勇馬氏に答える
勇馬様。金城武男と申します。Kinbushiの本名です。以後、本名で呼んで頂いて構いません。ネット世界の恐ろしさを考えて、あえて名前を伏せていましたが、勇馬さんに捕まってしまった以上、覚悟を決めるときがきたようです。とは言っても、失うものは何もない身ですから、少し大袈裟な言い方かも知れません。私は、勇馬さんが仰るような教養ある人間ではありません。できるだけ常識的思考から大きく踏み外さないよう、日頃心がけている極めて平凡な一個人です。このような私が、貴方の今回の手厳しいご意見に対して、果たしてまともに答えることができるのか、全く自信はないのですが、できるだけ誠実に私見を述べてみたいと思います。田母神俊雄氏は、真の愛国者です。少しも疑う余地はありません。航空幕僚長の時発表した、いわゆる田母神論文以来、氏の言動に注目してきました。著作も何冊か読み、講演も動画で拝聴しました。さすがに航空幕僚長を務めただけあって、氏の言動に武士道精神を見る思いがしたものです。しかし、チャンネル桜の水島総氏の告発により、横領罪で裁判にかけられたのは残念なことでした。横領罪では無罪となりましたが、公職選挙法違反で執行猶予5年の判決が下りて、自由の身となった現在、運動を再開したようです。多分以前と変わらない信念で、行動されることでしょう。私は、田母神氏の主張は正論であるとの立場から、支持する者です。しかし、次のような発言は支持することはできません。
“米軍普天間基地の辺野古移転に対する翁長沖縄県知事の対応はどこまでも政府の方針に反対である。これほどまでに日本政府に反対のこぶしを振り上げる理由は何なのか。沖縄県知事は日本の安全保障に責任を持てない。知事は尖閣周辺で無法を働く中国船などについては何の発言もしない。”
田母神氏は、確かに軍事に関しては専門家です。しかし、全知全能の神ではありません。田母神氏の発言には論理の矛盾があり、沖縄に対する無理解があります。「 沖縄県知事は日本の安全保障に責任を持てない。」のであるならば、どうしてその知事が領有権を争って一触即発の危険を孕む尖閣問題で、中国政府を非難できるのでしょうか?知事の一言が事態をさらに悪化させることだって十分に考えられる。一市民ならいくらでも批判できるでしょう。現にネット空間では非難合戦が繰り広げられています。しかし、県民の責任を背負う立場にある県知事に果たしてそんなことが許されるのか、大いに疑問です。尖閣問題は、日本政府と中国政府との安全保障問題そのものではないですか。自衛隊を指揮監督する日本政府が責任を持って対応すべき政府の専権事項です。
仮に翁長知事が中国船の無法ぶりについて発言したとしましょう。それで中国共産党の政策が変わるとでもいうのでしょうか?翁長知事は中国共産党の政策を変えさせるほどの大物政治家でしょうか?是非そうあって欲しいものですが、現実はそうではありません。むしろ中国を名指しで非難すべきは、絶大な権力を有する日本政府ではないですか。
「 米軍普天間基地の辺野古移転に対する翁長沖縄県知事の対応はどこまでも政府の方針に反対である。これほどまでに日本政府に反対のこぶしを振り上げる理由は何なのか。」
理由ははっきりしています。多くの県民が辺野古移設に反対だからです。その県民が翁長知事を支持しているからです。我々沖縄県民は、3年前の選挙で36万票対26万票という圧倒的票差で翁長知事を選んだのです。民主主義社会において、この事実は重い。政府は沖縄県民の意思を尊重すべきです。田母神氏の言い方は、まるで政府の方針だから反対しているのだ、のように聞こえるが、政府の正しい方針には賛成し、正しくない方針には反対する。民主主義国家では当たり前のことで、他の自治体も同じではないかと思うのですが、どうでしょうか?不思議なことは、自主防衛論を唱える本土のほとんどの保守論客が沖縄問題に言及する時、米軍駐留容認派に豹変するのです。田母神氏も、憲法改正、自主防衛、核武装論者のはずですが、沖縄のことに言及すると、米軍駐留容認派になるようです。これは一体どう理解すべきなのでしょうか?沖縄と本土の間に横たわるこの深い断層をどう解釈したら良いのでしょうか?本土と沖縄の間に横たわる問題の解決を得るには、この深い断層の存在を認識することから始めなければならないのかも知れません。気の遠くなるよう長い時間が必要になるでしょう。私のような凡人には解答があるのかどうかさえ検討がつきません。
さて、勇馬さんはご自身の抑止論を述べておられますが、その論理はどうも混乱しているようで、私には理解不能だと言わなければなりません。肯定されたものが否定され、そしてその逆も成立するような論理を、どう理解すれば良いのか、戸惑うばかりです。私は、国家防衛の抑止力の上限は核兵器に行き着く、と述べました。しかし、核兵器を保有したからと言って、通常兵器は完全に不要であるなどと言った覚えはありません。核兵器の使用まで至らない、局地戦においては通常兵器がモノを言うのは明らかなことです。つまり通常兵器とともに核兵器を所有することで、国の抑止力は保たれるというのが、悲しいかな現代という時代の冷厳なる現実です。結論を急ぎます。嘉手納空軍基地と第7艦隊そして我が自衛隊で我が国の抑止力は当面の間十分である、勿論後方に控える米国の数千発の核兵器も計算に入れてのことである、との私の見解に対して勇馬さんは疑問を呈しておられる。その疑問は沖縄から海兵隊がいなくなって果たしてほんとうに大丈夫なのか、と言うことですが、正解に近い解答を得るためには、もう少し突っ込んだ議論が必要かも知れません。何しろお互い、軍事学に関しては素人ですから、議論が粗野で穴だらけになるのは仕方のないことでしょう。だからといって誰からも責められることはないと思います。
ことのついでに、勇馬さんに推薦したい本があります。『 戦う民意 』というタイトルの本です。著者は沖縄県知事翁長雄志です。きっと勇馬さんの沖縄を見る目が変わると信じます。政治家が書いた本に感動したのは、この本が初めてです。(昨日の当ブログへの勇馬氏のコメントに答える)
お知らせ: 保守も革新も無党派層の人も辺野古へ行こう!No Marine !
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(いずれも県庁前広場発)