沖縄よ! 群星むりぶし日記

沖縄を、日本を、そして掛け替えのない惑星・地球を愛する者として発信していきます。

沖縄防衛局に感謝しよう!ただし逆説的意味において

多くの県民の民意に支えられた翁長知事の遺志を受け継いで、県は昨日、辺野古の公有水面埋立承認取消(撤回)通知書を沖縄防衛局に送付した。その通知書の概要が、今朝の琉球新報に2ページを割いて掲載されている。これは同紙の8月1日に掲載された「辺野古埋め立て承認撤回聴聞通知書(概要)」より詳しく記述されているが、内容はほとんど同じである。ざっと目を通してそう認識した。

改めて読み返してみても、先日当ブログで感想を述べたように、沖縄防衛局のあまりにも杜撰な工事に怒りが沸々と湧いてくるのを抑えることができない。

この通知書(概要)は誰が読んでも、仲井真前知事が埋立を承認した後進められた工事が、法令違反、留意事項無視に満ち満ちているか、明らかであろう。そうは思わないという人は、原理主義的安倍シンパかよほどのへそ曲がり、あるいは知能指数がよほど低い御仁に限られるに違いない。

冷静に、そして丁寧に読み込めば、新基地工事が法令違反であるのは、反証の余地がないくらい明らかである。問題は、にもかかわらず沖縄防衛局は、なぜ法令に違反する工事を一年半以上も続けることができたのか、ということだ。

いろいろと、ぼくなりに想像してみた。中嶋浩一郎局長以下、職員に優秀な人材が一人もいない? 職員諸君には申し訳ないが、これが最初に思い浮かんだ。あるいは優秀な人材は、一人二人いるが、中嶋局長に頭が上がらず、法令違反だと知りながらも指摘する勇気がない? 官僚組織において十分に考えられる特殊な内部事情も考えられる。

そして最後に考えたのは、やはり人事権を一手に握って強くなりすぎた安倍内閣の安倍・菅コンビに恐れをなして、最大限に忖度した結果、工事遂行あるのみとそれいけどんどんで法令違反を重ねた?

この推測は、先の国会で噴出した財務省厚生労働省文部科学省の公文書書き換え問題、防衛省の日報隠蔽問題などを振り返ると、十分に成立するのではないか。そして、仮にこの推測が当たっているなら、実に恐ろしいことになる。

安倍・菅コンビに逆らえば、人事で飛ばされる。だから逆らうよりも安倍・菅コンビの意向を忖度して、法令違反と薄々知りながらも工事を強行してきた。どうやら結論はこの辺に落ち着きそうだ。

しかし、いつの世も、事実は小説よりも奇なり、である。

沖縄防衛局が法令違反の工事をやってくれたおかげで、県は承認撤回の立派な根拠を得ることができたのだ。と言うことはつまり、県に承認撤回の根拠を与えないという確たる目的意識が、沖縄防衛局にあったならば、県の行政指導に従い、留意事項を守り、土質調査の結果を報告して、誠意ある態度で工事を進めていれば、県は承認撤回の根拠を失う可能性が大いにあった。

しかし、とは言えC護岸真下の軟弱地盤が判明した以上、沖縄防衛局がどんなに誠実な態度を示したにせよ、設計変更は避けられず、海底の地盤改良という難工事を考えると、県が認可するはずもなく、そうなるとやはり工事が行き詰まるのは目に見えている。

ということは、辺野古新基地建設は、道義上も法令解釈の上でも立ち行かないことが明確になったということだ。

とりあえず我々としては、逆説的な意味において、法令違反を犯した沖縄防衛局に感謝しようではないか!

公有水面埋立承認取消通知書(概要)を、ぜひ多くの方に目を通してもらいたい。読み応えのある見事な公文書ですぞ。

 

玉城デニー候補と県民は一体である

玉城デニー氏が正式に出馬表明した。玉城氏は、現時点において、翁長知事の後継者として最適任者である。昨日沖縄ホテルで行われた記者会見の模様を動画で見て、改めて、そのように認識を深めることができた。

明るい性格、政治理念の確かさ、弁舌は爽やかで明快かつ論理的であり、その誠実な姿勢は、多くの県民から支持されることは間違いないだろう。記者会見の内容を要約してみた。

① 今回の知事選の最大の争点は、辺野古基地問題であり、翁長知事の遺志を引き継いで埋立承認の「撤回」を全面的に支持する

② 翁長知事が進めた沖縄21世紀ビジョンやアジア経済戦略構想などをさらに前進させていく

③ 自立と共生の沖縄を目指す。生まれてくる子供たち、あすを担う若者たちに平和で真に豊かな沖縄、誇りある沖縄、新時代沖縄を託せるよう全力疾走で頑張る

④ 翁長カラーに付け加えて玉城カラーを打ち出したい

要点だけ拾うとざっとこんなところだったと思うが、玉城氏は次のようことも述べた。「相手候補の佐喜真氏は新基地の工事に瑕疵があるか、法令に違反することが明らかになれば、「撤回」もあり得ると言っているが、討論の場でその真意を確かめたい。正々堂々と討論の場に出てきてもらいたい。」

玉城氏の言う通りだ。超短期決戦となった知事選とはいえ、できるだけ多くの公開討論を行うべきだろう。「撤回」もあり得るなどという目眩し戦術が公開討論の場で論理破綻するのは目に見えている。自民・公明推薦の候補は実に目眩し戦術に長けている。2月に行われた名護市長選挙がそうだった。

渡具知氏は、辺野古新基地は名護市にあるにも関わらず、最後まで争点化を避けて、稲嶺市長の公開討論への呼びかけに一切応じることなく逃げ回ったのである。しかしそれでも卑怯な戦術で当選するのだから呆れる。渡具知氏を選んだ名護市民は、時の経過とともに誇りを失うことになる。卑怯で不誠実な政治家が、長い目で見て名護市を健全にできるはずがない。

その意味でも我々は、名護市長選を教訓にして、今回の知事選を名護市の二の舞にしてはならない。幸いにも県は明日、「撤回」を宣言する予定らしいので、そうなれば佐喜真候補は、嫌でも新基地の是非を問う問題から逃げることはできなくなるだろう。

渡具知氏のように逃げ回れば、卑怯者とみなされる。正々堂々と受け止めて、公開討論の場で、玉城デニー候補と丁々発止、本気で議論を闘わすべきだろう。私心を捨てて、あくまでも合理的精神を持って正論を闘わせる。そうすることが県民のためにもなり、沖縄の将来にとっても有益となる。佐喜真候補にその覚悟があるかどうかが問われる。

いよいよ知事選の幕は切って落とされた。今回の知事選は、単に沖縄という小さな一地方の選挙にとどまらない。日本の安全保障の根幹と、民主主義の本質が問われる、日本の将来を占う大きな意味を持つ選挙である。米国に隷属する安倍政権の息がかかる佐喜真候補に沖縄の未来を託すのか、理不尽で不条理な米軍の隷属から脱し、沖縄の新しい時代を見添える玉城デニー氏に託するのか、冷静に考えた時、我々県民が下す結論は明快である。

玉城デニー氏を支えて新知事として重責を担ってもらう。その重責を県民一人ひとりが分担すれば、玉城新知事は勇気百倍、重圧を跳ね返して県民のために汗を流してくれるはずだ。安倍売国奴政権は、名護市長選挙でやったように、なりふり構わず襲いかかってくるだろう。

しかし、鶏口となるも牛後となるなかれ!

吹けば飛ぶような一時的な利権に屈するよりも、これから生まれてくる世代のために誇りを失わない大人たちの姿を見せることが、いかに大事なことか、繰り返し何度でも確認する必要がある。

 

Mr.ダグラスありがとう!

去年の夏場、週毎に三ヶ月ほど辺野古へ通ったことがあった。振り返ると早いもので一年がすぎたことになる。その時、ダグラス・ラミス氏と同じバスに乗り、辺野古の現場で時間をともにしたことが何度かあった。高齢にもかかわらず辺野古の現場に通うラミス氏の姿に敬意と好感を覚えた。

短い期間ではあったが、濃い思い出がたくさんできた。工事用ゲート前で座り込みをしていたある暑い日、ラミス氏はぼくの右隣に座っていた。その時我々を排除しに機動隊がゾロゾロやって来た。

「機動隊は帰れ帰れ!」ぼくは繰り返し大声で叫んだ。ぼくのあまりにも大きな声に驚いたのか、ラミス氏は横からぼくの顔を覗き込んで、「私はあまり無理できないので立ち上がります」と言った。ラミス氏の少年のような表情に、ぼくは多少戸惑いつつ、「無理しないでください」と言って、軽く氏の肩を叩いた。

最後まで抵抗して、機動隊員に抱きかかえられて持っていかれるのは、腕に痣ができたりしてきつい。明らかにラミス氏にとっては耐えられないだろう。高齢であるのと同時に、ラミス氏は大病を患って後あまり体調が良くないのだ。それでも辺野古に来て抗議活動に参加するラミス氏にぼくは感心し、このユーモア精神にあふれる退役軍人に好意を感じた。

その思い出多いラミス氏が、久し振りに今朝の琉球新報に登場した。ラミス氏が会長を務める「平和を求める元軍人の会ー琉球・沖縄(VFP-ROCK)」が米政府監査院(GAO)に対し、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設計画の問題点を独自に調査するよう求める決議案を提起して、「ベテランズ・フォー・ピース(VFP)」第33回年次総会の全体会議において全会一致で可決されたのである。

総会決議(要旨)を琉球新報は次のように報じている。

<米政府監査院(GAO)は、2017年のアジア太平洋地域における在沖米海兵隊の再編に関する報告書で、米軍普天間飛行場代替施設の滑走路が必要とされる長さを満たしていないと指摘した。この建設計画が米国の国益にかなうものなのか、その他の側面でも疑いがかかっている。

在日米軍施設の大部分、約7割の負担がのしかかる沖縄の人々はこの計画を、近代史から続く沖縄への新たな差別だと捉えている。激しい抗議と環境問題のため、建設は数年遅れている。滑走路の建設予定地には絶滅危惧種ジュゴンが生息し、手付かずのサンゴの庭が広がり、環境への細心な配慮が必要だが、日本の防衛省にその十分な能力はないとみられる。

地質調査は2014年に始まったが、沖縄防衛局は海底の地盤が2本の滑走路を支えるだけの十分な強度があるか判断していない(一部の地域は軟質の石灰岩やマヨネーズ並みの軟質地盤となっている)。

建設予定地周辺の送電塔や、学校施設、辺野古弾薬庫を含む建造物は米軍の高さ制限を超えており、活断層がある可能性も指摘されている。

これらの問題点は「良き隣人」のふりをする米軍の沖縄駐留は危険であることを示す。一方、日本政府は面目を保つことに執着し、信頼できる情報を明らかにしていない。従って、VFPはGAOに対し、この状況に対する独自の調査を行って、これらの申し立ての事実を究明し、計画の強行が、コストに見合うことなのか、リスクなのかを判断するよう強く求める。>

辺野古新基地は欠陥施設である。あらゆる角度から検証してそうだと言わざるを得ない。米政府監査院(GAO)は、昨年の報告書で、辺野古新基地は滑走路が短くて必要条件を満たしていないと指摘した。元海兵隊幹部のエルドリッジ氏はラミス氏とは立場を異にする米軍の利益を第一に考える人間だが、その彼でさへ辺野古新基地の欠陥を指摘して、反対を表明している。

米国人の思考方法はあくまでも合理的精神に基づくことを考えるならば、安倍政権と沖縄防衛局のオブスキュランティズム(非明晰性)との違いが何と際立つこと!

行政のトップが頭が悪いと下部組織の頭脳も腐敗する典型的な見本が今の安倍政権だ。

辺野古新基地がいかに欠陥に満ちた危険な施設であるか確定的となった今、各方面から大きな声で全世界に向けてその事実を発信する必要がある。その意味で、ベテランズ・フォー・ピース(VFP)の活躍は目覚しい。全世界の良識派の皆さん、連帯して辺野古新基地を阻止しよう!Mr.ダグラスありがとう!

 

知事選告知日の前に「撤回」宣言を急げ!

生前翁長知事が残したとされる音声テープの開示をめぐって、県政与党内でいざこざが起きたが、突き詰めて議論した結果、なんとか無事収まったようだ。今の県政与党は革新系と保守系の一部で構成されている。細かいことで意見の対立があっても、少しも不思議ではない。むしろ当然であろう。

大事なことは、議論を尽くして本筋を見失わずに、一番良い解決策を得ることだ。この場合の本筋とは、翁長知事の強い求心力で達成した保革合同、オール沖縄の枠組みを守り抜くことだ。

「沖縄はイデオロギーよりもアイデンティティ」翁長知事のこの言葉の重要性は、いくら強調してもし足りない。こんな小さな沖縄に借り物のイデオロギーなんて必要ないし、なんの役にも立ちはしない。

それよりも、沖縄の歴史・文化・伝統に根ざしたアイデンティティこそが重要であり、それを守り発展させることが、良い意味で沖縄の将来を切り開くのである。

そのように考えると、今回の県政与党内のギクシャクが解消されたことは、雨降って地固まる、のことわざ通り、玉城新知事誕生に向けて、大きな展望を用意したと言える。どんなことがあっても、辺野古新基地は造らせないという強い信念が、保革の枠を超えさせたのである。

「沖縄の声」という米軍基地べったりの論陣を張る売国奴的言論人達が、今回の県政与党内の騒動劇を悪意に解釈して、左翼がどうのとか、音声テープは存在しないなどと、ヒステリックに叫んでいるが、一体彼らは本当に沖縄人なのだろうか? どうもぼくには、彼らの後ろに沖縄の分断を図るグローバリスト、金融マフィアの姿がちらついてどうしようもないのだ。

沖縄のアイデンティティに核心を置く真の保守を破壊して、米軍べったりの似非保守に沖縄の政治を任せることで、日本を永久的に米国支配の袋の中に閉じ込める。これが「沖縄の声」の連中の狙いだ。

そして彼らの行動は、売国奴政治家、安倍・菅コンビが目指す米国隷属の姿勢にピッタリ符合する。彼らが意図する道は、明らかに米国に隷属する日本であり、彼らこそが真の反日勢力である。日本国民よ、そして沖縄県民よ、目覚めよ! 彼らのような売国奴勢力に騙されてはならない。辺野古新基地闘争は、日本を本物の民主主義国家に押し上げることができるかどうかが問われる歴史的闘争となる。

主権在民を謳う憲法下で、多数の民意をかえりみず、強硬に工事を推し進める政治のどこに民主主義があるか?  玉城デニーという翁長知事の跡を継ぐ最適の人材を得た今、我々は勇気を持って、売国奴政治に立ち向かい、自信を持って沖縄のアイデンティティを確立しなければならない。

全国知事会日米地位協定改定の提言をまとめて、政府に要望書を提出した。地方の政治が中央の政府の先を行く時代が到来している。この提言には、翁長知事の積極的な発言が大きな役割を果たした。

自分たちで創った土俵の上に政府を乗せることができれば、日本の政治を大きく動かすことができる。不誠実で嘘つきの政権を倒すことが可能となる。その兆しが見えてきた。沖縄から日本の堕落した政治を変える方向性が提示されている。

謝花喜一郎副知事は、知事選告知日の前に「撤回」を宣言すべきだろう。そうすることで、新基地問題を曖昧にしようとする相手側陣営を、同問題から逃げられないようにすることができる。「撤回」宣言の後に、新基地問題に対して態度を明確にしなければ、卑怯と見做されて大いに不利になるのは間違いないからだ。

だから、知事選を有利に展開させる意味でも、告知日前に「撤回」を宣言するべきである。そして佐喜真候補を新基地は是か非かの論争に引きずり込む。これが本来あるべきフェアな選挙戦だろう。

そうなれば、玉城候補が負けるはずがない。なぜなら、新基地工事は、工事着手以来今日までの詳細な検討の結果、法令違反であることが証明されたからだ。しかも、当事者である米政府が指摘したように海兵隊にとって欠陥施設であることも明確となった。

論争に持ち込めば、佐喜真候補がまともに反論できるはずがない。軽率にも、ボギー手登根のデマに簡単に騙されるような佐喜真候補としては、反論できるような才能は米粒ほどもないだろう。

ボギー手登根のデマとは、そう、産經新聞那覇支局長を更迭させることに発展した、あの恥ずべきデマである。重症に陥った海兵隊曹長トルヒーヨ氏を利用して拡散させた、あのぞっとするような悪しきデマである。

そんなデマを佐喜真候補は軽率にも信じたのだ。そして実際に意思表示もした。祈るという英語のスペルを間違えて餌という言葉を使ったプラカードをかざす佐喜真宜野湾市長の写真を、我々はネットで見ることができる。この件について詳しく知りたい方は是非『Osprey Fuan Club うようよ対策課』をご覧いただきたい。

さて、最後に今朝の琉球新報が報じた玉城デニー議員に対する一問一答を転載しよう。彼は、翁長知事の政治家としての本質を深く理解していた。

ー 翁長知事のどういう遺志を具体的に引き継げるのか。

「翁長知事は真の保守政治家でありながら沖縄の歴史、伝統、風土、生活に根ざし、沖縄が将来、自主・自立していく経済を含めた道を探っていた。それはやはり平和でなければいけないということと、これ以上沖縄に新しい米軍基地はいらないと断言している。全てが知事の遺志だと思う」

 

玉城デニー議員、知事選出馬表明へ

昨日の当ブログで書いたように、玉城デニー議員が県知事選に出馬することが、ほぼ確実となった。22日までには決断したい、と本人は語ったが、事態の急な展開に心の準備期間としてどうしてもそのくらいの日にちは必要だ、ということだろう。

報道を読む限り、本人は肯定的に受け止めていることは確かなので、よほどのアクシデントが起きない限り、玉城氏の出馬は100%間違いない。

予想通りの展開になってきたようだ。正直なところ、嬉しい気持ちでいっぱいだ。これで、翁長県政の遺産、保革を超えた政治的枠組みが維持されることになる。そして、志半ばで死去した翁長知事の意思を受け継ぐ知事選は、4年前と同じように、激しく燃え上がるだろう。

ただ最大限注意すべきは、超短期決戦ということである。玉城氏の出馬がほぼ100%確実となった今、選対本部はすぐにでも迅速に動いて、30日の投票日に向けて、万全の準備を整えるべきだ。

そして、名護市長選で敗北した経験を反省し、活かして、楽観ムードと気の緩みを完全に払拭して、何が何でも新基地建設断念に追い込むまで、県民の心をひとつに結集する戦略を立案実行することだ。

相手陣営は、死に物狂いで襲いかかってくるだろう。負ければ現内閣のプライドに大きく傷が付くからだ。見栄っ張りで中身のない安倍・菅コンビは、名護市長選でやったように、間違いなくあらゆる手を打ってくる。基地問題は争点ではない、沖縄の経済発展のために佐喜真候補をよろしく頼む・・・

政権与党の最大の強みは、なんといっても国家予算を握っていることだ。基地問題で政府と対立する県知事が誕生する度に、政府は必ず振興予算の名目で、札束を県民に振りかざしてきた。3期目の大田知事が稲嶺恵一氏と争った時もそうだった。

そして今年2月の名護市長選挙基地問題が争点になる時、政府は争点化を避ける有力な手段として、必ず甘い人参を県民の目の前にちらつかせる。金を握っているのは政府だぞ、欲しければ政府に楯突くな!というわけだ。

これが基地問題で政府と争う選挙で確立された方程式だ。橋本内閣の時、普天間飛行場が県内移設に決まって以来、県民は常にこの方程式に苦しめられてきた。しかし当時と比べると、状況が少しづつ変化してきたのも事実だ。

それは、先人たちの努力が実り、県経済が好調を続け、自立経済の方向性に光が射し始めてきたという事実だ。翁長知事が語ったように「経済発展著しいアジアが沖縄を離さない」状況が現出しているのである。同時に統計で明らかになったように「米軍基地は、今や県経済が発展するための最大の阻害要因になっている」のだ。

これらのことから導き出される結論は、基地問題を解決しないで、あるいは米軍基地の撤退・縮小なくして、県経済のこれ以上の発展は望めない、ということである。

ということは、基地問題を争点化しない(現状維持)で沖縄の経済振興を図るという政府の言い分が矛盾しているのは明らかではないか。「米軍基地は沖縄の経済発展の最大の阻害要因」であることは、まぎれもない事実である以上、基地の撤退・縮小以外に県の経済発展は見込めないのである。

政府が提示する古くなって通用しなくなった嘘の方程式に、我々県民は騙されてはならない。とは言っても、頭の悪い安倍・菅コンビは、あいも変わらず嘘方程式をフル活用してくるだろう。業界団体に甘い人参のエキスをパンパンに染み込ませた嘘方程式を信じるように、強引に押し付けてくるだろう。

惑わされてはいけない。嘘方程式は毒饅頭だ。飲み込んだら最後、毒が身体中に回り、沖縄の将来が危うくなる。政府が握る国家予算は、彼らが働いて稼いだ金ではない。国民一人一人が納めた貴重な税金だ。その貴重な税金を、一兆円もかけて、沖縄に駐留する軍事的必然性のない海兵隊のためのピカピカの新基地を造ってどうするつもりだ? アホか。

日本の政治の宿痾は、戦後ずっと米国に軍事で押さえつけられてきたことにある。その壁を突き破り自立できない状況がいまだに続いている。その状況を打ち破り乗り越えない限り、日本の自立した外交・安全保障があり得ないことは、多くの国民が気づいている筈なのにズルズルと今日まで来てしまった。

しかもなんと、「我が国は100%米国と共にある」と言ってのける総理大臣が率いる戦後最悪の売国奴政権が6年近くも続いているのだ。

この腐敗した状況を打ち破るために、小さな沖縄では「今や経済発展の阻害要因でしかない」新基地建設阻止のために、日夜闘っているのである。政府にできなければ沖縄がやるまでのことだ。

玉城デニーの父親は、沖縄に駐留する米軍兵士だった。沖縄女性と兵士との間に、愛の結晶である可愛らしい赤ちゃんが生まれた。ハーフの女性は美しく、男性はハンサムが多い。ぼくが見てきた沖縄の多くのハーフはそうだった。

玉城氏も例外なくハンサムな容貌をしている。若い頃の写真をネットで見ることができるが、きっと多くの沖縄女性のハートを掴んだに違いない。

ただ不幸なことに、玉城氏が生まれる前に父親は米国に帰ってしまった。だから、玉城氏は父親の顔を知らないで育ったという。沖縄には、玉城氏と同じ境遇のハーフが沢山いる。

今から58年前の沖縄は極貧の時代だ。女一人で玉城少年を育てた母親は大変な苦労を重ねたはずである。玉城氏もきっと、人に言えない辛い日々を過ごしたことだろう。 しかし、人間の運命というものは実に不思議なもので、この辛く苦しい体験が後に活かされることもあるのだ。

玉城氏の経歴を調べると、例外ではないことがわかる。玉城氏の最終学歴は、上智社会福祉専門学校である。上智大学が創った専門学校で校舎は同大学内にあるらしい。

この最終学歴を見た時、ぼくの胸に去来する何かがあった。福祉専門の学校を選択したのは、少年期の辛い体験が影響したのではないのだろうか? と想像したのである。人の役に立ちたい、という気持ちが彼を動かした。それが一番の動機だった。

ぼくの勝手な想像だが、しかし、その後市議会議員になって政治の世界に飛び込んだのも、やはり、人の役に立ちたい、という気持ちが強かったからではないだろうか。恵まれない境遇にある弱い立場の人々のためになんとか力になりたい。

そのような姿が、彼の経歴から浮かび上がってくる。ぼくの想像が真実なら、玉城デニーという男は、実に好感の持てる人間ではないか。ぼくの想像が真実でなくても良い。翁長知事のような深い見識を持った政治家が、遺言で玉城デニーを後継者に指名したということは、翁長知事の心を動かす何かを玉城氏が持っていたからだ。

当然、翁長知事は玉城氏の経歴を熟知していただけでなく、現場での政治活動もつぶさに観察してきたはずである。その結果、後継者に指名した。もし、玉城デニー新知事が誕生すれば(是非誕生させたい)我々は、今までにない新しいタイプの知事を迎えることになる。

その出生、経歴からして、沖縄を象徴するような知事になるだろう。我々県民も玉城新知事を大いに支えようではないか!

玉城デニー議員、知事候補を受諾か?

翁長知事が亡くなる数日前、「自分が駄目になったら呉屋守將さんか玉城デニーさんにお願いしたい」などと話した音声を残していたことがわかった。遺族が新里県議会議長に伝えたことで明らかとなった。音声は、病室で録音したらしい。

翁長知事が直接名前を挙げて、両者のどちらかに希望を託した事実は、非常に重いものがある。これで候補者選定に苦しんできた調整会議は、一気に二人に絞って作業を加速させることになるだろう。朗報といえる。

玉城デニーと呉屋守將。

さて、沖縄の未来を大きく左右する、今回の知事選において、両者の誰が最適任者だろうか? 今朝の琉球新報の記事を読んだ際、ぼくの直感は玉城デニーに動いた。彼なら勝てる!と閃いた。

国会質疑を見ても、彼の弁舌の爽やかさは際立っている。頭脳明晰、よく勉強している。そして面白いことに、民主党議席を得てからずっと小沢一郎と共にいる。荒れ狂う激流の中で所属政党が何度変わっても、小沢氏にピタリとついてきた。政界の裏表を知り尽くす、癖の強い小沢氏から離れないのは、玉城議員には、ぶれないある種の信念があるからだとみる。

もちろんぼくの独断だが、その信念とは小沢氏から政治哲学を習得すること。小沢一郎は並の政治家ではない。自民党政権を二度もひっくり返した男だ。細川政権をつくり、民主党政権を誕生させた。善し悪しは別にしても、こんな政治家他にはいない。

その小沢氏にピタリとついて、政治と政界の裏表、光と闇の全てを習得する。玉城デニー氏が、政治家としてどれだけの覚悟を持ち成長したか、興味は尽きないが、沖縄県知事に当選すれば、国会で修得した経験が大いに活かされるのは間違いない。

未知数の部分もあるが、翁長知事の意思を引き継いで、郷土沖縄のために大いに働いてくれるものと信じる。昨日、打診されて断ったらしいが、突然のことで戸惑っただけだろう。受諾までの数日間は悩みに悩み眠れぬ夜が続くだろうが、玉城議員は必ず受けて立つ筈である。

いっぽうの呉屋守將氏の態度ははっきりしている。候補者にあがった当初から明確に拒否してきた。琉球新報の取材に対して「出馬しないという考えは変わらない。翁長知事が伝えたというメッセージは後継の知事も、経済人の一人として自分を支えたように引き続きサポートしてもらいたいという意味と捉えている。そういうことであれば微力ながら努力はしたい」

と答えている。呉屋守將氏は誠実な人である。嘘をつくような人間ではない。とすれば、玉城新知事誕生に大いに力を尽くす筈だ。そして玉城新知事のもと、保守・革新の枠組みを超える政治勢力をさらに強固にする。翁長知事が全国に示してくれた、沖縄は「イデオロギーよりもアイデンティティ」を再認識するための知事選の姿が見えてきた以上、県民も心を一つにして連帯しようではないか!

 

安倍・菅に騙された仲井真弘多前知事

2013年12月、仲井真弘多沖縄県知事は、辺野古の埋め立てを承認する直前、政府に対し「普天間飛行場の5年以内の運用停止」を求めた。それを受けて翌年2月に負担軽減推進会議が発足し、5年以内の運用停止が閣議決定された。

遡って計算すると、2019年2月までに普天間飛行場の運用停止が実現する手筈になっている。

あと僅か半年後に迫っているにもかかわらず、運用停止について政府はダンマリを決め込むばかりか、否定的姿勢に終始している。一体どう言うことだろうか? そもそも政府は、普天間飛行場は極めて危険だから辺野古へ移設するのだと言い、辺野古新基地建設の正当性をそこに置いたはずだ。

だから仲井真前知事の要求を渋々受け入れた。ところが、蓋を開けてみると、これがとんでもない食わせ物だったのである。仲井真前知事は、明らかに安倍・菅コンビに騙されたのだ。

翁長県政に代わって、約束を守るよう、県は何度も内閣に申し入れを行ってきた。しかし安倍・菅コンビは頑なに否定的態度をとり続けているのである。理由ははっきりしている。もともと出来もしないことを約束したからだ。その他の理由は考えられない。

翁長知事は辺野古新基地に反対しているからと言う理由づけは、全くの嘘、こじつけにしか過ぎない。

安倍内閣が19年2月までの普天間飛行場閉鎖について、米軍もしくは米政府と具体的交渉を行なった形跡は全く見当たらない。平気で嘘をつく不誠実な内閣、それが安倍政権である。

4年前の知事選挙で仲井真氏を応援した沖縄自民党は大いに反省すべきだろう。そして今こそ覚醒すべきだ。何しろ応援した仲井真氏が安倍・菅コンビにまんまと騙されたのだ。政治家にとってこれ以上の屈辱はないではないか。県民に自明のことが、沖縄自民党に見えない筈がない。目覚めよ、沖縄自民党!安倍・菅コンビに軽々としっぽを振るな!