沖縄よ! 群星むりぶし日記

沖縄を、日本を、そして掛け替えのない惑星・地球を愛する者として発信していきます。

辺野古新基地に代わる代替案

 辺野古新基地阻止を訴える翁長知事が、4回目の訪米直前、那覇空港で「代替案の模索」について初めて言及した、との報道があった。名護市長選に敗れた上更に、訪米中に岩礁破砕差止訴訟敗訴を聞かされた翁長知事の心情を思うと、実に痛ましい感がするのだが、新聞で「代替案の模索」の文字を見た時、思わずあっと唸ってしまった。

と言うのも3年前、ぼくは翁長知事と菅官房長官宛に代替案の手紙を送ったことがあったからだ。当然、其々に文面の違う手紙だが、内容は共通している。その内容とは、小川和久著『普天間問題』(副題:この一冊ですべてがわかる)において言及されたキャンプハンセン移設を提案したものだ。

手紙と同時に、アマゾンを通して同著書を翁長知事と菅官房長官宛に送った。しかし、両者から返事が来ることはなかった。だから手紙も本も受け取ったかどうか、あるいは受け取りはしたが完全に無視したのかどうかさへ、全くわからない。もし受け取ったのなら、手紙に対する返事はなくても、本を進呈されたら感謝の一言くらい寄越すのが礼儀だと思うが。

さて、あれから3年が過ぎ、ぼく自身辺野古阻止運動に、去年の夏場だけとはいえ直接参加したこともあって、この件は完全に頭から消え去っていたのだが、しかし、今朝の新報の報道で「代替案の模索」と言う文字を目にして、もしや、と3年前のことを思い出したのである。

小川和久著『普天間問題』を何故、翁長知事と菅官房長官宛に送ったのか。 それは小川氏の提言が深い軍事知識に裏付けられた合理的かつ現実的な構想であり、普天間問題を解決する最も有力な提言だと考えたからである。

この本の出版は2010年だから、今からおよそ8年前になるが、しかし内容は少しも古くない。むしろ今読み返しても強い説得力を持って迫ってくる。だからこそ小川氏の論理展開の迫力に心動かされて、矢も盾もたまらずに翁長知事と菅官房長官宛手紙で、小川氏を中心とする委員会を組織して、普天間飛行場移設問題の解決を図ってはどうか、と提案したのである。

同著で小川氏は、現在のキャンプシュワブ埋め立て案ではなく、キャンプハンセン内移設を提案している。キャンプシュワブ案に比べて、工期は極端に短縮できるし、建設費(血税)もかなり安く済む。そして工事の間、普天間飛行場を他の米軍飛行場に仮移駐して同飛行場を閉鎖状態にする。以上のような構想の実現性を具体的に論証しているのだ。

普天間解決に必要な具体的作業

作業1・・普天間飛行場の航空機を「仮の移駐先」に移動させる。

作業2・・日米同盟はベターな選択であることを、沖縄県民と確認する。

作業3・・沖縄が米軍基地問題を解決する条件を、沖縄県民と確認する。

作業4・・普天間返還を突破口に、沖縄の未来を展望し、その自立を実現する構想を描き、本格的な移設先を決定する。≫

そして小川氏は、今後の米軍基地の整理・統合・縮小に向けたロードマップ(時系列の工程表)を作る必要性を説いて次のように言う。

≪ ロードマップの終着点は「日米関係を壊すことなく、沖縄の軍事基地をすべて廃止する」ことですが、これには10年どころか、100年以上かかるかもしれません。期限は示さなくても、それが最終目標だとしておけばよいでしょう。そして、その目標に向けて、日本が平和主義によるイニシアチブをとってアメリカとの同盟関係を変容させ、そのなかで極東、アジア、世界の軍縮を進め、沖縄米軍基地も減らしていくという工程表を描くのです。≫

ここまで言える小川和久氏は、単に軍事評論家と呼ぶより軍事思想家と呼ぶほうが適当ではないだろうか。小川氏の軍事知識は、他の追随を許さない程深いのだ。

翁長知事の「代替案の模索」の中に、小川氏が描く構想が影響しているかどうか、これからの翁長知事の発言に注目する必要がある。

 

南から北へ散っていく桜花

緋寒桜が散って 、春の光を受ける青葉が瑞々しい。中には花が残っている木も見られるが、仲間外れにされているようでなんだか哀れに感じられる。日本列島の桜前線は沖縄からスタートして次第に北上していく。

第二の故郷、東京のソメイヨシノはいつ頃咲くだろうか? 緋寒桜と違い、ソメイヨシノは短命だ。人生の儚さを象徴するように一気に満開になり、一気に散る。武士道とは死ぬ事と見つけたり。死を恐れぬ武士の勇ましさは、惜しげも無く美を捨て去る桜の潔さに倣ったのだろうか? 日本人は桜が好きだ、という表現はあまりにも単調すぎる。世界がいっきに豪華絢爛となり、ぱっと消える。

狂喜が狂気になるという信じられない夢のような世界を、ぼくは長い東京暮らしで、毎年体験してきた。7年前、東北大震災が起きた後、1ヶ月後に、ぼくは沖縄に帰ってきた。あれ以来、ソメイヨシノの花吹雪を観ていない。

緋寒桜なんてつまらない。ぼくにとって、桜の花と言えばソメイヨシノだけだ。緋寒桜を可愛い女子学生とすれば、ソメイヨシノは薄命の絶世の美女だ。永遠に手の届かない叶わぬ夢。だから狂喜が狂気となる。

それでもソメイヨシノは桜ではないと言った人がいた。小林秀雄だ。美食家にして常識の大家とも言える小林秀雄によると、本物の桜の花は山桜らしい。

敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花

ぼくに神道を開眼させてくれた本居宣長も山桜花をこよなく愛した一人だ。その山桜花というものをぼくはまだ見たことがない。生きてるうちに見る機会はあるのだろうか。いつか是非見たいと思うのだが。

桜の種類は結構あるらしいが、その中でも十数年前テレビで見た緑色の桜の花に驚いたことがある。しかしさらに驚いたのは、この緑色をした桜花に、ぼくは全く偶然に出逢ったのだ。東急田園都市線桜新町駅という駅がある。この駅から用賀駅に至る線路は地下を走っているが、その上の道路が桜並木になっている。桜新町駅から職場に通うのにいつもこの通りを歩いていたが、ある日突然、満開の桜の木で一本だけ様子がおかしいのに気づいた。近づくと花の色が緑色なので驚くと同時に感動したのである。

大分前テレビで見たあの桜である。名札を見ると御衣黄とある。木も花も桜そのものだが花の色が緑色なのだ。同じ通りにもう一本あることがわかった。偶然とは不思議なもので、ほとんど奇跡のような感じがした。思えば、この世そのものが奇跡なのかもしれない。インド人はこの世をマーヤ(幻)と呼ぶらしい。少しわかるような気がしないでもない。

奇跡の中の現実。桜前線。東北の桜はいつ咲くだろうか? 今年も間違いなく満開となり、花吹雪、花嵐となることだろう。千の風になって東北の花吹雪にまみれてみたい。厳寒の冬を潜り抜けて桜の花が咲く。春夏秋冬、四季のはっきりした本土で暮らす人々が、嗚呼なんとも羨ましい。

 

米朝首脳会談は拉致被害者全員を取り戻す最大のチャンス

トランプ大統領金正恩朝鮮労働党委員長の首脳会談提案を受け入れた。予測不能トランプ大統領の面目躍如といったところだが、実現すれば日本にとっては、拉致被害者を取り戻すための最大のチャンスとなる。

このチャンスを確実に活かすためには、北朝鮮、韓国、米国そして日本の当事者同士がwin-winとなる取引を構築できるかどうかが問われることになる。この場合、各国が共通の了解事項とすべき基本原則は、自国の主張を相手国に全部受け入れるよう強制しないことだ。

この基本原則がまず了解されなければ、交渉そのものが成り立たない。まずそのことを前提とした上で、国際政治の素人にすぎないぼく自身の見解を述べたい。四ヶ国の思惑は、当然ながらそれぞれ異なる。文在寅大統領の目的は、戦争を絶対にくい止めることと、朝鮮民族最大の悲願南北統一の実現である。入手できる情報を見る限り、文大統領の意志は鋼鉄のように硬い。金正恩委員長も文大統領の主張に異議を唱えることはないだろう。むしろこの若き異能の政治家金委員長こそソ連、中国、米国、そして日本の干渉に翻弄されズタズタに引き裂かれてきた朝鮮民族の歴史的悲劇を知悉している。南北統一は金親子三代に渡る最終目的だと言える。両国の主張に対してトランプ大統領も安倍首相も賛成するだろう。ただし条件が付く。その条件とは、朝鮮半島の非核化である。

この非核化をめぐる交渉が最大の難関になる筈で、ここをうまく乗り越える事ができるかどうかで極東に平和が訪れるか、もしくは武力衝突に至るかの分岐点になる可能性さへある。

トランプ大統領も安倍首相も、今までの主張通り完全非核化を主張するだろう。金正恩委員長も非核化の用意があると伝えて、米朝首脳会談の誘い水にしている。実は、この金委員長の発言が曲者だ。

なぜなら北朝鮮事情に詳しいプーチン大統領が言ったように、「彼らは草を食べることになっても核兵器開発を諦めることはない」からだ。もしそうだとすれば、金委員長の言う非核化の中身が具体的にどのようなものかが問題になる。現在所有している核兵器のうち、米国に届くとされるICMBのみを廃止すると同時に今後の開発を凍結する。その代わり残りの核兵器保有を認めるよう迫る。

とりも直さず、これが北朝鮮の国体保持のための最低条件だと金委員長は強調するに違いない。この提案をトランプ大統領が呑むかどうかは、極めて微妙なギリギリの線だろう。金正恩とトランプ氏の交渉の最大の見せ場になる筈だ。結果が吉と出るか、凶と出るか、神のみぞ知る。

さて、そこで脇役の安倍首相がやるべきことは、四月初旬に予定されているトランプ大統領との会談で、拉致被害者全員の帰国を条件に、金委員長が提案してくるであろう先に述べた条件を日本としては受け入れるから、その線で解決の糸口を見つけて欲しいと、要望することだ。

米国に届くICBMの廃棄と核開発の凍結、そして残る核兵器保有の承認。拉致被害者全員の日本への帰国。この図式が成立するならば、当事国全てがwin-winとなると思うが、いかがなものだろうか。

勿論、日本としては北朝鮮を核保有国として承認する覚悟が求められるだろう。しかし、それでも拉致被害者全員を取り戻す事ができれば、良しとするべきではないか。朝鮮半島の緊張緩和のために南北統一に向けて、日本が積極的に助力するぐらいの度量が政治家にあってもいいと思うが。

ただ懸念されることは、お坊ちゃん政治家・安倍首相にそれだけの頭と胆力があるかどうかだ。安倍晋三になくても、誰か周りの知恵者が安倍の尻を叩いて、実行させて欲しいものだ。拉致被害家族に残された時間はない。米朝首脳会談は拉致被害者を取り戻す千歳一遇の好機と成り得る。

安倍内閣には是非持てる力全てをこの一点に投入してもらいたい。一国民として切に要望する。

 

辛淑玉さんの言葉

『Osprey Fuan Club うようよ対策課』の読者登録をしているおかげで、新しい情報が配信されると当ブログに自動的に届くようになっている。昨日、「『ニュース女子BPO放送人権委員会名誉毀損の人権侵害があったことを認めたTokyo MXに勧告!− 報告書・記者会見・記事をここにまとめる」というタイトルの新しいのが届いた。

思い出すのも不愉快なあの『ニュース女子』であらぬ濡れ衣を着せられて、いいように弄ばれ罵倒されて、精神を深く傷つけられた辛淑玉さん。沖縄タイムスに寄稿した彼女の手記を読んで、ドイツに事実上の亡命生活を送らざるを得なくなったことを知り、彼女の背負った苦悩が、それほど深刻なものだったことを改めて認識させられたのだが、その辛淑玉さんの記者会見の動画が、昨日届いた『うようよ対策課』の中に組み込まれている。

この件に関する『うようよ対策課』の真面目で真剣な取り組みが感じられる。早速スタートボタンを押した。しばらくお待ちくださいの字幕。生中継に違いない、と思いながら待っていると、しばらくして映像が流れ始めた。辛淑玉さんは、感情を抑えて語り始めた。言葉はやさしい普通の言葉だが、その意味するものは実に深いものがある。我那覇真子の薄っぺらで子供っぽい勇ましいだけの言葉とは比較にならない程、又、決して比較してはいけないほど心を撃つものがある。

地獄を体験した人でなければ語ることのできない言葉。辛淑玉さんの言葉を聞きながら、正直、恥ずかしくなるくらい涙がポロポロ流れ落ちてくるのを止める事ができなかった。文章を綴っている今も視界が涙で曇ってどうすることもできない。彼女の辛くてどうしようもない現況が魂の奥深くまで伝わってくる。

辛淑玉さんの言葉を解説する力量をぼくは持ち合わせない。体験に裏付けられた言葉は重すぎる。だから、当ブログを見ている方は、是非『うようよ対策課』に接続して頂いて、直接ご自身で辛淑玉女史の生の声を聞いて欲しい。

「ネットは散弾銃のようなもの」と辛淑玉さんは言った。名言だと思う。ヘイトの散弾銃が個人に向けて撃ち込まれたら、避けることは不可能だ。山尾志桜里さんもヘイト散弾銃を撃ち込まれた一人だ。

眼を背けたくなるほどの酷く汚い言葉の数々。物事を深く理解する労を取らず、切れ切れのネット情報に頼る短絡的思考のネトウヨ連中。チャンネル桜「沖縄の声」が放つデマを彼らが拡散する。

我々はこの散弾銃の銃口を塞ぐために「沖縄の声」の連中と戦わなければならない。撃ち込まれたら拡散するのを防ぐ。デマの情報源を炙り出し、叩く。情報源を突き止めて、何度でも叩く。その意味で『うようよ対策課』は我々にとって頼もしい強力な味方である。大いに活用させて頂く。

さて余談だが、辛淑玉さんに散弾銃が放たれたのち、軽い鉄砲玉・我那覇真子が、辛淑玉さんの背中を狙って追い討ちをかけた。そんな我那覇真子をぼくは当ブログで「我那覇真子が日本のジャンヌダルク?」のタイトル名で批判した事がある。その時の文章の一部を掲載したい。

≪ 彼女は、2月24日の記者会見で、辛淑玉(シン・スゴ)さんを批判して、次のように語っている。

「日本国内における外国人の政治活動について。高江に常駐する約100名程度の活動家のうち、約30名が在日朝鮮人だと言われている。日本の安全保障にかかわる米軍施設への妨害、撤去を、外国人たる在日朝鮮人が過激に行うことが、果たして認められるものなのか。その実態を現地に入って取材した研究者は、この一連の反対活動を分析し、この運動の背景に北朝鮮指導部の思想が絡んでいるとすれば重大な主権侵害に当たるし、大胆で組織的なスパイ活動とも言えるとしレポートしている。貴女の抗議は、地上波東京MXテレビによって自らの不法行為と虚偽が首都圏から全国に拡散されるのを恐れ、これを阻止する事が目的と断じれる。そのために貴女は、沖縄県を日本の植民地と言い、ありもしない沖縄ヘイトに論理をすり替えた。日本国民である我々沖縄県民が、在日朝鮮人たる貴女に愚弄される謂れがどこにあろうか。我々は、貴女の一連の言動が反日工作につながるものだと解している。北朝鮮による無慈悲な日本人拉致、どう国内における、処刑、強制収容所送り等のすさまじい現在進行中の同朋人権蹂躙に対して、貴女が抗議しない不思議についても問うてみたい。それにしても、外国人の身でこれ程の反日活動を行うとは驚きである。」

あどけない若い女性の、あまりの勇ましい語調に背筋が寒くなって、愕然とするのみである。この発言には、在日朝鮮人に対する差別意識が強烈に滲み出ている。在日朝鮮人辺野古米軍基地建設に反対して何故悪いのか、その理由がまったく理解できない。辛淑玉(シン・スゴ)さんが、外国籍だからという理由のようだが、それでは、Veterans For Peace の退役軍人の人たちが辺野古に来て反対活動をしたのも、許されない事なのか?

会見の場に同席したケントギルバートは外国人ではないのか?在日朝鮮人はダメで、米国人なら良いのか?

むしろ、ぼくは、世界中の良識派が辺野古に集まって、反対活動を展開してほしいと願っている人間だ。いったい、我那覇真子という人物は、自分を何様だと思っているのだろう。まるで自分は沖縄を代表する人間であるかのような物言いではないか。思い上がるのもいい加減にしろと言いたい。

日本の安全保障について、親米保守の域を出ない若者が、ネット上での軽薄な人気に乗って、自信たっぷりに強硬な主張を繰り返す、その上滑りの強がりの姿勢に危険な匂いがするのだ。≫

 

軟弱地盤の辺野古新基地建設は必ず頓挫する

沖縄防衛局は辺野古新基地建設工事海域の地質調査結果を公表した。「チョイさんの沖縄日記」の北上田毅氏による沖縄防衛局への公文書公開請求に応えたものである。北上田氏は、以前から工事予定海域の地盤の軟弱性を何度も指摘し、各地で開催された各種集会でその解説の役割を果たしてきた人である。ぼくも、去年の夏場辺野古に参加した頃、北上田氏の説明を何度か聞いたことがある。同氏の強い信念と使命感が今回の資料開示に至らしめたのだ。氏はまた、『世界』3月号に「辺野古新基地建設はいずれ頓挫する」というタイトルで論文を発表している。多数の図を使って新基地建設の問題点を洗い出した力作だ。長年、公共土木工事に携わってきたという北上田氏のような人でなければ書けない論文である。興味のある方は是非読んでもらいたい。

辺野古に参加する人で土木技術者がもう一人いる。奥間氏という人だが、やはり新基地建設海域の軟弱な地盤解説のため各地で開かれる集会に奔走している。ぼくも何度か氏の説明を聞き、その誠実な人柄に惹かれて直接本人から資料と名刺をもらった。

余談だが、高江のヘリパッド反対闘争が展開されていた頃、本土の右翼が現地の反対派のテントを訪れた時の動画がある。撮影者は右翼で、そのリーダーらしき人は、せと弘幸である。田母神俊雄裁判で田母神氏を擁護し、告発者チャンネル桜社長水島総を攻撃しているあの右翼である。

反対派の現場に、偶然作業着姿の奥間氏がいた。せと氏とその同伴者たちは、当然、奥間氏をおちょくってやろうと、挑発的な言葉を投げつけてくるのだが、奥間氏は少しも怯むことなく、普段の様子で誠実に対応して少しも隙を見せることがない。その鮮やかな応対ぶりに、流石のせと氏も肩透かしを食らう形で退散したのである。その後ろ姿に、ありがとうございました、と奥間氏は言った。

少しの嫌味も感じられない言葉に、せと氏一派は何の反応もせずにそのまま去ったのである。奥間氏は、恐らく、せと弘幸の名前も、彼が右翼だということも知らなかったに違いない。否、知っていたとしても奥間氏の対応は何ら変わらなかったのではないか、そう思いたくなるほど誠実な人柄なのだ。

決して偉ぶらないが、強い信念の持ち主。こんな人もいるのだ、と感心して数ヶ月後、ぼくは辺野古行きを決意した。去年の4月、クレーンに吊り下げられた黒い網袋入りの砕石が、初めて辺野古の砂浜に降ろされてから1ヶ月後のことである。安倍政権の強行策がついに現実となった事が、辺野古行きを決断させたのだ。そして辺野古の現場で、マイクを握って一生懸命話をしている作業服の男がいた。

右翼をやんわりと帰したあの動画の奥間氏だった。彼が話し終わると、近づいて動画を見たことを告げ、請求して資料と名刺をもらった。それから何度か、奥間氏の話を聞く機会があったが、動画で見た奥間氏と少しも変わらない、誠実で信念の強い人だとあらためて再認識させられたのである。

北上田氏と、奥間氏。共に土木技術者である両者の献身的な行動が報われる日が必ず来ると信じている。名護市長選では敗北したが、それでも辺野古で座り込み抗議に参加する人は減少していない。何という人たちだ!我々ウチナーンチュに瀬長亀次郎の不屈の魂がしっかりと受け継がれ根付いている証拠だ。

翁長県政は多くの県民の思いに真剣に応えるべきだろう。奥港と本部港の使用許可、そして珊瑚の採取許可など、翁長県政は次々と県民の不信を買うような政治をしているが、いずれ沖縄防衛局は辺野古海域の軟弱地盤を強化するための設計変更許可を申請してくる。なぜなら各種データを見る限り、軟弱地盤を放置したままでケーソン護岸の工事は不可能だからだ。そのための設計変更許可を拒否できるかどうかが、辺野古闘争の最大の山場となる。

翁長雄志よ、命は天に預けて事に当たれ。そうすれば何も恐れるものはない。知事の後ろには30万票を入れた多くの県民が控えている。知事選はもう目の前だ。私心を捨てて全力を尽くせ!

米国の従属国家から抜け出て、日本の真の独立のために奮闘せよ!

 

「 沖縄はいつからこんなに冷たい島になった?」とはよく言うよデマゴン君

 昨年、沖縄自動車道で発生した多重衝突事故について報道した内容が誤りであった事実を認めて謝罪した産經新聞八重山日報に続いて、Yahoo!ニュースが遅ればせながらも昨日謝罪した。今更ながらこのデマ報道がどれほど社会を混乱させたかが理解できる。

 <Yahoo!ニュースに配信された記事について、記事配信元の産経新聞社が2月8日、記事中の事実が確認できなかったとして、記事を削除すると発表しておわびしました。

沖縄米兵の救出報道 おわびと削除(産経ニュース)
http://www.sankei.com/affairs/news/180208/afr1802080005-n1.html
Yahoo!ニュースとしてもユーザーにニュースを提供した責任があるため、上記の間違いがあったことをお伝えする必要があると判断しました。事実関係に間違いのある記事を提供したことを重く受け止めておわびするとともに、以下ご報告いたします。

Yahoo!ニュースには産経新聞社から以下の見出しで2本の記事配信があり、Yahoo!ニュースのユーザーに提供しました。
* 「あなたは真のヒーローです」…邦人救出で重体の米海兵隊員に祈りのメッセージ(配信日時:2017/12/10 22:40)
* 危険顧みず日本人救出し意識不明の米海兵隊員 元米軍属判決の陰で勇敢な行動スルー(配信日時:2017/12/11 09:00)
Yahoo!ニュースは昨年12月11日、上記のうち12月10日に配信された記事を「日本人救出で重体 米兵に祈り」という見出しをつけてYahoo!ニュース トピックスに掲出し、トップページにも出しました。
今年2月に産経新聞社のおわびと記事削除が発表されました。「日本人救出で重体 米兵に祈り」という見出しには事実として確認できない内容が含まれていました(トピックスはすでに削除)。

なお、「米海兵隊員の日本人救出」の関連で、Yahoo!ニュースが上記以外でトピックスに掲出した記事は以下の4本です。
(上:Yahoo!ニュースでつけたトピックスの見出しとトピックス掲載日時)
(下:トピックスに掲出した記事の見出し。カッコ内は配信元の新聞社名、執筆者名)

* 「米兵が救助」報道 米軍否定(01/30 13:44)
* 産経報道「米兵が救助」米軍が否定 昨年12月沖縄自動車道多重事故(琉球新報
* 米軍が救助報道 産経がおわび(02/08 10:36)
* <産経新聞>「米兵が救助」の記事削除 地元紙批判記事も(毎日新聞
* 産経おわび 沖縄2紙コメント(02/09 08:44)
* 産経新聞「事実関係の確認作業が不十分」 米兵の救出、沖縄2紙批判報道でおわびと削除(琉球新報
* 沖縄2紙叩き 産経誤報の背景(02/15 21:53)
* 産経新聞はなぜ間違ったのか~沖縄メディアを叩いた誤報の真の理由(江川紹子)>

ネット世界には大小様々なニュースサイトがあることを思えば、恐らくこのデマ報道は想像を超える程広範囲に渡って拡散しただろうと思われる。そして何よりも忘れてならないことは、このデマ報道の情報源は誰かということである。産經新聞八重山日報もそして今回のYahoo!ニュースも触れていないデマ情報を最初にネットに載せた犯人は誰か?

ボギー手登根(手登根安則)がその人である。デマ情報を垂れ流す常習犯。今までに流した悪質なデマは数知れず。ネット界でデマゴンと呼ばれる有名人だ。キューピーのような顔をしているが、根性の腐った悪党である。

昨年12月3日、彼は自身のフェイスブックに次のように書いている。

<事故現場に遭遇した時、彼はそのまま素通り出来ただろう。しかし彼は車から降り、クラッシュした車の中にいた日本人を助け出した。その直後、後続車に轢かれ意識不明の重体になっている。その事故のことを沖縄の新聞がどう書いたか。危険極まる高速道路上で怪我人を救助しようとしたことは一言も書いてありません。彼がアメリカ海兵隊員だからか?沖縄はいつからこんなに冷たい島になった?>

 多重衝突事故を材料にして創作したデマ作品。これが海兵隊員による日本人救出報道の元ネタである。よくも平気でこんな嘘がつけるものだと、恐ろしくなる。

この文章の下には写真が添付されている。事故現場の写真、海兵隊員トルヒーヨ氏、そして彼が全身包帯を巻かれてベッドに横たわる写真。嘘に信憑性を持たせるための手の込んだ作業。いやはや恐れ入る。これだけの証拠が揃っているのだから沖縄タイムス琉球新報もデマゴンを真犯人として告発すべきだろう。

2紙が告発しないとしても、我々は決してこの嘘つき野郎を許すわけにはいかない。この男がフェイク活動を止める迄、何度でも叩いてやる。

<沖縄はいつからこんなに冷たい島になった?> だと?冷たいのはおまえの邪悪な心だよ、デマゴン君。

 

 

朗報!「ニュース女子」打ち切りへ

昨年の1月、「ニュース女子」が辺野古新基地反対運動を特集した番組を放送したことがあった。

自称軍事漫談家井上和彦という不真面目極まりない男がレポーター役を演じる番組で、それだけで大方、内容の見当はつくが、実際は想像以上に酷いものであった。井上チャンが現地沖縄でとった行動は、反対派は怖いからと言って反対派の取材はせず、なんと代わりにチャンネル桜「沖縄の声」のキャスター我那覇真子とボギー手登根(デマゴン)を登場させたのである。

井上チャンは我那覇と二人揃って海に向かい、大声で「沖縄を返せ〜」と叫んだのだが、何のために誰に訴えているのか全く意味不明であり、理解不能。場面が変わって、デマゴン(ボギー手登根)登場。2万円と書かれた茶封筒を手に持っている。反対派は日当をもらっているというデマを最初に流した張本人だ。

こういう酷い内容であるにもかかわらず、「ニュース女子」のおっさん連中は真に受けて侃侃諤諤、反対派を茶化して貶め、女子の気を引こうと一生懸命だ。その姿は実に醜悪だ。反対派はテロリスト集団だ、日当をもらっている、金の出所は中国に間違いない、反対派は殆どが朝鮮人だ。言論の自由が保証されていることはわかるが、公のテレビでいい歳をした大人達が、これだけの差別発言をして、果たして許されるものだろうか?

やはりと言うべきか、世間は甘くなかった。東京で良識ある人々が立ち上がり、MXテレビを糾弾した。そしてBPOが動き番組内容の検証を始めた。BPO放送倫理検証委員会は「重大な放送倫理違反があった」とする意見を公表する。対してDHCテレビジョンは次のように述べて開き直っている。「(日当について)断定するものではなく、疑問として投げかけており、表現上問題があったとは考えておりません」「(基地反対派を取材しないのは不公平との批判について)言い分を聞く必要はないと考えます」

しかし、デマ情報は時間の経過とともに綻び、ついにその正体を現す。今日のヤフーニュースは「ニュース女子」打ち切りを告げている。

<昨年1月に沖縄の米軍基地反対運動について伝えた東京メトロポリタンテレビジョンMXテレビ)の「ニュース女子」に批判が出ていた問題で、MXが番組の放送を今春に終えることを決めた。事実上、放送を打ち切ることになる。関係者が朝日新聞の取材に明らかにした。「ニュース女子」は、化粧品大手ディーエイチシーのグループ会社「DHCテレビション」が取材・製作し、MXが完成版の納品を受けて放送している。問題になった昨年1月2日の放送回については、放送倫理・番組向上機構BPO)の放送倫理検証委員会が昨年12月、MXが番組内容を適正にチェックせず、中核となった事実についても裏付けがないとして「重大な放送倫理違反があった」とする意見を公表していた。関係者によると、批判を受け、MXは自ら番組の制作に関与したいと申し入れて交渉していたが、DHC側から断られたという。このため、今春の番組改編に合わせて番組の放送をやめることを決めた。

ディーエイチシーは、MXにとって最大級の取引先。2016年度の有価証券報告書によると、売上高の11、5%を占める。関係者によると、平日午後に放送しているディーエイチシー関連の美容番組も放送を終える可能性があるという。(田玉恵美)>

沖縄の歴史と実情に疎い本土の言論人、評論家たちがチャンネル桜「沖縄の声」が流すデマ情報を真に受けて、自ら真実を検証する努力もしないで扇情的発言を披瀝する。このような光景がメディアで展開されている。「沖縄の声」の罪は大きいといわなければならない。

「沖縄の声」のキャスターは全員どうしようもない人間たちだが、わけても沖ウヨデマゴン(手登根安則)は要注意人物だ。キューピーのような顔をして、平気でデマを製造する男だ。デマだとバレても謝罪しないどころか、反省すらしない。オバケのキューピー。

去年の夏場3ヶ月ほど、島ぐるみ会議がチャーターしたバスに乗り、辺野古新基地反対闘争に参加したことがある。参加者とともに座り込みをし、機動隊に何度も排除された。その体験から言うと、「反対派はテロリスト集団」「日当をもらっている」「中国の金が入っている」「殆どが朝鮮人」というのは全て完全に嘘である、と断定できる。

みんな真面目な普通の人である。ちなみにぼくは、いかなる政治団体にも属しない無党派層のひとりである。祖国愛以上に郷土愛が強いひとりの草莽であるに過ぎない。