沖縄よ! 群星むりぶし日記

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新基地建設の賛否を問う県民投票実施賛同署名数が6万を超えた

今年2月に行われた名護市長選以前まで、ぼくは辺野古新基地建設の賛否を問う県民投票実施に否定的だった。何故なら知事選、国政選挙で反対派が勝利し、県民の民意は明らかであり、敢えて県民投票を実施する必要はない、と考えたからだ。

しかし、翁長県政になってから、日にちが経過するにつれて最初の頃の勢いは弱まり、宜野湾市宮古市石垣市沖縄市の各市長選挙で翁長知事が推す候補者が次々に敗北するという予想外の結果になった。南城市だけは僅差で勝利したが、オール沖縄(ぼくはこの言葉があまり好きではない。イデオロギーよりアイデンティティを大事にするという意味でつけたらしいが、それならズバリ、アイデンティティ沖縄の方が良かったのではないか)側の敗北は明らかだった。

ただしかし、市町村の首長選挙は、各自治体の住民の生活の向上を具体的にどうするかという政策が問われる、という面があることは確かである。だから辺野古新基地建設のように県民を二分するような大きな問題は争点になりにくいとも言える。現職に有利に働いた一因だろう。

しかし、名護市長選挙は他の市長選挙とは性格が異なる。辺野古は名護市に属する。辺野古基地問題は名護市政に直接関わる政治案件なのだ。その意味で名護市長選挙辺野古反対派にとって、絶対に負けられない選挙だったのである。

しかし、稲嶺市長は新人の渡具知氏に大差で敗北した。ぼくは、正直言ってこの結果に愕然とした。どうしても信じられなかったのである。渡具知陣営の辺野古問題に対する曖昧戦術、安倍内閣の強力な梃入れ。原因は色々考えられる。稲嶺陣営の楽観ムード、気の緩みもあったかも知れない。

しかし、負けは負けである。辺野古移設反対派の稲嶺市長の落選で状況は激変した。明らかに辺野古反対派にとって、大変厳しい状況となった。その結果を踏まえて、オール沖縄内で県民投票を実施すべきだという提案が出された。しかし、議論はまとまらず、提案者の呉屋守将共同代表はオール沖縄会議を辞めて県民投票実施に向けて動き出す。

報道でそのことを知った時、ぼくは呉屋氏がとった行動は正しいと思った。状況が変化した以上、そして厳しくなった以上、新たな手段を講じるべきである。「 阻止するためにあらゆる手段を取る」とはそういう意味だろう。ぼくは、ここまできたら県民投票を実施すべきだと、不要論から賛成する側に転じた。

県政与党の中でも実施か否かで煮え切らない状態が暫くの間続いたが、元山仁士郎はじめ若い人達が「辺野古県民投票の会」を立ち上げて市民運動として活動することになった。

しかし、経験不足なのか、動きが鈍い。メインプレイスや市役所前など、ぼくがよく足を運ぶ場所で署名を呼びかける姿を見たことがない。どうなっているのだろうと、訝っていると、締め切り一ヶ月前に迫って、まだ法定数に大分届かないという報道がなされた。

この報道が効いた様だ。諸団体が本腰を入れて動き始めた。その結果、22日午後9時までに65,926筆の署名を集めたのである。この数字は、県内有権者の法定数の2%を上回って⒌69%になるらしい。

署名活動に汗をかいた人達に感謝したいところだが、とうとうぼくは、署名の機会に恵まれなかった。昨日もメインプレイスに行ったのだが、署名活動の人々を見かけることはなかった。

しかし、ともかく一安心ではある。ところが次の様に述べて県民投票に疑問を持つ人もいる。「もし賛成が反対を上回ったらどうする?」

その可能性なきにしもあらずだが、その時はその時、投票結果を尊重するしかないだろう。民主主義的手法を踏んでその手続きに不正がない限り、投票結果に従うべきなのは言うまでもない。

その点に関して、県民投票の会顧問の呉屋守将氏(金秀グループ会長)が注目すべき発言をしている。琉球新報のインタビューで実施に向けての考え方を問われた呉屋氏は次の様に答えている。

「 推進派が黙って、我々が一方的に票を伸ばして圧倒しても、それで本当に勝利したとは言えない。彼らにも彼らなりの議論を深めて欲しいし、深める中で矛盾点にも気がつくだろう。それは我々自身にもあるかもしれない。それこそ国政与党に辺野古埋め立て賛成の運動を盛り上げるように呼び掛けたい。我々もそれに負けずに運動をする。議論を活性化させることが何より大事だ」

「実際の県民投票に当たって気になるのは設問だ。イエスかノーかのほかに、「分からない」といった選択肢は設けてほしくない。一人一人の県民がどういう気概と覚悟を持ち、子や孫の時代にどういう実績を残すのかを逃げ場を設けずに示してもらいたい。これは、ちょっと押し付けがましい問いかけかもしれない。だけど、今を生きるうちなーんちゅの一人としてやる責務があると思っている。県民がお互いにいがみ合い、分断された状況にこれで終止符を打ち、次の議論に進みたい」

沖縄県民がお互いにいがみ合い分断される状況をつくったのは安倍売国奴政権に他ならない。知事選と国政選挙において、辺野古新基地建設反対の民意が明確に示されたにも関わらず、安倍売国奴政権は工事を強行した。しかし、我々は安倍首相の国民が納得するような説得力のある安全保障政策を、今日に至るまで聞いたことがない。彼の視線は我々には向けられていない。彼の視線はワシントンを向いたままだ。

田原総一郎の最新刊、佐高信氏との対談本(河出書房新社)で田原氏は、安倍はアメリカを怖がっていると述べている。トランプ大統領が右向けば右、左向けば左。

トップがこんな情けない体たらくだから、辺野古推進派は説得力のある安全保障議論ができないのだ。呉屋氏は「 それこそ国政与党に辺野古埋め立て賛成の運動を盛り上げるように呼び掛けたい。我々もそれに負けずに運動をする。議論を活性化せることが何より大事だ」と言っている。

勇気ある発言だ。それだけの覚悟と気概がなければ、なかなか言えることではない。辺野古推進派よ、本当に日本は米国の属国のままでいいのか?