か。否、鵺に違いない。
国家の要諦をなす安全保障に関し、日本の政治家ほど無責任でだらしのないものはいない。自衛隊が憲法違反であることぐらい、中学生でもわかることなのに、気も遠くなるほど長期間に渡って、嘘でごまかしてきた国会議員は全員、責任をとって直ちに辞任すべきである。
その無責任体制で、ダラダラと政治をやってきたツケを、朝鮮半島が緊迫する今頃になって、支払わなければならない羽目にたち至っているのだ。無論、国民にも責任はある。日本人が堕落したというべきだろう。
2020年までとして期限を決めたのは大いに評価したい、がしかし、肝心のその中身が鵺的なものになる恐れがある以上、評価どころか、徹底的に批判しなければならないと思う。
今のところ安倍総理のビデオメッセージだけだが、より具体的な情報がこの先出てくれば、それを基に評論家・知識人達の議論が展開されることになる。非難の嵐が沸き立ちそうだ。