沖縄よ! 群星むりぶし日記

沖縄を、日本を、そして掛け替えのない惑星・地球を愛する者として発信していきます。

感動した!山尾志桜里の当選と比嘉大吾の初防衛成功

昨日は衆議院選の開票速報とボクシング世界タイトルマッチ放映が重なった。それに大型台風が華を添えて祭りのような賑やかな1日となった。台風は遠ざかりつつあるが強風は続いている。そんな状況下での比嘉大吾の初防衛戦。祭りとスポーツ好きの県民には堪えられない秋夜となったのではないだろうか。
比嘉大吾は予想以上に強かった。フランスのトマ・マソン選手を7回TKOで下した。ガードの固いマソンのボディーを連打しアッパーを放つ。少しガードが緩むとストレートを打つ。大吾は天才的な試合巧者だ。パンチ力も強い。大吾の完全試合だった。
このまま順調に行けば、師匠の具志堅用高の13防衛の記録を塗り替えるに違いない。そして全試合KO勝利で進む可能性もある。沖縄のカンムリワシが世界に羽ばたく姿に県民は惜しみない拍手を送る。
続くミドル級タイトルマッチの村田諒太も、同じく7回TKOで前回判定で負けたチャンピオン、フランスのアッサン・エンダムを下した。日本初の世界ミドル級王者である。凄い。
ボクシングの世界戦を堪能したあと、開票状況に目を転じると、自民党の圧勝が報じられている。ある程度予想はしていたが、これほどまでとは思わなかった。しかし、自民党の圧勝は偶然が幾重にも重なり合った結果にすぎない。野党が選挙協力する態勢が整っていたら、獲得投票数は野党の方が多いのだから、政権交代までいかなくとも、自公政権過半数スレスレのところまで追い詰めることはできたはずである。
しかし、民進党がバラバラになったおかげで結果は自民党の圧勝に終わった。このような調子では、日本に二大政党制が訪れるなどとは努々考えない方が良い。それよりも自民党という政党は実は売国政党だという事実に、国民ができるだけ早く目覚めることが大切だ。
戦後72年、外国の軍隊の駐留を許し、自国の安全保障政策も外交政策も米国に依存追従する自民党。これを売国政党と呼ばずに何と呼ぶ。今の日本の政治停滞と軍事面での危機的状況は自民党政権売国的政策が、戦後長きにわたって続いたことが原因だ。
誇りと独立心をなくした国家は亡国の道を歩む。今の日本がまさにそうではないか。自民党を保守政権と信じてはならない。自民党は国民・国家を第一に考えたことのない似非保守の、米国に魂を売り渡した売国政党である。
ぼくは今後、当ブログで売国政党自民党を糾弾する論陣を張る覚悟でいる。さて、今回のデタラメ解散劇の中で、ぼくが最も気になった人物がいる。山尾志桜里である。不倫スキャンダルで民進党を離党した山尾志桜里。その彼女を左翼の佐高信と保守の小林よしのり両氏が応援している映像が動画で流された。小林よしのりは「 山尾志桜里氏は国の至宝だ」とまで激賞しているくらいだ。左翼と保守の両方から認められる山尾志桜里とはいったいどのような女性だろう? 興味が湧いてきた。
不倫スキャンダルが初めて報じられた後、週刊誌やネット上での山尾志桜里バッシングは物凄いものがあった。これでもかこれでもか、と目を背けたくなるような悪辣な言葉が、無防備な一女性に対して浴びせられたのである。マスコミ、週刊誌、ネットからこれだけ酷い攻撃を受け続けたら、普通の人なら身を隠して騒ぎが収まるまで、表に出ることはない。
しかし、山尾志桜里さんは違った。無所属で立候補した。比例復活のない一発勝負。頼るべき政党も資金もない。あるのはこれまで彼女を支えてくれた地元の後援会の人々だけだ。しかも、その後援会の人々もスキャンダル報道の後は、さすがに腰が引けていたのである。
その後援会の人々の気持ちを変えさせて彼女を支援する方向に持って行ったのは、彼女の変わらないひたむきな姿勢だった。なんども頭を下げる彼女の痛ましいほどの姿があった。
強い意志と信念。本物の政治家に必要とされる最低限度の必須条件である。彼女の信念には両親の教えがあった。「社会のために働きなさい」。この言葉を実行するのに左翼も保守も関係ない。だから佐高信小林よしのり山尾志桜里さんを援護射撃したのだ。
ドブ板選挙。面白い言葉だ。路地を回って一軒一軒訪ね歩く選挙活動を指すらしい。ぼくが尊敬する田中角栄はそれを徹底して実践した。時間が許す限り有権者一人一人と直に接して彼らの声を聞く。民衆の中に入り声なき声に耳を傾ける。民主主義の原点はここにある。山尾志桜里さんも徹底して、有権者の手を握り声を聞き、自分の考えを訴えた。
田中角栄顔負けの行動力の持ち主だ。政策立案能力も並外れたものがあるらしい。種々の政策議論を交わした小林よしのりが、彼女の能力を高く評価している。だから「 国の至宝だ」と言ったのだ。しかし、現実はなかなか思うようにはいかない。彼女にとって全く不利な状況で果たして勝てるのか。開票結果を見ながら、山尾志桜里の名前がなかなか出てこない。落選か、あるいは接戦が続いているのか、気になっていたが、時計の針が午前2時を指した頃眠りについた。
そして今朝、山尾志桜里の当選をネットで知った。急いで動画を調べる。あった、当選祝いの動画だ。わずか800余票差である。凄い。山尾志桜里さん、おめでとう。そして、感動をありがとう。
左翼だ保守だと人間を狭い枠にはめて論じる時代はもう古い。ひとりの人間が時に左翼的、時に保守的になることだってあるのだ。ぼくはその間を、常に行ったり来たりしている。人間の前に左翼や保守があるのではない。左翼と保守の前に必ず人間の生きた顔があるのである。

田原総一郎の爆弾発言

稀代のジャーナリスト田原総一郎氏は、13日の日本外国特派員協会における会見で注目すべき発言をした。安倍首相と1対1の会談をした時、「もう憲法改正の必要がなくなった」と安倍首相が言ったという。「なぜ?」と田原氏が問うと、「これまで米国は集団的自衛権を認めるよう、執拗に圧力をかけ続けてきたが、安保法案が成立したら急に静かになり、何も言わなくなった」と答えた、という。

田原氏が嘘をつくとは思われないので、会談内容は事実だろう。しかし、事実とすればこれは我が国の安全保障問題にとって大変な危険性を孕んでいる。安倍首相が日本会議でのビデオメッセージで、九条の1項、2項は変えず3項を設けて自衛隊を明記する、と言った背景がこれで明らかになった。

つまり、安倍首相は安保法制が成立して米国からの圧力がなくなった時点で、憲法改正の意欲を失くしていたのだ。だから自衛隊明記はほんの付け足し、改憲の姿勢だけアピールするという彼独特のお坊ちゃんポーズでしかなかったのだ。ここで問題なのは安倍晋三の下手な演技ではない。米国が何故、集団的自衛権を認めるよう、我が国に執拗に圧力をかけ続けてきたか、である。

実は、戦後体制における我が国の米国に対する不可解な姿勢は、全てがひとつの出口へと収斂して行くのがわかる。それは日米安全保障体制の最終目標達成の為に、日本政府に圧力をかけてくる米国の要求を何とか国民に分からないような形で実現させたという事実である。それでは米国の最終目標とは何だろうか? それは日本の周辺で戦争が勃発したら自衛隊を米軍の指揮権下に置くことである。つまり自衛隊の米軍への統合である。

この米国の野望を、米国立公文書館で機密指定解除された膨大な公文書資料を解読することで、手に取るようにわかりやすく解説した本が刊行された。末浪靖司著『日米指揮権密約の研究』がその本である。副題に「 自衛隊はなぜ、海外へ派兵されるのか」とある。興味のある人は、ぜひ購入して頂きたいと思うが、ここでは最初のところだけ要約したい。

その計画は1949年からすでに始まっていた。1949年11月2日、国務省の一室で平和条約締結後の米軍駐留を協議するメンバーの姿があった。マグルーダー陸軍少将、バブコック大佐、アリソン国務省北東アジア局長、バターワース極東担当国務次官補、ハワード国務長官特別補佐官、ワグスターフ陸軍大佐・国防総省計画作戦局員、フィアリー国務省北東アジア局員。

この会議で話し合われた内容は、日本を再軍備させてアメリカのアジア戦略に利用すべきだ、ということ。というのも、この年の9月にはソ連原子爆弾保有を宣言し、10月1日には中華人民共和国が建国されたという背景がある。著者の末浪氏は次のように書いている。「 マグルーダー陸軍少将は、この翌年の1950年10月に旧安保条約の原案を書いて、その中で「 戦争になったら、日本軍は米軍の指揮下に入る」という、いわゆる「指揮権条項」を書いた人物です。この指揮権についての条項が、その後の日米交渉のなかで正式な条文は消え、最後に「指揮権密約」として合意されることになるのです。」

この「指揮権密約」はその後の日米安全保障交渉において、半透明の毒を流し続けるのである。そして昨年の安保法制の成立で、米国の最終目標である自衛隊を米軍の従属部隊とすることが、ほぼ達成されたとみて良い。そこであのイラク戦争を思い起こしてもらいたい。安全保障問題に無知な小泉首相が米国の戦争に自衛隊を派遣した、あのイラク戦争である。末浪氏は次のように書いている。

「 第一次イラク派遣自衛隊の郡長だった番匠幸一郎氏は、同じ文書(イラク復興支援活動行動史)の巻頭で「イラク派遣は純然たる軍事作戦であった」と書いています。つまり日本では「人道復興支援」という名目でおこなわれたイラクへの自衛隊派遣は、その実態は自衛隊が米軍の主導する多国籍軍に加わり、その軍事作戦の一翼を担っていたということだったのです。死者がでなかったのは本当に幸いでしたが、それはたんなる偶然にすぎませんでした。自衛隊は2006年6月にサマワでの活動を終了し、撤退することになりましたが、その背景には「これ以上いたら、もう危ない」という現場の判断がありました。実際、現地で受けた強いストレスもあったのでしょう。帰国後に21人の自衛隊員が自殺しています。」

県民の大多数の民意を無視する安倍政権。米軍優先の航空路。改定されない日米地位協定。世界に類のない「思いやり予算」等々。これら全てが一点に集約されることが明らかとなった。すなわち「 日米指揮権密約」の存在である。ついに自衛隊は米軍の従属部隊になりさがった。日本は米国の従属国家にすぎないことが確定した。

実に自民党の正体とは、自衛隊を米軍の従属部隊とし、日本国を米国の従属国家にする目的で結党された売国政党であることが明らかになった。戦後72年、国民を騙し続けてきた売国政党自民党自民党の責任は重大である。立ち上がれ日本民族売国政党自民党を潰せ!

「辺野古新基地を許すな!」ブローチ

サンエーメインプレイスの5階で期日前投票ができることがわかり、バスに乗り出かけた。台風が近づいているためだ。先日印鑑屋さんに注文しておいたブローチを、いつも着用する帽子の両側にピン留めして出かけたら、バス停で年配の女性がそのブローチに視線を送って関心を示す気配が感じられた。実は狙い通りで、少し恥ずかしい気もしたが、内心得意でもあった。
そのブローチというのは、縦2.5センチ横7センチの長方形の青色のプラスチック板で、白文字で「辺野古新基地を許すな!」と彫り込んである。辺野古新基地に反対する人間がここにいるんだよ、と自己宣伝する目的で作らせたのだ。
実は、9月に入ってから体調が思わしくなく、それまで週に一度参加していた辺野古行きが叶わなくなった。体調が回復したらまた参加しよう、と思っていたのだが、生来の怠け癖が祟り、体調が回復しても行くのが億劫になってしまったのである。その代償として考えたのが宣伝用ブローチである。
辺野古へ通っていた頃、辺野古行きを呼びかける手作りのポスターを、数ヶ所の電信柱に貼り付けることもやったのだが、通行人を観察していると、そのポスターを見る気配が全くないことがわかった。それで帽子にブローチを付けたら多くの人に見てもらえるのではないか、というアイデアが偶然浮かんできて、方針を切り替えたのである。
その読みは的中した。バスに乗り込むと乗客の視線がブローチに注がれるのを感じ取ったからだ。これで腹は決まった。外出するときは必ず「辺野古新基地を許すな!」ブローチを付けた帽子をかぶって出かけることにしよう。これで辺野古行きのバスに同乗した仲間たちに言い訳が立つし、現場のゲート前で一緒に座り込んだ大勢の仲間たちの応援にもなる。
小さな応援だが、勘弁してほしい、そして理解してほしい。辺野古新基地を絶対に阻止する気持ちは変わらないし、想いは完全に一致しているのだから。機動隊に排除される屈辱に耐えて、命を削りながら今も座り込みを続ける多くの仲間たちを、ぼくは心の底から尊敬している。我々は精神的にはすでに勝利していると信じよう。
投票所に着くと、列ができるほど人が多い。やはり台風が接近しているからだろう。選挙区は、あかみね政賢、比例は日本維新の会と書いてそれぞれ投票箱へ入れた。数年に一度やってくる我々庶民が権利を行使できる瞬間だ。あとは政治家が国会で具体的にどう動くか我々庶民が知ることはない。これが議会制民主主義という制度の限界であり現実である。
書店兼営のコーヒーショップで本日のコーヒーとチョコ菓子を注文した。書店の本三冊まで試読できるので、辺見庸目取真俊の対談『沖縄と国家』をまず手に取り、本棚を物色していると、『日米指揮権密約の研究』という衝撃的なタイトルの本が目に入った。副題に「自衛隊はなぜ、海外へ派兵されるのか」とある。10日に発売された新刊書だ。直感が働く。購入しよう。もう一冊。『検証・安保法案ーどこが憲法違反か』を抜き出す。これで三冊。チョコ菓子を食べ、コーヒーを飲みながら一冊づつ要所だけ目を通す。『沖縄と国家』と『日米指揮権密約の研究』はその場で購入することにした。『検証・安保法案ーどこが憲法違反か』の奥付を見ると、初版日が2年前だ。スマホAmazonで調べた。送料込みで500円のがあった。コンビニ支払いで注文した。定価は税別で1400円だ。
三冊も買ってしまって大変な予算オーバーだが、未だに治らない病気だから仕方がない。部屋には未読の本が山積みになっている。おそらく一生かかっても読みきれないだろう。日暮れて道遠し、か。
帰りのバスの中でも、乗客の視線が「辺野古新基地を許すな!」ブローチに注がれている。その中に帰宅途中の女子高校生も数人いた。

共産党を支持しないぼくが何故、赤嶺政賢氏に投票するのか

ぼくは那覇市に住んでいるから選挙区割りは沖縄1区になる。今回の衆議院選では3名が立候補している。維新の下地幹郎氏、共産党赤嶺政賢氏、自民党国場幸之助氏の3名である。当然のことながら、三氏とも故郷沖縄を思う心は強い。しかし、政策の違いで所属する政党が異なるという厳しい現実がある。
誰に投票するかをいう前に、とりあえず三氏の政治姿勢に対するぼくの見解を述べたい。まず、国場幸之助氏。
彼についてまず思い起こすのは、4年前、辺野古移設反対の立場から容認する立場に変ったあの歴史的事件である。当時の石破幹事長が記者会見しているその斜め後ろで、県選出の自民党国会議員全員が雁首を揃えて簡易椅子に横並びに腰掛けさせられ、全員がうなだれた表情で、子供をたしなめる親のような石破幹事長の説教を聞いているあの場面である。石破幹事長は、5人全員に辺野古容認を迫ったのだった。容認しなければ、党から除名するぞ、というわけだ。除名を免れるためには、幹事長の恫喝に従うしかない。
しかし、その代償はあまりにも大きすぎた。県民は裏切られたと思い、怒りの声をあげた。
西銘恒三郎、島尻安伊子、宮崎正久、国場幸之助比嘉奈津美の5氏がその時の自民党所属の沖縄選出国会議員だった。参議院議員の島尻安伊子を除く4氏は3年前の衆議院選挙で全員落選したが、比例で拾われた。去年の参議院選挙では島尻安伊子は落選している。

しかし、どこに恥をかき捨ててきたのか、西銘恒三郎、宮崎正久、国場幸之助比嘉奈津美の4名は今回も立候補している。辺野古容認を提げたままでだ。
信念を貫き通すことのできない政治家は表舞台から早々に消えてもらいたい。代わりはいくらでもいるのだから。辺野古新基地建設反対は県民の大多数の意思である。ぼくもその中の一人である。国場幸之助は落選させるべきだし、比例復活もあってはならない。
さて、下地幹郎氏。
ぼくは、政治家としての下地幹郎氏を高く評価している。実は14年ほど前、『沖縄自立新聞』を個人で始めた頃、第2号で下地幹郎氏にインタビューを行い記事にしたことがあった。当時氏は自民党に籍を置き精力的に活動していた。インタビューしていても、ぼくより年の若い政治家の熱い想いと情熱がひしひしと胸に迫ってきた。
ぼくは、下地幹郎の陽気でエネルギーに満ちた性格に完全に魅了された、と言って良い。この政治家は将来、きっと大物になるに違いないと思った。テープ起こしをして仕上げた記事は自慢できるものに仕上がったと自負する。しかし、広告が取れない。どれほど頑張っても広告を集めることができない。唯一の収入源である広告が取れなければ、新聞を発行するのは不可能だ。個人で運営することの限界であり、悲劇でもある。涙を飲んで諦める他なかった。『沖縄自立新聞』は創刊号だけの幻の新聞になってしまった。
しかしそれでも、ぼくは今でも下地幹郎には政治家として期待している。沖縄のためにこれからも大いに汗を流してくれると信じる。それでは何故、下地幹郎に一票入れるのを躊躇するのか?
それは彼が所属する日本維新の会辺野古移設を容認しているからだ。下地氏自身の態度は曖昧で容認か反対か明確ではない。だからぼくは下地幹郎に一票入れないことに決めたのだ。しかし、比例は維新の会に入れるつもりだ。選挙区で落ちても、下地幹郎には比例で復活してもらいたいのだ。辺野古問題を除けば、ぼくは維新の会の政策にほとんど賛成の立場である。身を切る改革、政権与党に是々非々の立場で対峙する責任ある野党の立場。政治家を含め公務員をタックスイーター、納税者をタックスぺイヤーと規定してタックスイーターとしての公務員は身を正すべきだとする政治哲学。そんな日本維新の会の政治姿勢には大いに共感できる。
創始者橋下徹の遺産が大きいのだろう。しかし、辺野古容認はいただけない。橋下氏は最近安倍首相の例の九条に3項を加えて、自衛隊を明記する憲法改正案にも賛成している。ぼくは、先日当ブログでそんな橋下氏を「橋下徹には失望した」とのタイトルで批判したことを付け加えておきたい。
最後に共産党赤嶺政賢氏。
ぼくは共産党を幼稚な政党だと思っている。と同時にある面では感心できるところもある。その幼児性は安全保障政策だ。何が何でも憲法9条死守。嵐が吹こうがミサイルが飛ぼうが、とにかく九条死守。これを幼稚と言わずなんと言おう。共産党員の方々は、就寝時に戸締りはしないのだろうか?アパートの住人の良心を信じてドアに鍵をかけずに仕事に出かけるのだろうか?そうではあるまい。志位委員長始め、幹部連中は特に、自宅を出る時は、厳重に戸締りをしてから外出するはずだ。
国家だって同じことだ。外国の侵略に対してはしっかりとした戸締りを施す。一般家庭の鍵や防犯カメラを国家レヴェルにしたのが軍隊である。こんな簡単な理屈がわからない共産党はまるで子供のようである。そしてもうひとつ。共産党ほど頑固な政党はないということだ。年から年中、朝から晩まで大企業批判ばっかりして飽きることがない。経済政策もまるで子供のママゴト遊びのようだ。だから今日に至るまで、少数政党の域を出ることがないのである。名誉の万年少数政党!
しかし、感心できる面もある。それは他の政党と違って、政党助成金を受け取らない唯一の政党であるということだ。そして、企業献金も一切受け取らない。これは称賛に値する見事な信条である。この共産党の姿勢を他の政党は見習うべきではないか。
さて問題の多い共産党ではあるが、ぼくは赤嶺政賢氏に一票入れることに決めた。その決め手はただ一点。辺野古新基地建設に赤嶺氏は明確に反対しているという事実。ぼくは共産党を選択するのではない。選挙区は赤嶺政賢氏、比例は維新の会に入れて下地幹郎に復活してもらう。
オール沖縄は革新と一部の保守で構成されている。特殊な政治環境にある沖縄県民の知恵が働いた結果だと言える。3市長選挙で連敗した反省から、翁長県政を支える保守派の「にぬふぁぶしの会」も結成された。そして革新側もイデオロギーは腹六分目に抑えて翁長知事を支えてもらいたい。特に共産党イデオロギーを前面に出すのではなく、アイデンティティーこそを前面に押し出してほしい。

 

安倍の空虚で甘い言葉に騙されるな

投票日まであと一週間。選挙情勢はなお混沌としているが、そもそも今回の解散総選挙の本質を忘れることがあってはならない。米国による実質的宣戦布告による米朝戦争の只中において、その危機的状況を真正面から国民に訴えないばかりか、森友・加計学園問題で追及されるのを恐れるあまり、臨時国会で代表質問はおろか一切の審議も行わないで、冒頭で解散するという国会蔑視・国民無視の安倍首相の政治的無能がもたらす判断の誤りが原因である、ということだ。

解散などせずに、野党を説得して、臨時国会米朝戦争対策に絞って議論すべきではなかったか。迫力を持って説得すれば、森友・加計学園問題を一時棚上げすることに野党各党も同意するのにやぶさかではなかっただろう。もし首相提案を拒否すれば野党は国民から総スカンを喰らったはずだ。それほど米朝戦争は逼迫しているのだ。

年末にかけて米朝戦争はさらに緊迫するとの読みで、早めの解散を決意したとの報道もあるが、首相の任期はまだ一年ちょっとある。それなら解散せずに任期満了まで内閣と国会が協力して、米朝戦争に万全の対策を講じるべきだ。そのためにやるべき事は山積している。第一に核シェルターの建設。特に皇室の核シェルターは準備されているのかどうか。

電磁パルス攻撃による情報網壊滅に対する対応策は十分になされているかどうか。等々検討すべき課題は膨大である。しかも急を要するものばかりだ。

ところが頓馬な安倍首相は選挙演説でなんと言っているか。アベノミクスによる経済効果を数字の羅列でこれでもかとばかりに自慢する。しかも2年先の消費税の引き上げで学費の無償化を目指すなどと、いかにも国民受けするような人参政策をぶち上げている。こんなのは全て解散しなくても臨時国会の専門部会で審議できる事案ばかりだ。

安倍首相の今回の解散劇の目的ははっきりしている。自己保身のためだけのお坊ちゃん的悪あがきに他ならない。安倍首相の頭の中に国家国民は存在しない。あるのは自分を良く見せようとする子供っぽいパフォーマンスだけである。

鳩山由紀夫菅直人も最低の総理大臣であったが、安倍晋三は両者を上回る戦後の歴代内閣で最悪の頭の悪い総理大臣である。このような指導者をいただく日本国民こそ哀れである。

 

佐藤優の祖国とは?

『インテリジェンス武器なき戦争』は佐藤優と手嶋龍一両氏の対談本だが、佐藤氏の数ある本の中でぼくが最初に読んだ本である。今からおよそ十一年前のことになる。様々な情報戦に現場で関わって来た両氏の話は新鮮で抜群に面白く、一気に読み終えた記憶がある。その後インテリジェンスという言葉を、マスコミや言論界で頻繁に目にするようになったが、おそらくこの本の影響が大きかったのではないかと思う。

そしてこの本のおかげで、佐藤氏に興味を持ち氏の本を次々と購入するようになった。『国家の罠』『獄中記』をはじめとして、三十数冊がぼくの貧相な本棚に並んでいる。ひと頃「国策捜査」という言葉が流行りだしたのは多分『国家の罠』が発信源ではなかっただろうか。

底知れぬ知識と常識を超えた記憶力、そして日本人には珍しい論理的思考力で、多くの読者を魅了し、今や出版された本の数は膨大な量になる。県内の大手書店に行けば、佐藤氏の本は山積み状態だ。驚嘆すべき情熱とエネルギーを持つ日本を代表する知識人の一人である、と言っても決して言い過ぎではない。

そして何よりも氏の母親が久米島出身ということもあって、なんとなくウチナーンチュには親しみが感じられる。県内にも多くの熱心な読者、ファンがいるのではないだろうか。ぼくもその一人であり、佐藤氏の言動には常に注目している。

しかし、今朝の新報に掲載されたコラム「ウチナー評論」に少し引っかかる箇所があった。このコラムで佐藤氏は、11日に起きたCH53E米軍ヘリコプターの炎上事故について書いている。政府と米軍の対応の非道さを非難し、本土側の沖縄に対する構造的差別について指摘している。その論旨に対しては多くの県民は共鳴するだろう。勿論ぼくも賛成だし感謝したいくらいだ。しかし、佐藤氏は末尾で次のように書いている。

「日本人の良識に期待することは幻想だ。沖縄が自己決定権を強化し、われわれの祖国である沖縄を沖縄人の力で守るしか術がない。22日の総選挙では、沖縄に降りかかっている「国難」を克服できる政治家を国政に送り出してほしい。」

この文章でぼくが引っかかるのは「われわれの祖国である沖縄」という箇所である。佐藤氏の言い間違えか、新聞社の誤字表記であって欲しいのだが、そうでないとすれば非常に気になる言葉だ。というのもこの言い回しは明らかに琉球独立論に直結すると思われるからだ。何故なら47都道府県の中の一つの県に過ぎない沖縄県が祖国(国家)であるとするのは、論理をどれほど飛躍させても成立しない概念だからである。

だから「われわれの祖国である沖縄」という言い方は、琉球独立を想定したうえでの発言としか思われない。佐藤氏の意図するところはどこにあるか知らないが、危険であると言わざるを得ない。

何故危険か、理由ははっきりしている。中国共産党尖閣諸島を自国の領土だと主張するだけでなく、かつての中国の領土琉球を奪還する、と公言しているからだ。故に中国共産党の言い分は荒唐無稽であるにしても、今の状況下で琉球独立論に言及するのは、中国共産党を利するだけで非常に危険である。

いつの日か中国が民主化され、中国共産党が消えてその脅威が消滅してなお、相変わらず日本政府が沖縄に対して理不尽な政策を取り続けるなら、その時こそ琉球独立論が議論されても許されるのではないだろうか。物事にはそれなりにふさわしい時期がある。

今は、胸にしまって悪しき中国共産党に利用されないよう最大の注意を払う必要がある。独立がいいのか、沖縄自治州がいいのか、議論の別れるところだが、その時期が来るまでは辛抱するしかない。

「われわれの祖国である沖縄」という佐藤優氏の発言は、どんなに好意的に見ても、やはり思慮に欠ける発言であった、と言わざるを得ない。

立憲民主党がんばれ!

昨日のプライムニュースに立憲民主党枝野幸男代表が出演していた。彼の主張を聞いてある種感銘を受けた。頭のキレ、判断力、論理性、いづれも非の打ち所がない。そして何よりも誠実な人柄は政治家にとって大きな武器になる。欲得まみれの政治家が多い中で、彼の誠実で力強いことばは、多数の有権者のハートをつかむに違いない。党代表としての責任ある立場に立ったことで、全才能が爆発しはじめたのではないか、そんな気がした。

安倍首相のデタラメ無責任解散のおかげで、選挙戦はカオス状態を極めているが、ダークホース的存在だった立憲民主党がここにきて主役に躍り出たと言えるのではないだろうか。小池都知事の「排除」発言、希望の党政権公約の曖昧さも手伝って、早くも希望の党は主役から転げ落ちたのだ。

各マスコミの現在の予想では、与党が優勢だとされている。全野党の選挙協力が成立しなかったのだから、当然のことではあるが、しかし、やはり安倍首相の続投を許してはならないはずだ。嘘つきで傲慢、庶民の心が理解できないお坊ちゃん的性格、こんな食わせ者政治家に日本の舵取りを任せてはならない。

選挙の結果、与党が過半数を獲得するとしても、安倍首相を退陣に追い込むべきだろう。願わくば政治家を辞めてもらいたい。

話は前後するが、枝野代表は昨日沖縄に来て街頭演説して次のように述べている。「 辺野古については公約で、もう一度ゼロから検証すると明確に掲げた。日米地位協定の改定も全力で取り組む」

頼もしい限りだ。大いに期待したい。75名の立候補者を擁立しているが、ぼくの予想では全員当選は無理としても70名前後はいきそうな気がする。そして希望の党は60名前後の惨敗に終わるだろう。

さて、岸田文雄自民党政調会長。彼も選挙応援で昨日沖縄に来ていたらしい。そして不幸なことに、あのCH57米軍ヘリコプターの不時着炎上事故に出くわしてしまった。当然、政調会長としては米軍に抗議する必要がある。そこでローレン・ニコルソン在沖米四軍調整官を呼んで抗議しようと米側と調整したが、会うことはかなわなかったという。岸田氏は次のように述べている。「 四軍調整官と総領事にお越しいただき、しっかり抗議し対応を求めていく調整をしたが、かなわなかった。理由は説明がなく分からず全く理解できない」

外務大臣で現自民党政調会長であっても、ニコルソン四軍調整官は無視を決め込んだのである。これが我が国の対米従属路線の実態である。そして岸田文雄氏は次期総裁の有力候補の1人とされているのだ。冗談も休み休みにしてくれ。背筋が寒くなるばかりだ。