衆議院予算委員会で下地幹郎が吼えた
今日の衆議院予算委員会で最後に登板した下地議員の質問は、多くの県民の鬱憤を晴らすような素晴らしいものだった。名護市長選挙では、渡具知武豊を応援したので、失望させられたのだが、今日の下地議員は違った。郷土愛がほとばしるような迫力で政府を追及した。米軍の占領下で、これまでに発生した米軍による事件・事故の件数を表示したパネルを示しながら、政府、特に小野寺防衛大臣の責任のあり方を問い質した。米軍による事件・事故が起きる度に、防衛大臣は米軍に抗議するが、なんの効果もないまま事件・事故が繰り返されてきた。沖縄はもう限界にきている。このような状況を打開するためには、日本側の責任者である防衛大臣が責任を取って、辞任すべきである。
そのくらいの覚悟と緊張感がない限り、同じことが繰り返される。このような内容の質問をぶつけた。しかし、小野寺防衛大臣の答弁は、やはり予想に違わないような、これまで何度も繰り返された千年一日の気の抜けた答弁であった。テレビを見た県民は、防衛大臣のあまりにも不甲斐ない態度に落胆したのではないだろうか。
下地議員は又、24年、25年における自衛隊員の自殺者数を知っているかどうか、小野寺防衛大臣に質問した。なんと、事前通告がなかったという理由で、知らないと答えたのだ。これでよく防衛大臣が務まるものだ。しかも彼は今回2度目の防衛大臣である。正確でなくても、近似的数字ぐらいは知っていて当然だろう。下地議員がこのような質問をしたのは、敢えて防衛大臣の責任感、能力を問いたかったからに違いないと思われるが、下地議員が示した数字は驚くべきものだった。
平成24年が83人、同25年が82人。これだけの自衛隊員が自殺しているのだ。想像以上に多い。
事故ではなく、自殺による数字である。気になりネットで調べて見た。すると、平成27年に阿部知子議員の質問主意書に対する答弁書があることがわかった。それを見ると、平成15年度から同22年度までの数字が記載されている。陸上自衛官、海上自衛官、航空自衛官、事務官別に示されているが、合計すると、15年度81人、16年度100人、17年度101人、18年度101人、19年度89人、20年度83人、21年度86人、22年度83人。
やはり多い。国防という重責を担う自衛隊員に何が起こっているのだろうか。日本の自衛隊は規律が正しく、優秀だという評論家は多いが、果たして真実はどうなんだろうか。米軍に従属する宿痾が自衛官としての誇りに関係しているのかどうか、調べて見る価値がありそうだ。
横道に逸れたが、下地議員に話を戻すと、強い調子で防衛大臣を問いただす下地議員に対して、与党席から野次が飛んだ。「それは違う」。野次の主は石破議員だ。下地議員は後ろを振り向いて、石破議員に向き合い、反論した。堂々とした下地議員に喝采を送りたい。地元の声を代表する議員が当たり前の質問をして何が悪い。下地幹郎、偉いぞ!
1月30日の赤嶺政賢議員の質問も素晴らしいものだった。「航空特例法」の廃止を求めて政府に迫る姿は、誠実で頼もしく立派なものだった。下地議員も赤嶺議員も沖縄をよくしたい気持ちに代わりはない。本土の人間には理解が難しいウチナーンチュのアイデンティティの証である。沖縄が不当に扱われて沖縄人が立ち上がるのは当然ではないか。
しかし、郷土を想う両者の情熱も声もヤマトンチュには届かない。声は聞こえど反応は鈍い。反応はしても魂は空虚だ。国防も外交も米国に依存・追従してきた歴代政権の無能・無責任は想像することが困難なほど深刻であることがわかる。弱者に強く、強者に弱い安倍売国奴政権。一日も早くこの政権を倒さない限り亡国の危機を回避する術はない。