沖縄よ! 群星むりぶし日記

沖縄を、日本を、そして掛け替えのない惑星・地球を愛する者として発信していきます。

「誇りある豊かさ」の理念とは?

玉城デニー県政がいよいよスタートした。これからの県政を考える時、最も重要なキーワードのひとつが「誇りある豊かさ」だ。

故翁長知事が提唱し、デニー新知事が継承すると明言した「誇りある豊かさ」に込められた理念とはどのようなものだろうか?

デニー知事は、選挙戦の間、その意味についてわかりやすく説明してくれた。「誇り」とは、理不尽な米軍基地の過重な負担に反対して沖縄人の人権を守る。その運動は主に革新系が担ってきた。

一方、経済的「豊かさ」に主眼を置いたのは、保守系であった。沖縄の政治は、長い間、基地問題を重視するか、経済を重視するかで保守と革新の間で対立が繰り返されてきた。

しかし、沖縄人同士が基地か経済かで対立を繰り返すだけでは、沖縄の問題を真に解決することはできない。基地の過重負担を解消すると同時に、経済発展を目指すためには、保守と革新が手を結ぶ必要がある。故翁長知事は、長年温めてきた思いを四年前の知事選で実践することで模範を示した。

各政党間のイデオロギーは、腹八分、六分に抑えて、お互いが生来共有している沖縄アイデンティティで結集する。これが出来れば、基地問題と経済問題を同時に俎上に乗せることができる。保守と革新が一緒になって問題解決に当たることができる。小さな島沖縄だからこそできることであり、やらなければならないことでもある。

「誇りある豊かさ」の実現は決して夢物語ではない。時代がそこまできているのだ。あとは我々県民一人一人が自信と勇気を持って、玉城デニー新知事と共に力を合わせて前進すること。それに尽きる。

命(ぬち)かじり。命(ぬち)かじりですよ。

勝利の余韻がまだ抜けない。外を歩くと、気のせいとは思うが、人々の顔が晴れ晴れとした表情で明るく見える。大きな嵐が過ぎ去った後の安堵感のようにも感じられる。

人間の心というものは不思議なものだ。悲しい時は自分の周りの人々も景色も悲しく見えるが、嬉しい時は、周りの全てが明るく輝いて見える。何故そうなのか、心に問いかけても、答えは返ってこない。

玉城デニー候補の大勝利から四日目、勝敗の原因を自分なりにいろいろ考え、分析してみた。

玉城デニー候補

①故翁長前知事の辺野古新基地はどんなことがあっても阻止するという公約を、玉城デニー候補が継承すると明言したこと。

玉城デニー候補の演説の巧みさ素晴らしさ、県民目線に立った遊説行動、陽気な性格など、デニー自身から来る個人的魅力。

③行動を共にしたのは、呉屋会長、富川、謝花両副知事、翁長青年局長の現地スタッフ。

創価学会から造反者が出て、積極的に玉城デニー候補を応援した。

佐喜真候補

①佐喜真陣営の露骨な政権寄り。菅義偉三回、小泉進次郎三回、小池百合子石破茂の来沖は、逆効果をもたらしただけ。とりわけ多くの県民が嫌悪し憎む菅義偉の応援演説は、県民の神経を逆撫ですることが予想できたにも関わらず強行するという、信じられないような戦術の大人げなさ、無神経ぶり。

辺野古新基地の是非を問わないという、知事候補として無責任な態度に終始した。

③振興策の交付金を増額して、経済発展を図るという、古い政治手法に対する反発。

等々、勝敗を決定づけたと思われる主な要素を並べたが、これらの因子が複雑に絡み合って有権者の意識にどのような形で浸透し、投票するに到ったか、ということだと思う。

特に強調したいのは、ぼくもその一人である無党派層の七割が玉城デニー候補に投票した、という事実だろう。

有権者全体の五割近くは無党派層が占める。どの政党にも特定の組織にも属さない無党派層がどの候補に入れるかで勝敗は決まる、と言っても決して大げさではない。

佐喜真候補を自民党公明党、維新の会、希望の党が一緒になって推薦した。組織票だけを考えると、佐喜真候補の有利は動かないだろう。自民党公明党、維新の会が一体になった形を「勝利の方程式」と菅義偉は自慢したほどだ。

しかし結果は無党派層が「勝利の方程式」を、物の見事に打ち砕いたのだ。無党派層は決して政治に無関心ではない。既成政党に不満で、彼らから一定の距離を置いているだけだ。たいした争点のない小さな選挙には関心を示さないが、大きな問題を抱えた争点で争われる選挙になると積極的に投票行動に出る。

それを象徴するような例がある。橋下徹大阪府知事を辞職して大阪市長になるために戦った選挙である。あの時、橋下氏の政治基盤は大阪維新の会だけだった。相手は全国政政党。自民党公明党民主党共産党社民党、全ての国政政党を敵に回して選挙戦を挑んだのである。

組織票だけを見れば、誰が見ても象と蟻だろう。しかし、橋下氏は見事に勝利して、大阪市長になった。原因は、無党派層が動いて橋下徹に投票したからである。恐るべし無党派層

こう見てくると、菅義偉の「勝利の方程式」とは、実は軟弱地盤の上に立つ、状況次第でいつ崩壊してもおかしくない脆い建造物に過ぎないことがわかろうというものだ。真の「勝利の方程式」は誰が無党派層の心を掴むかにかかっている。

これは簡単なことではない。正確な状況判断と、有権者(特に無党派層)の本音はどこにあるのか、深く認識できる能力が試されるからだ。菅義偉は、その能力に欠けていた。名護市長選で勝利して、「勝利の方程式」が存在すると信じ込んでしまったのだ。方程式に納まるような人間なんてどこにも存在するはずはないのに。

そしてもうひとつ大事な点を指摘したい。人間を理解するうえで情念を軽く見てはいけない、ということである。人間は理性的動物ではあるが、理性ではどうしても説明できない感情・情念がある。

赤ちゃんの誕生を理性で喜ぶ人はいない。喜びは内部から自然に沸き起こってくる。この喜びはコミュニオン、共鳴だ。理性はコミュニケーション、便宜的道具に過ぎない。理性が高じると屁理屈になることもあるが、感情が屁理屈になることはないし、あり得ない。なぜならそれは直接自然そのものを反映するからである。

何が言いたいかというと、菅義偉の言う「勝利の方程式」なるものは所詮、軽薄な理性の産物に過ぎず、自然と繋がる人間の感情・情念とは相容れないということである。

菅義偉は、ウチナーンチュの情念がいかなるものか、深く考えたことがないのだろう。だから「勝利の方程式」などというふざけたオモチャを、こどものように振り回して自慢して見せたのだ。

先に今回の選挙の勝敗を決めた諸要因を述べたが、実はこのウチナーンチュの情念をどれだけ感じ取ることができたか、共鳴することができたかが、決定的な因子になったのではないかと強調したい。

22日に新都心公園で行われた「うまんちゅ大集会」で、故翁長知事の奥さん翁長樹子さんが演壇に立った。玉城デニー候補の名演説に続いての最後の登壇。樹子さんの言葉は、体全体からほとばしる魂の叫び、ウチナーンチュの情念そのものだった。聴衆は全員、樹子さんの言葉を理性で理解しようとしたのではない。心で感じ取り共鳴したのだ。

樹子さんの言葉に現れたウチナーンチュの情念を、冷酷な菅義偉は到底理解できないだろう。彼が敗北した主たる原因の一つがここにある。

翁長樹子(みきこ)

『泣かずにしゃべれる自信がありません。

翁長雄志の家内の樹子でございます。本当にたくさんの方に支えていただいて必死に頑張ったんですけど、8月8日に急逝いたしました。ひと月半になります。

正直、翁長が亡くなって、頭の中では理解しているつもりなのに、心がなかなか追いつきません。洗濯物をたたんでいる時だとか、ご飯を出しているときに突然、「あっ、そうだパパ」って顔をあげちゃうんですよね。

そしたら遺影の翁長がいつも笑っているの。「ばかだなあ君は」って言って。

翁長が恋しいです。あの笑顔がもう一度見たい。あの笑い声がもう一度聞きたい。でも、かなわないから。私は今回、本当は静かに皆さん県民一人ひとりの方が出す結論を待とうと思っていました。

ところが、日本政府の方のなさることが、あまりにもひどいから。たった140万の沖縄県民に、オールジャパンと称して政府の権力を全て行使して、私たち沖縄県民をまるで愚弄するように押しつぶそうとする。民意を押しつぶそうとする。何なんですか、これは。

こんなふうに出てくるというのは正直、とても躊躇はありました。でも、もう、何だか翁長が「もうみんなで頑張らないといけないから君も一緒になって頑張ってよ」と言ってくれたような気がして、今日はこの場に立っております。

この沖縄は、翁長が心の底から愛して、140万県民を本当に命がけで守ろうとした沖縄です。県民の心に1ミリも寄り添おうとしない相手の方には悪いけど、申し訳ないけど、私は譲りたくはありません。

うちの人の心を「オール沖縄の候補者」が継いでくれるんだと思ったら涙がとまりません。

残り1週間です。簡単には勝てない、それでも簡単には負けない。翁長が信じていた私たちウチナーンチュの心の中をすべてさらけ出してでも、マグマを噴き出させてでも、必ず勝利を勝ち取りましょう。

みなさん。頑張りましょうね。命(ぬち)かじり。命(ぬち)かじりですよ。頑張りましょうね。』

 

玉城デニー新知事、おめでとう!

八万余票の圧倒的勝利!嬉しい、正直嬉しい。今日はぼくの誕生日でもある。二重三重に嬉しい。

この喜びをどう表現して良いかわからない。昨日、八時の『西郷どん』を見て後、九時から選挙速報を見るつもりでNHKをつけたら、『西郷どん』は休みで代わりに台風24号の実況中継をすると言うので、チャンネルを変えたら玉城デニー候補当選確実のテロップが流れた。

えっ⁉︎ まだ8時を少し過ぎたばかりなのに、信じられない。複雑な嬉しさがこみあげたが、なんだか狐に包まれたような気分になり、他の民放に次々チャンネルを変えた。がしかし、同様のテロップは流れていない。

そうだ、ネットを見ることにしよう。まず沖縄タイムスを開いてみた。動画で開票生中継をやっている。やはり玉城デニー候補の当選確実を伝えていた。やった!おそらく勝利は間違いないのだろう。

大きな安堵感と喜びが全身を覆い尽くした。しかし、玉城事務所に陣取った面々はデニーはじめ、表情は穏やかだが、勝利を喜んでいる様子ではない。これは多分、当選確実を報道しているのは、QABだけなので、九時からはじまるNHKの開票結果を待っているために違いない、と思った。

ちょうど九時から始まったNHKの開票速報は、なかなか当選確実を伝えない。またまた複雑な気分になった。人間のやることは、マサカだらけだから、ひょっとすると嫌な結果になる可能性だってありうる。しかし、ぼくの心の中にはデニーが負けるはずがない、という確信に近いものがあった。

九時半過ぎ、やっと玉城デニー候補の当選確実をアナウンサーが伝えた。その瞬間、玉城事務所が喜びに沸いた。万歳コールがこだました。テレビを前にして、彼らと一緒にぼくも両手を上げて万歳コールを叫んだ。

そして拍手、拍手。玉城デニー、ほんとにおめでとう、そしてほんとにありがとう!

今回の勝利は、その性格からして沖縄の歴史に大きく刻印される金字塔となった。安倍政権はなりふり構わず人・物・金を惜しみなく投入した。これまでの選挙では想像できないほど、業界団体を締めに締め付けた。そのあまりにも酷い実態が故翁長前知事の妻、樹子さんの耳に入った。

樹子さんは選挙戦を最後まで静かに見守るつもりでいた。しかし、安倍政権のあまりにも理不尽な選挙のやり方が、まだ喪に服している樹子さんの心を引き裂き、魂に火をつけた。この抑えられない怒りの炎が、あの22日に開催された「うまんちゅ大集会」での多くのウチナーンチュの魂を揺さぶる訴えになったのだ。樹子さんの登壇は予定に入っていなかった。飛び入り参加だった。

玉城デニー候補の力強い名演説と、樹子さんの魂の叫びは、翁長前知事の涙雨の中で木霊しあい、聴衆は全員胸を熱くし、ウチナーンチュのアイデンティティを共有したのである。

ぼくは今回の選挙は本物と偽物の戦いであったと見る。

本物とは心の底から自然に湧き出てくるものであり、偽物とは他所からやってくるものである。玉城デニー候補の主張は、基地問題にせよ経済問題にせよ、対処する主人公は地元の人間である。ウチナーンチュのウチナーンチュによるウチナーンチュのための政治だ。対する佐喜真候補の主張は、安倍政権頼りの主体性の薄い政治だ。

両候補の違いは、選挙運動を見てもはっきりしていた。玉城候補は常に、ウチナーンチュのスタッフ、呉屋会長、謝花喜一郎、富川盛武両副知事、等と行動を共にした。

佐喜真候補は、小泉進次郎と三回、菅義偉と三回、同じ選挙カーで演説している。「希望の党」を「絶望の党」に変えた小池百合子東京都知事も佐喜真候補と一緒に登壇した。

本物と偽物。

内発的自主性こそ本物であり、内発的自主性を押さえつける外圧は偽物と言って良い。我々は、外からやってくる一見魅惑的なものに用心し警戒する必要がある。きらびやかな偽物に騙されてはならない。

玉城デニー候補を選択した県民は自らを誇って良い。何故なら本物を見失わなかったからだ。県民は、耳障りの良いことを言う佐喜真候補に騙されなかった。背後に外圧という巨大な偽物を嗅ぎ取ったからである。

この巨大な偽物は、今後益々牙を研ぎ澄まして、我々県民に襲いかかってくることだろう。その理由はただ一つ。メンツを丸潰しにされたこと。彼らの頭の中にあるのは、薄汚いプライドだけで決して国益を守るという高尚な理念があるわけではない。彼らの目は沖縄ではなく、ワシントンを向いている。

沖縄はこれから玉城デニー知事という、誠実で茶目っ気たっぷりの、傑出した愛すべき政治家と共に、巨大な偽物と闘わなければならない。「誇りある豊かな沖縄」を目指して、明るく希望に満ちた道のりを、玉城知事と共に確実に歩む限り、何も恐れることはない。

沖縄が政治においても、経済においても日本のフロントランナーとなる日は近づいている。それをたしかなものにするために、玉城デニー新知事を支え、協力する。

さて今宵は、喜びの泡盛を浴びるほど飲んで、玉城デニー新知事と一緒にかちゃーしいを踊る夢でも見るか。

うちなーんちゅ、まきてーないびらんどお!

 

沖縄が燃えた日‼️

玉城デニー新知事誕生!

これより沖縄は新時代に突入する。翁長前知事が提唱し、玉城新知事が継承する「誇りある豊かな沖縄」を目指して沖縄が船出する。占領軍の駐留を縮小させ、政府の交付金(税金)に頼らない自立型経済を確立して沖縄を豊かにし、県民の所得を増やして貧困問題を解消していく。

玉城新知事の公約に、我々県民一人一人が当事者の自覚を持って協力しよう。玉城新知事とともに「誇りある豊かな沖縄」を築いていこう!

ウチナーンチュ、マキテーナイビランドー‼️

 

政府の紐付き交付金をあてにする古い政治から自立型経済を目指す新時代の政治へ

今12時50分、激しかった風雨が嘘のように静かになった。台風の目の中にすっぽり入ってしまったのだろうか?

昨夜から今朝にかけて、玉城デニーの演説をYouTubeで繰り返し何度も聞いた。聞くたびに感動を新たにしている。彼の政策を要約すると次のようになるだろうか。

経済は政府の紐付き交付金に頼らない自立型を目指す。自立型経済を確立拡大することで、県民所得を増やす。それで子どもの貧困問題を解消していく。

経済を成長させ豊かになるためには平和でなければならない。そのためにも、今や経済発展の阻害要因でしかない辺野古新基地建設は阻止する。土地を奪われて造られた普天間飛行場は、当然の権利として県民の手に取り戻す。

以上簡単過ぎて申し訳ないが、もっと詳しく知りたい方は、YouTubeをご覧頂くか、昨日の当ブログの玉城候補のインタビューを参照して頂きたい。さて、一方の佐喜真候補の方はどうだろうか。

彼の経済政策は、玉城デニー候補と180度異なる。自立型経済ではなく、政府の交付金を増やしてもらって、県民所得を300万円まで引き上げると言っているのだ。

アホか。

政府の交付金は紐が付いていて、各家庭に現金を配ることはできるはずもない。一体どうやって300万円まで増やすのだ?

そのためにはデニー候補のように、きめ細かな経済政策を構築する必要があるが、佐喜真氏にはそれがない。おそらく大型公共工事を考えているのだろうが、それでは本土の大手建設会社に利益をがっぽり持っていかれる。我々県民が何度も何度も目にしてきたことだ。

佐喜真候補が言う政府との太いパイプとは、増額してもらって流れてきた交付金を本土に逆流させるシステムに他ならない。沖縄振興策は長いことそのシステムでやってきた。おかげで公共インフラは見違えるように整備されたが、県民所得は未だに全国最下位のままであるのは、この利益逆流システムに原因があるのだ。

この古いシステムを佐喜真候補は踏襲しようとしている。辺野古新基地工事も大型公共工事である。佐喜真氏が辺野古新基地建設の是非について、一言も言わない理由がこれで明確ではないか。

大型公共工事をいくら増やしても、県民所得が300万円になることは絶対にありえない。自民党得意の有権者目眩し戦術に過ぎない。広げた大風呂敷にいくつも大きな穴があいているようなまやかしのキャッチフレーズに騙されてはならない。

佐喜真候補の演説会には、小泉進次郎が3回、菅義偉が3(4?)回もやって来た。これは何を意味するか。佐喜真候補は自分の政策に自信がないから、客寄せパンダと政界ナンバー2の官房長官に登場してもらったのだ。政府との太いパイプを誇示したいのだろうが、そのパイプは利益逆流の腐ったパイプである。

いったいこの選挙の主人公は誰だ?小泉進次郎か、菅義偉か?人気と権力のある応援弁士に頼らなければ、自分の政策を県民に理解してもらう自信がないのか。佐喜真淳は、主体性も能力もない実に哀れな男だ。

デマ常習犯・ボギー手登根(手登根安則チャンネル桜「沖縄の声」キャスター)と繋がり、沖縄で暗躍する日本会議のメンバーでありながらひた隠しにする佐喜真淳のような不誠実な人間を間違っても沖縄県知事にしてはいけない。

今回の沖縄県知事選挙は、政府の紐付き交付金をあてにする古い政治の佐喜真淳候補と自立型経済の新時代に向かう玉城デニー候補の一騎打ちである。

「誇りある豊かさ」を目指すなら、沖縄県知事の椅子に座ってもらう人は誰か、すでに答えははっきりしている。

無党派層の皆さん、魂の一票を是非、我らが愛すべき玉城デニー氏へ!

 

玉城デニー県知事候補のインタビューから

玉城デニー沖縄県知事にしたい一心で、僅か四日間ではあったが、ぼくのボランティア活動は昨日で終了した。『ウチナーンチュ、マキテーナイビランドー』という秀逸なポスターは全て貼り終えたので、あとは大して手伝うものはないだろうと思い、今日は事務所には寄らなかった。

明日は台風で両陣営とも選挙運動はできないだろうから、今日が実質的には活動最終日になる。あとは今日一日、運動員スタッフと玉城デニー本人が、無理をしないで効率的に動くことを願うばかりである。とは言ってもやはり、30日の選挙結果は大変気になるところだ。その日までにぼくにできることは、このささやかなブログで、我らが愛すべき玉城デニーを応援することだけである。

というわけで、玉城デニーのホームページの特別サイトに、玉城デニー県知事候補への興味深いインタビューが載っているので引用させて頂く。かなり長いインタビューで、前編と後編に分かれていて前編は玉城デニーの生い立ちについて、後編は政治家としての理念・政策について語っている。

前編も大変面白く是非多くの人に読んで欲しいが、ここでは後編だけ転載する。玉城デニーという逸材が、沖縄の政治状況・社会構造を正確に把握した上で、沖縄の将来の方向性について具体的に語っている。ぼくはこのインタヴューから多くのことを学んだ。皆さんはいかがだろうか。

——翁長さんは「イデオロギーよりアイデンティティ」という言葉をよく口にしていました。デニーさんもこの言葉を出馬会見で口にされていましたね。

「沖縄はこれから新しいステージへ向かおうとしている、僕はそう思っています。そしてきっと、翁長さんもそう思っていたのでは、と。彼はアメリカ統治下の沖縄も、復帰後の沖縄もずっと見てきて、ついに沖縄のアイデンティティを十分に発揮できる時代がきたんだ、と決意して知事になったんじゃないか。」

——デニーさんは翁長さんの「誇りある豊かな沖縄」という言葉も引き継いでいます。これについては?

「あの言葉はとても良くできてるんです。戦後沖縄の歴史を振り返ってみると、その一方には、基地に反対する人たちが米軍に抗いながら守ってきた「誇り」があります。他方で、保守と呼ばれる側は、時に日本政府と一体になりながら、それでも沖縄として主張すべきところはきっちりと主張して、沖縄に「豊かさ」をもたらしてきました。

つまり、イデオロギーや立場は違っても、それぞれ沖縄の「誇り」と「豊かさ」をお互いが追求してきたんです。でもお互いに対立したままでは、新しい時代の沖縄はつくれない。互いに相手がやってきたことを認め合い、腹八分、腹六分で理解しあって、ウチナーンチュがひとつになる。それが僕なりに考える、翁長さんの「誇りある豊かな沖縄」という言葉の意味です。」

——しかし、新基地建設をめぐっては、県民は分断されがちです。

「沖縄の中には色んな立場の人がいて、色んな主張がある。僕は、辺野古に新基地を作らせない、埋め立て承認撤回を支持するという立場です。でも、基地で働いている人たちにだって生活があります。そのことは絶対に無視できない。基地負担の軽減は県民の願いですが、それが基地で働く人から仕事を奪う結果になっては意味がありません。

沖縄の誇りを守りつつ、どう県民の生活の豊かさを実現できるか、その両立を追求していくのが僕の使命だと思っています。翁長知事がやろうとしていたことの本質を見ないで、「誇りをあきらめて豊かさを実現しましょう」というのでは、沖縄は古い政治に逆戻りしてしまいます。」

——具体的にはどうやって基地問題を解決していくつもりですか?

「まず、現在基地が沖縄社会に与えている影響を冷静に評価すること。そして基地返還後に実現可能な経済ビジョンをはっきり示すことです。

次に、基地負担の軽減を求めつつも、基地から収入を得る人々の生活を守る。将来基地を返す時には、新たな雇用の場をつくり、新たな職場で働くためのスキルを身に着ける機会をつくる責任が国にはあります。それが戦後、基地との共存を強いられてきた県民に対する、最低限あるべき補償だと思います。そのことを強く国に求めていくこと。

最後のひとつは、時代の変化を捉えた返還跡地利用計画を策定することです。「アジア経済戦略構想」をみてもわかる通り、いまや沖縄は日本の辺境の一地方から脱して、日本経済をけん引するフロントランナーを目指しています。軍事ではなく、経済の面から沖縄の新たな価値を提示していくことが重要です。」

——本土との関係はどうでしょうか?

「沖縄が持続可能な経済発展の軌道に乗れば、国にとっては税収のアップに繋がりますし、発展するアジア経済へアクセスするための国内随一の戦略拠点を手に入れることができます。そうすれば対立することなく、お互いに自立した関係に立ち返ることができるはずです。基地の跡地利用も飛躍的な発展の可能性を秘めている。つまり長期的な視点に立てば、win-winの構図が描けるんです。

目指すのは平和と経済の両立です。僕は右でも左でもなく、その真ん中に立つ一人の沖縄の政治家として、そう主張します。」

——デニーさんは今回の選挙で、「新時代沖縄」という言葉を掲げています。これにはどんな意味がありますか?

「さっきお話しした通り、沖縄は「誇り」と「豊かさ」を両立させることのできる、新しい時代に入ったんだ、という意味で使っています。これまでの対立を超えた、新しい政治の可能性が求められている中で、翁長前知事の掲げた「誇りある豊かな沖縄」を発展的に継承したのが、僕の「新時代沖縄」の考え方です。

よく言われるように、沖縄への観光客数はついにハワイを超え、那覇の風景も大きく変わりました。しかし一方で、子どもの貧困問題や、若者の離職率非正規雇用の問題、それから那覇への人口集中の問題など、課題もたくさんあります。これから沖縄にどんな未来が描けるのか、これまでの対立軸を超えてともに考えるべき時が来ています。」

——4年後の2022年には、沖縄が本土に復帰して50周年を迎えます。

「そうです。復帰50周年へ向けて、いま生まれている新しい可能性を、県民とともに広げていきたい。沖縄の若い人たちが、自分たちの夢や将来を実現していくために、新時代の沖縄政治はどういうメニュー・予算・ビジョンで応えていけるのかが問われています。県民の生活に根差した生の声から、一つひとつの政策をつくっていきたい。」

——新時代沖縄がもっとも力を入れる政策はズバリ、何ですか?

「「人」です。僕は未来の沖縄の可能性は、沖縄に住む人たち、つまりウチナーンチュそのものに秘められていると考えています。もちろん産業基盤やインフラの整備も大切ですが、なによりも人財育成、人づくりです。

たとえば、沖縄の若者の離職率非正規雇用率は非常に高く、女性と子どもの貧困問題も極めて深刻な水準にあります。今後沖縄がどのような発展モデルを選ぼうと、こうした状況を放置したままでは、持続可能な沖縄の未来を展望することはできません。

まずは、県民ひとり一人の生活をしっかりと保障していくことが最優先。そして、こうした課題に取り組むには、行政だけでなく、民間企業やNPONGOなどと連携し、ネットワークを構築することが不可欠です。」

——おっしゃるように、沖縄は県民所得、子どもの貧困率離職率非正規雇用率など、いずれの数値も厳しい水準にあります。打開策は何でしょうか?

「大切なのは、その厳しい現状を、沖縄社会の「伸びしろ」だととらえることです。若者・女性・子どもの抱える課題の解決は、今後の沖縄社会に活力を吹き込む、未来への投資です。創造性とエネルギーを秘めているのに、それを活かす機会を与えてこられなかった人たちにまず光を当てる。

一人ひとりが個性を活かし、誇りを持って働けるように、数値目標だけにとらわれず、きめ細やかに対応していきたいと思います。」

——具体的にはどのようなものでしょうか?

「僕が知事として働くことになったら、まずは県民の所得を増やすことに力を注ぎたいと思っています。県民ひとり一人の生活基盤の安定が、今後の豊かな沖縄社会の発展につながると考えるからです。でも、その先に、沖縄が地理的・歴史的な個性を活かし、日本のトップランナーとして、独自に発展していく可能性を、僕は見ているんです。

それって、単に「現在は47位の所得を46位にしよう」って考えるより、ワクワクするでしょ? ウチナーンチュ自身が元気になれば、県民所得を引き上げる以上のことが可能なはずなんです。

待機児童をなくし、就労支援に力を入れ、保育や医療を可能な限り無償化する。これは最優先課題として取り組むことを約束します。でも、それが「沖縄の新たな発展モデルへの投資なんだ」という意識を持たないと、単なるバラマキに終わってしまう。

新しい時代の可能性をみんなで追求していく、という意識なしには、選挙目当てに、実現不可能なメニューを並べる結果になってしまいます。」

——翁長前知事は一括交付金を使って子どもの貧困問題に力を入れて取り組みました。この点はどう評価していますか?

「割合にして30%、つまり3人に1人が貧困状態にある、という沖縄の子どもの貧困問題の深刻さは、翁長県政になって初めて、その実態が明らかになりました。復帰後の沖縄は、「本土との格差」を埋めようと、社会基盤整備を中心に予算が投じられ、頑張ってその規模を拡大し続けてきたわけですが、他方で「沖縄内部の格差」は見落とされがちだったのかもしれません。これからの豊かさはやはり「人と暮らし」に光をあてていくものでなければならない。」

——今後沖縄のすべての可能性の土台にあるのが「人」であり、貧困対策や所得対策はそのための投資である、ということですね。

「翁長知事もアジアのダイナミズムを沖縄に引き入れることに力を注いできましたが、人を育てることで沖縄を飛躍させていくプログラムはこれから一層重要になります。

若い人が自分で考えて、やりたいと思ったことが認められる、支えてもらえる、そういう政治への信頼関係を構築していくことが大切です。特に新時代の沖縄を担う、女性や若い人たちの声を丁寧に拾うことで、その可能性を最大限引き出していきたい。

繰り返しますが、沖縄経済飛躍のための原動力は、なによりも人です。そしてそれが、政官民が一体となった沖縄の団結力、ネットワークの力になっていくはずです。ウチナーンチュも、沖縄という島も、とてつもない可能性を秘めている。その確信が僕の「新時代沖縄」構想のど真ん中にあります。」

——最近の沖縄観光の伸長は著しく、ここ数年の間に沖縄の風景は大きく変わりました。那覇を歩けば様々な言語が飛び交っているし、まさに「新時代」という言葉通り、多くの県民が時代の変化を肌で感じていると思います。

「確かに観光振興には可能性があります。しかし、現在の「とにかく客の量を増やそう」という路線は、単に地理的に近いから、安くて便利だから沖縄に来てください、という次元にとどまっています。その意識を変えずに、ただインフラなどを拡大しても限界があります。これからはむしろ「沖縄にしかない価値」を僕たち自身が意識的に発信していかなければいけない。付加価値を高めていく工夫と努力が欠かせません。」

——そのための第一歩はなんでしょうか?

「たとえば、観光産業で働く若者の多くは非正規雇用です。これから世界と沖縄を橋渡しできるような人材を育成しなければならない時に、観光産業で働く人たちを大事にしないようでは、その可能性を引き出すことはできません。

これからの沖縄は、英語や中国語だけではなく、一層多くの言語に対応していかなればなりません。それにITを駆使して、世界に沖縄の魅力を発信する創造性を持った人材も必要です。沖縄を飛び出し、世界各地に出かけて行って、現地と沖縄を結び、世界中で沖縄の理解者を増やしていくような主体的な動きが求められている。もちろん、友好関係にある国々との発展にも繋がります。

ここでもやはり、鍵になるのは人づくりです。観光というのはひとつのわかりやすい例で、他の産業でも同じことが言えると思います。沖縄が他には真似できない価値を生み出すには、その価値の源泉である、一人一人の個性や可能性を大事にしなければ。ウチナーンチュこそが新時代沖縄のフロンティアなんです。」

——そうした人材育成を踏まえたうえで、今後の沖縄観光の最大の武器はなんでしょうか?

「今も多くの観光客がアジアから訪れていますが、ハワイのようなリゾート滞在型ではなく、クルーズ船で来て4時間滞在とか、ツアーで来て2泊3日といった短期滞在がパターンになっています。滞在中に一人ひとりが使うお金は、まだまだハワイには及びません。

でも僕は、沖縄はハワイを目指す必要はないんじゃないかと思っています。やみくもに開発を進めるのではなく、持続可能な自然開発を基本にして、沖縄にしかない自然環境を未来への財産としてしっかり残すこと。

その上でたとえば、医療ツーリズム、グリーンツーリズムといった、訪れる人たち、一人ひとりに合ったメニューを充実させる。最近ではブルー・ツーリズムなど、イルカと触れ合うセラピーのような、様々なツーリズムのモデルが提案されています。沖縄に来て自分らしさを取り戻すというような方向で、ツーリズムを伸ばしていけると思います。第一次産業と密接につなげていく地産地消型のツールも成長株です。

さらには離島の問題もそうです。不便さをネガティブに捉えるのではなく、島々の個性を発揮できる環境を政治が作っていく。そういう視点なしに、単に便利なリゾートを画一的に目指すのはナンセンスだと思います。」

——他にはありますか?

「なにより、僕が思うこの島の一番の魅力は、ウチナーンチュの平和への想いです。考えてみてください。なぜ毎年全国の修学旅行生が沖縄を訪れるのでしょうか? それは、沖縄が単にたくさんあるリゾートの中で優れているとか、安いからとか、そんな理由ではないはずです。

戦後の沖縄の、平和を希求してきた長い歴史は、それ自体にすごく価値があります。その歩み自体が、本土やアジア、世界の人々を沖縄に惹きつける力となっている。新基地建設は、その平和の価値を傷つけてしまうことになる。

沖縄という土地に根付いた平和への意志は、誰も真似できない特別な魅力になっているんです。その意味では、まずわれわれウチナーンチュ自身が、沖縄の価値を再発見しなくてはいけません。」

——街宣では、「新時代沖縄をつくるのはみなさんです」と呼びかけていたのが印象的でした。これにはどういう意味があるんですか?

「僕の考えている新時代沖縄のビジョンは、翁長知事も言っていたように、ウチナーンチュをひとつにしなければ実現できません。たとえばある課題を解決しようとしたとして、行政が諮問機関を設けて有識者を呼び、計画を作って、予算をつけ、解決策を実行していく…その過程で、本当にその問題で困っている人たちや、現場で働く人たちの感覚とズレてしまうことってよくあるんです。

だから、NPOや民間企業、専門家や教育機関などと綿密に連携していきます。復帰50周年に向けた県民参加型のプラットフォームを設置するなど、とにかく新しいエネルギーを呼び込みたいと思っています。

その意味で、新時代沖縄をつくるのは僕だけじゃない、むしろみなさんです、と。この点、翁長県政で実施されたプロジェクトは、すごく大きなヒントになっています。」

——参加型の県政という意味でも、翁長県政を引き継ぐということでしょうか?

「翁長さんは沖縄の良心といってもいい、懐が深く、柔軟な保守政治家でした。すごくリーダーシップのある方だったし、同時にすごく温かい方でもありました。その方が遺してくれたヒントを、当選後も僕なりに考え、行動していきたい。

僕のような、必ずしもオーソドックスな経歴とは言えない政治家の名前を翁長さんが口にした、そのことの意味を、ずっと考えています。僕は国政に転身してからも、誰よりも沖縄の未来を考え、行動し、勉強してきた自負があります。その結果として、今の保守中道という立場にたどり着いた。

けれど、これからの沖縄政治が目指すべきなのは、単に保守と革新の垣根を超えるだけではなくて、政治のアクターを広げて、より多くの人々を包み込むように、その輪を広げていくことなんじゃないかと思っています。」

——その意味で、デニーさんがこれから目指す県知事像はどのようなものですか?

「政治家は何より政策で勝負です。あとは誠実さかな。当選したら、今回県民に示したビジョンを、愚直に実行していきたい。でも、僕ひとりが今の沖縄の抱える課題をすべて解決できる、というのは嘘になります。僕は県民が政治に参加する窓口になりたいんです。

いま政治に関心を持てないという若者が増えていること自体、政治の責任といえるかもしれません。だから、「若い人は関心がない」とただ嘆くだけではなくて、政治の側から、参加のあり方を提示していこうと思います。

僕は人を巻き込むことに関しては自信があるから(笑) これまで政治から遠ざかっていた人たちも含めて、一緒に、新しい沖縄政治をつくっていけたらと考えてます。」

 

「誇り高き秀作」と「秘密の佳作」

玉城デニー事務所でのボランティア活動も今日で四日目。台風が接近しているため風が強い。投票率がどうなるか心配だが、台風は誰にも止めることはできない。なるようにしかならない以上、黙々と作業を遂行するのみ。三十分ほどチラシ折りを手伝ってからポスター貼りに参加した。

最初に目指した場所は宜野湾市役所の裏側。ポスターは今までと同じ『ウチナーンチュ、マキテーナイビランドー』。翁長知事が生前に発した言葉で、ウチナーンチュの魂を揺り動かす強烈なメッセージだ。緑地に赤い文字。誇り高き秀作である。

期日前投票で市役所にやって来る多くの人の目に触れることを願って作業に勤しんだ。作業人員は四名(女性一人)。思ったよりも早く終わり、事務所へ戻ってチラシ折りを手伝う。

午後二時を過ぎた頃、首里支所周辺にポスター張りに向かうことになった。最初と同じメンバー。着いてみると、期日前投票者が後から後からやって来る。ここで『ウチナーンチュ、マキテーナイビランドー』ポスターは一枚残らず全部貼り終えた。今日もいい汗をかいた。皆さん、ご苦労さん!

事務所に戻って、メンバーの一人が点ててくれたコーヒーが美味かった。和やかな雰囲気で、お喋りを聞きながらチラシ折に専念する。

四時頃事務所を出て、新都心に向けて歩きながら行き交う人々に玉城デニーの名刺を配る。「玉城デニーをよろしくお願いします。」返ってくる反応は様々だ。腹が減ったので、久し振りにガストで食事をとることにした。メニューを見ると、ハッピー時間帯に入っていて、ビールのジョッキ499円が、なんと200円だ。これは飲まないわけにはいかないだろう。

一人で牡蠣料理とビールを楽しんだ。これで5時の県庁前広場での集会に参加するのは不可能となった。ハッピー時間帯とは秘密の佳作なり。ウチナーンチュ、アルコールに敗れたり。