沖縄よ! 群星むりぶし日記

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トランプ大統領の誤算

シリア空軍基地を巡航ミサイル59発で攻撃したトランプ政権に対して、確実な証拠がないとして、ロシアは連日、トランプ政権を非難している。今日も、ラブロフ外相は、トランプ政権を非難した。
MOSCOW (Sputnik) — The US missile strike against Syria hindered the political process in the country, Russian Foreign Minister Sergei Lavrov said Monday.
"We have discussed the illegal, aggressive actions of the US…, when the strikes were carried out against the airbase in Syria, which only exacerbated the situation and perhaps deliberately made the search for the political settlement difficult," Lavrov told reporters following the meeting with his Senegalese counterpart Mankeur Ndiaye, adding that the political settlement was the only way forward for Syria.
実は、シリア情勢はロシア軍がシリア政府と手を組むことで、反政府勢力とISを撃退し、事態は良い方向へと進んでいたのだ。しかし、今回の米軍の攻撃は事態を悪化させてしまった。もし、シリア軍が化学兵器を使用したとすれば、米軍の攻撃は正当化されるだろう。
しかし、シリア政府は化学兵器の使用はおろか、ロシア政府との合意のもと、2013年に廃棄したと主張している。ロシア政府も、シリア軍の化学兵器使用を否定している。
そして直ちに、国連に於いて調査するよう提案した。反政府勢力とISのどちらかが、シリア軍の仕業に見せかけて、使用したことも十分に考えられるからだ。
問題は、トランプ政権が確実な証拠を確認する前に、なぜ攻撃を急いだのかと言うことである。化学兵器使用が報道されてから、わずか3日後に攻撃に踏み切る背景には一体何があったのか?
一つは、思うよにうまくいかない内政。そして低い支持率。政権内の勢力争い。これらの要因が複雑に絡んで、トランプ大統領は、早くも抜き差しならない困難に直面している、と言えるのではないか。そして事態を打開するために、北朝鮮問題に狙いを定めた時、シリアの化学兵器事件が浮上した。これを利用しない手はない、とトランプ政権は考えたに違いない。だから証拠を確認しないで、シリアを攻撃した。
「あらゆる兵器の母」なる異名の巨大爆弾をアフガニスタンに投下したのも、北朝鮮問題に向けた見せしめのパフォーマンスにすぎない。
そして今、カールビンソンをはじめとする3隻の空母を朝鮮半島に向かわせている。世界一強大な軍事力を見せつけることで、北朝鮮を屈服させること。実際の交戦によるにせよ、交渉により北朝鮮が核保有を断念する意思表示を取り付けるにせよ、米国の勝利で幕が降りれば、米国民は沸き立ち、支持率は急カーブを描いて上昇して、トランプ大統領は以後の政権運営に自信を持って臨むことができる。
これがビジネスマン、トランプ大統領の頭の中に描かれた絵だ。しかし、大統領の座について、わずか3ヶ月の政治的経験の浅い大統領が、戦争を介して政治的成功を収めるとは、到底思われない。