沖縄よ! 群星むりぶし日記

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破綻した安倍内閣の対北朝鮮制裁戦略

29日午前3時過ぎ、北朝鮮は新型ミサイル火星15を発射した。ロフテッド軌道を描き、高度4475Kmに達してから青森県西方約250Kmの排他的経済水域に落下した。分析の結果このミサイルは、ほぼ米本土全域を攻撃できるICBMであることがわかった。通常軌道で計算すると、1万3千Km飛ぶ能力がある。地球儀で見ると確かに米本土全域を完全に覆い尽くす距離だ。予想されたとはいえ、ついに北朝鮮は最終目標をほぼ達成したのである。“ 草を食べても彼らは核兵器開発をやめないだろう”と言ったプーチン大統領の言葉は正しかったことになる。若き異能の独裁者、金正恩はなぜ世界を敵に回してまで、核兵器開発に、これほど異常なまでに執念を燃やすのだろうか。漏れ伝わる情報によれば、リビアカダフィ大佐イラクフセイン大統領は核兵器を所有していなかったために米国に殺された、と金正恩は認識しているとされる。間違いのない情報だと思う。
北朝鮮が生き延びるためには、どうしても核兵器を所有する必要がある。カダフィ大佐フセイン大統領も、自分と同じく米国と対立する独裁的指導者だったために、米政府に殺されたのだ。しかし、核兵器さへ持っていれば、米政府は彼らを簡単に殺すことはできなかったはずだ。米政府は何よりも核の報復を恐れているからだ。米国と対等の立場に立ち、対等の交渉に望むためには、核兵器開発を完成させること。それだけが我が国が取るべき唯一の道である。金正恩がそう確信したとしても少しも不思議ではない。だから、どんなに酷い経済制裁を受けても着々と用意周到に計画通り核兵器開発を進めてきた。たとえ草を食べても・・・。
そしてついに、昨日その野望をほぼ達成したのである。そして、北朝鮮政府は「度重なる試練の中で追求してきた悲願の達成を誇り高く」宣言したのだ。恐るべし、若き異能の独裁者、金正恩
レッドラインを超えたいま、ボールは米国政府と日本政府に投げ返された。さあどうする、トランプ大統領と安倍首相。そこでニ人に問いたい。北朝鮮を先制攻撃するのか。米軍の指揮のもと自衛隊を出動させて集団的自衛権を行使するのか。数百万の死傷者がでるであろう事態を覚悟しているか。人類の最大の罪、戦争の地獄をまた繰り返すのか。ぼくの独断だが、恐らくトランプ大統領が先制攻撃の指令を出す可能性は低い。マティス国防長官もティラーソン国務長官も水面下で、武力攻撃を回避するためのギリギリの交渉を試みているはずだ。彼らの発言の断片からそれが読み取れる。
とすると米政府が北朝鮮の核保有を認めるかどうかに問題は絞られてくる。もし認めないならば北朝鮮が交渉に入ることはない。だから、米政府は北朝鮮の核保有を認めざるを得ないだろう。問題は、核保有は認めても、米本土に届くICBM保有は断念するよう条件を付けることは間違いない。その条件を金正恩がのむかどうかが交渉の最大の山場になる。金正恩が蹴ったときはどうなるか。その後の展開は誰も予想できなくなるなだろう。北朝鮮はさらに性能の高いICBMの開発を進めるだろうが、米政府がどうでるか、待ったく予想がつかない。
もう一つの可能性は、考え難いことだがもし金正恩が米政府の条件をのんだ時どうなるか。米国はひとまず安心するだろう。しかし、日本は大変なことになる。ずっと北朝鮮の核に怯えなければならなくなる。我々国民は、屈辱にまみれて恐怖の日々を過ごすことになるだろう。いずれにせよ、戦争という地獄を回避できたにしても、日本の安全保障は戦後最大の困難極まる状況に置かれるのは確かだ。制裁一辺倒を繰り返し叫んできた安倍首相の失態が明らかになる。安倍首相は、果たして最善の努力をしたのか、ぼくには全く見えてこないのだ。金魚の糞みたいに米政府の後ろから圧力強化を繰り返すだけでは異能の独裁者、金正恩に勝てるわけがない。
貧乏国にもかかわらず、戦後のNPT体制に刃を突きつけた金正恩は大した度胸の持ち主である。
それに比べると、「日本を取り戻す」と言った安倍晋三の言葉は実に軽く欺瞞に満ちた枯れ葉のごときものであった。対米従属の罪は大きく深い。トランプ大統領にいつでもハシゴを外される危険に気づいていないようだ。