沖縄よ! 群星むりぶし日記

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米朝首脳会談は拉致被害者全員を取り戻す最大のチャンス

トランプ大統領金正恩朝鮮労働党委員長の首脳会談提案を受け入れた。予測不能トランプ大統領の面目躍如といったところだが、実現すれば日本にとっては、拉致被害者を取り戻すための最大のチャンスとなる。

このチャンスを確実に活かすためには、北朝鮮、韓国、米国そして日本の当事者同士がwin-winとなる取引を構築できるかどうかが問われることになる。この場合、各国が共通の了解事項とすべき基本原則は、自国の主張を相手国に全部受け入れるよう強制しないことだ。

この基本原則がまず了解されなければ、交渉そのものが成り立たない。まずそのことを前提とした上で、国際政治の素人にすぎないぼく自身の見解を述べたい。四ヶ国の思惑は、当然ながらそれぞれ異なる。文在寅大統領の目的は、戦争を絶対にくい止めることと、朝鮮民族最大の悲願南北統一の実現である。入手できる情報を見る限り、文大統領の意志は鋼鉄のように硬い。金正恩委員長も文大統領の主張に異議を唱えることはないだろう。むしろこの若き異能の政治家金委員長こそソ連、中国、米国、そして日本の干渉に翻弄されズタズタに引き裂かれてきた朝鮮民族の歴史的悲劇を知悉している。南北統一は金親子三代に渡る最終目的だと言える。両国の主張に対してトランプ大統領も安倍首相も賛成するだろう。ただし条件が付く。その条件とは、朝鮮半島の非核化である。

この非核化をめぐる交渉が最大の難関になる筈で、ここをうまく乗り越える事ができるかどうかで極東に平和が訪れるか、もしくは武力衝突に至るかの分岐点になる可能性さへある。

トランプ大統領も安倍首相も、今までの主張通り完全非核化を主張するだろう。金正恩委員長も非核化の用意があると伝えて、米朝首脳会談の誘い水にしている。実は、この金委員長の発言が曲者だ。

なぜなら北朝鮮事情に詳しいプーチン大統領が言ったように、「彼らは草を食べることになっても核兵器開発を諦めることはない」からだ。もしそうだとすれば、金委員長の言う非核化の中身が具体的にどのようなものかが問題になる。現在所有している核兵器のうち、米国に届くとされるICMBのみを廃止すると同時に今後の開発を凍結する。その代わり残りの核兵器保有を認めるよう迫る。

とりも直さず、これが北朝鮮の国体保持のための最低条件だと金委員長は強調するに違いない。この提案をトランプ大統領が呑むかどうかは、極めて微妙なギリギリの線だろう。金正恩とトランプ氏の交渉の最大の見せ場になる筈だ。結果が吉と出るか、凶と出るか、神のみぞ知る。

さて、そこで脇役の安倍首相がやるべきことは、四月初旬に予定されているトランプ大統領との会談で、拉致被害者全員の帰国を条件に、金委員長が提案してくるであろう先に述べた条件を日本としては受け入れるから、その線で解決の糸口を見つけて欲しいと、要望することだ。

米国に届くICBMの廃棄と核開発の凍結、そして残る核兵器保有の承認。拉致被害者全員の日本への帰国。この図式が成立するならば、当事国全てがwin-winとなると思うが、いかがなものだろうか。

勿論、日本としては北朝鮮を核保有国として承認する覚悟が求められるだろう。しかし、それでも拉致被害者全員を取り戻す事ができれば、良しとするべきではないか。朝鮮半島の緊張緩和のために南北統一に向けて、日本が積極的に助力するぐらいの度量が政治家にあってもいいと思うが。

ただ懸念されることは、お坊ちゃん政治家・安倍首相にそれだけの頭と胆力があるかどうかだ。安倍晋三になくても、誰か周りの知恵者が安倍の尻を叩いて、実行させて欲しいものだ。拉致被害家族に残された時間はない。米朝首脳会談は拉致被害者を取り戻す千歳一遇の好機と成り得る。

安倍内閣には是非持てる力全てをこの一点に投入してもらいたい。一国民として切に要望する。