沖縄よ! 群星むりぶし日記

沖縄を、日本を、そして掛け替えのない惑星・地球を愛する者として発信していきます。

9回目の辺野古:99対1の巨大な壁

これまで特定の政治活動をやった経験のないぼくのような人間が、なぜ辺野古の反対闘争に自らの意志で参加することになったか。3年前の知事選はじめ、すべての選挙で辺野古移設反対派が勝利したにもかかわらず、沖縄県民の意思を無視して安倍政権は、新基地建設を強行した。これが直接の引き金となった。その傲慢さは、歴代自民党政権の中でも際立つもので、それにたいする怒りの火がぼくのような普段は大人しい人間の内部で、激しく燃え上がったのである。そしてその背後には、多くの情報を調べた結果、海兵隊は沖縄に駐留する軍事的必然性がないことがわかった、ということがある。海兵隊の機能を考えるなら、本土のどこに置いても構わないのだ。グァムに全軍移転しようが、米本国に引揚げようが、一切構わないのである。沖縄の米軍基地は、嘉手納空軍基地を除くと、ほとんどが海兵隊関連施設だ。その要らない海兵隊関連施設をすべて撤去するだけで、基地の過重負担という沖縄の基地問題の大方は解決する。沖縄県民が主張し訴えていることは、決して無理難題でもなんでもないのだ。日本人として、当たり前のことを言っているに過ぎない。
正当な訴えであるにもかかわらず、県民の声が、国会に届かないのはなぜか?その原因の一つは、99対1の巨大な壁が、北緯38度線を挟んで、沖縄と本土の間に横たわっているからではないか、とぼくは、昨日辺野古行きのバスの中で、話した。総勢19人の中に、本土から来られた方が3名いた。特にその人たちに向けて次のように話した。「沖縄には、99対1の壁という言葉があります。それはどういう意味かというと、全国の人口を100とすると、沖縄県民はその中の1にしか過ぎません。だから99対1と言っていますが、それが大きな壁となり、沖縄では多数派を形成しても、全国レヴェルでは絶対的少数派です。県選出の国会議員も国会では、絶対的少数派に過ぎない。そのため、県民の意思はなかなか届かない、という現実があります。その大きな壁を乗り越えるにはどうすれば良いか。みなさんのように本土から、できるだけ大勢の方が、辺野古へ参加することで、この壁を乗り越えることができると信じます。皆さんに心から感謝します。その気持を込めて一曲歌います。」「実は今日は、ぼくに代わって歌ってくれる人を連れてきました。なかもとくにこさんに、沖縄育ちを6番まで歌ってもらいます。」と言ってから、スマホYouTubeにある曲、「沖縄育ち」をマイクに向けて流した。この企画が、乗員全員に受けた。バスの中は一気に和やかな雰囲気に包まれた。伊芸エリアでの小休止を入れて、約1時間半で現場に着いた。暑い。灼熱の太陽は、カミュの「異邦人」を思い起こさせる。国道の両側にフェンスが走っている。広大なキャンプシュワブである。テントの中に100名前後の参加者が集まっている。我々もその中に加わる。民医連の二人の紹介があった。熱中症や怪我人が出た時の応急処置のため、毎日、違うメンバーで参加しているという。なんと有り難く、心強いことか。全国どこにでも良心派がいる。だから生きていける。13時半を過ぎた頃、機動隊との攻防があった。機動隊は帰れ!コールの中、一人また一人と排除されていく。二人の隊員が、ぼくの両脇を抱えて、「そのまま歩いてくだい」と言う。「座り込みにきたんだから、歩かないよ」と言って、ぶら下がる形になった。そのまま運ばれると流石に両腕の付け根に負担がかかるが、もう一人の隊員がぼくの両足を抱えて持ち上げた。ハンモックのようになった。これだと楽ちんだ。すでに排除された参加者たちが閉じ込められている歩道の一角に運び込まれた。取りか囲んでいる機動隊員に向かって「ここはアメリカじゃないぞ。君達の向いてる方向が違うんだよ。」「ウチナーンチュが同じウチナーンチュを排除してどうするんだ?排除すべきはフェンスの向こう側の海兵隊だろうが!」「弱気を挫き強気に味方する、これが日本男児のやることか!」「恥ずかしいことをするな、アメリカの犬になるな!」「海兵隊が沖縄に要らないことははっきりしている。安全保障をもっと勉強しろ!」というようなことを、繰り返し大声で叫んだ。二十代の若い隊員たちの純粋な心にビンビン突き刺さる効果を狙って。もちろん無駄なことは百も承知の上だ。しかし非暴力が原則である以上、こうする他に方法はないのだ。参加者たちが機動隊に囲まれて身動きできない間、工事車両は基地内に入っていく。それを眺めながらどうすることもできない。1時間近くかかったであろうか、炎天下の中、我々は立ちっぱなしであった。一回目の攻防の後、参加者の約半数が帰っていった。もう一度搬入があるかもしれない、ということで我々は残ることになった。16時過ぎ、工事車両が現場に向かっている、という知らせが入ったので、ゲート前に座り込む。この時点では、参加者は30名前後に減っていた。この人数だと簡単に排除されて終わりだろう、と諦めの気分が強くなったが、そうではなかった。残った参加者全員が頑強に踏ん張った。機動隊の隊員たちの顔にも疲労の表情がみえる。我々は全員排除されたが、不思議なことに敗北感はない。視線の先は、日本政府、安倍政権だからだ。安倍政権の支持率は下降線をたどる一方だろう。辺野古へ参加する人々が絶えない限り、新基地建設は必ず頓挫する運命にある。帰りのバスの中で、美空ひばりの唐獅子牡丹を、スマホYouTubeからマイクで流した。「今日は、美空ひばりさんも連れてきています。唐獅子牡丹を歌ってもらいます。」バスの中が爆笑に包まれた。県庁前広場に着いたのは、18時過ぎ。一番遅い帰宅になった。辺野古は、ぼくにとって掛け替えのない実学の場となりつつある。

 

お知らせ: 保守も革新も無党派層の人も辺野古へ行こう!
海兵隊は沖縄に駐留する必然性はない!海兵隊は抑止力にならない !
毎日無料高速バスが出ています:参加費はカンパのみ
月曜日 午前9時発 平和市民連絡会
火曜日 午前9時発 オール沖縄那覇の会
水曜日 午前6時発 平和市民連絡会  
午前9時発 島ぐるみ会議
木曜日 午前9時発 平和市民連絡会
金曜日 午前9時発 平和市民連絡会
土曜日 午前6時発 平和市民連絡会  
午前9時発 島ぐるみ会議
 (いずれも県庁前広場発:受付8時半〜)